立山山行記録

期 日:2001年6月1日(金)〜6月3日(日)
参加者:武田則子(リーダー),小林迪子(会計),中館敏子, 森達男, 榊陽(記録)

6月1日(金) 晴れのち曇り,風強い.
室堂(10時出発)−雷鳥沢出合(昼食,シール装着,11時20分出発)−剣御前小屋(13時40分頃着)−剣沢小屋往復(降り5分,登り40分)
前日(5月31日)の夜行でそれぞれ東京を出発したメンバーが全員9時30分に室堂駅で合流した.外へ出ると,風が強く寒いが,まずまずの晴天でほっとする.スキーをつけ室堂小屋の南側から称名川に降り,雷鳥沢に向かう.今年のアルプスは沢に雪が多いにもかかわらず,稜線には雪がついていないといわれているが,ここも例外ではなくて,雷鳥坂の上半分は露出している.そこで沢沿いに登る.登るにつれて遠くの山々が現れ,目を楽しませてくれる.しかし剣御前小屋についてしばらくすると,すっかり曇り剣もガスに隠れてしまった.一休みの後,足慣らしに剣沢小屋まで滑る.雪面の薄氷を蹴散らすカラカラという音が快い.

6月2日(土) 朝方霰(室内でも1.2℃),午前中曇りときどき薄日が漏れる,午後雨とガス,1日中強風
剣御前小屋(9時40分出発)−長次郎谷出合(10時着、10時25分出発、)−長次郎谷熊岩下(11時40分着)−長次郎谷出合(12時着、昼食、12時30分出発)−剣御前小屋(15時着、15時30分出発)−雷鳥荘(16時30分着)
今日の予定は真砂沢を下り剣沢を登り返す予定であったが、強風の上に雪が氷結しているので断念する.雪が緩むのを待って剣沢を降り、時間が許せば長次郎谷を攻めることにする。乗越から一気に剣沢を下る.平蔵谷の出合手前で雪がぐんと緩くなリ、間もなく長次郎谷の出合である.時間もあるので、長次郎谷を1時間だけ登ることにする.案外調子よくて熊岩の下あたりまで行けた.うっすらと見えていた後立山の山々も間もなくガスに隠れ小雨もぱらつき始める.散らばる落石を避けて降り、出合で昼食を取る.長い剣沢の登り返しを考えるとうんざりするが帰るしかない.頭を空っぽにして足を前に進め乗越に帰り着く.一休みして雷鳥荘に向かう.この頃より雨がひどくなり、ガスで視界も不良となる(見通し距離30m位).声を掛け合いまとまりを確認しながら雷鳥沢を降る.称名川近くまで下ると、漸く視界が開け雷鳥荘が見えてきた.最後の一登りは地獄の苦しみであったが、ただただ温泉に入れることを楽しみに登った。今日の宿は昨日の小屋と比べると天国です。

6月3日(日) 一片の雲なき快晴 風もなくぽかぽか陽気
雷鳥荘(8時10分出発)−室堂山荘(8時40分、シール装着)−一ノ越(10時着、10時30分出発)−東一ノ越(11時30分着、12時出発)−黒部平(12時30分着)
昨日までとは打って変わった好天に心も弾む.室堂山荘まではスキーを担いで夏道を行く.一ノ越に登りつくと、北アルプス南部の峰々、八ヶ岳、南アルプス北部の主峰などすっかり見渡すことができ幸せな気分に浸る.東一ノ越までは、スキーをはいたり脱いだりしながら行く.ここで先行するパーティーと一緒になったが、エーデルワイスの方々で写真をとっていただいた.一足先にわれわれのパーティーが降る.降ってみると、上から見たよりもはるかに大きい斜面であることが実感される.これが今年最後の滑降になるのかと思うとターンの一つ一つがとても大事なものに思われてくる.残念ながら下半分は雪面に無数の縦溝ができていて足を取られ滑りにくいことおびただしい.やっとのことで、黒部平にたどり着き今年のスキーを終える.さて有終の美を飾るにふさわしいスキーができたでしょうか.

参加者の点描:武田さんはゆうゆう迫らざるスキー.小林さんは堅実そのもののテクニックで降って行く.中館さんは他の人たちの倍の荷物を背負って、すごい勢いで飛ばしていく.いにしえの巴御前もかくやと思わせる奮闘振り,若いっていいですね!森さんのスキーは華麗でしかも力強い.歩いても抜群の体力.体調不良の榊は皆の滑りを後ろから眺めながらしょぼしょぼとついていく.

費用
新宿−信濃大町往復9,850円(あずさ回数券),
信濃大町−扇沢往き:1,330円,帰り:1,500円(温泉で途中下車)
アルペンルート:6,800円(30周年記念10%引き),プラススキーおよび荷物代
小屋代:剣御前小屋:8,400円,雷鳥荘:8,190円,  ビール等:1,270円    榊記)