火打山〜黒菱山

  標高差2000mの大滑降! が、事件も続出

2002年3月30日(土)〜31日(日)
参加7人 土屋秀二(L 記録) 岡安トキ 金井多計子 上林裕之 笹生博夫 直井敏男

 京では3月22日に桜が満開を迎え、異常とも思える暖かさの雪シーズンだった。妙高頚城エリアも御多分に漏れず、雪不足に悩んでいる。計画は、火打山頂上を起点として、澄川源頭から矢代川第3発電所までを辿るコースだったが、黒菱山からの大滑降コースを中心に変更した。標高2460mの火打山頂から標高300mまで、本邦屈指の山岳コースである。

30日
東京発あさま501号集合。直井さんがいない。10:20 直井さんには追いかけて貰うことにして、妙高杉ノ原スキー場最上部を出発。12:20三田原山着。2時間足らずで本日の行程の大半を終了。今日の足並みはメッポウ早い。ここから、本日唯一の滑走。軽いモナカ状態の雪をバリバリ割りながら黒沢湿原へ。風のない所で大休止。黒沢湿原もモナカ状態。トレースを数えれば通過した客の数がわかる。ランドネメンバーのトレースを合わせて18ライン(上林計測)。これなら毛布・布団にありつける。13:00黒沢湿原から最後の登り。汗をかかないよう、のんびり高谷池へ。天気が良いから問題ないが、台地で高谷池ヒュッテを見つけるのが難しい。14:00高谷池ヒュッテ着。なんと、小屋の最奥では牢名主がハバを効かせている。今年も「自然を滑る会」だ。滑走コースは我々と一緒。黒菱山を下るとのこと。15:00直井さん到着。16:00金井シェフの手料理で宴会に。メニューは、ジャーマンポテイト、粗挽きソーセージ、肉団子鍋野菜山盛り。とても食べきれない。満腹だーー。下界より充実した食事。日頃、マクドナルドや吉野屋を愛用していると、涙が出るほど嬉しい。

31日 快晴
5:00 起床。日焼け対策を入念に。6:50火打山頂目指し出発。雪面が固い。カチンカチンだ。天狗の庭までの軽いアップダウンですら、神経を使う。8:00黒菱山・鬼ヶ城方面の尾根との分岐点着。荷物・スキーをデポして、歩行アイゼンで火打山頂を目指す。
ここで事件発生。誰かがスキーを履いた状態で滑落。やはりこれだけの硬く透き通った氷の斜面ではアイゼンでなければ対応できないのか? 遥か澄川方面へ、全く姿を確認できないほど下へ落ちた模様。その様子を見ていた「自然を滑る会レスキューチーム」は滑落者を助けるべく、出動。がしかし、ミイラ取りがミイラになり、「自然を滑る会」はやむなくプラン変更。澄川下りを余儀なくされた。滑落者2名の安否が気遣われる。おかげで、我々パーティーだけで黒菱の急斜面を楽しめる。9:00ラ・ランドネパーティー無事登頂完了。頂上には影火打〜笹倉温泉コースのグループが思案していた。あまりに硬くて滑走不能である。9:30デポ地へ戻り、滑走開始。まずは、アイスバーンの急斜面を鬼ケ城へトラバース。
ここで第2の事件勃発。待てど暮らせど、ラ・ランドネメンバー2名がやってこない。どうやら、滑落した模様。幸い、こちらの被害は最小限。2名の体力を消耗しただけで済んだ。しかし、硬くてどうにもならない。10:20に2名が戦線復帰し、本日の第1関門到来。2130m付近の小さいが急な尾根を突破する所だ。尾根には数mの雪屁が発達している。ザックを先に流し、人間はジャンプして雪屁を乗り越えたはずが(第3の事件)・・・。ザックが1個、我々が向うのとは逆の斜面へ転がっていくではないか。止まらない、止まらない! ザックは100m以上落ちて、やっと停止。私も笹生さんも遥か下方のザックを見るや、すぐさま大休止モードへ。
11:15再度、6名が戦線へ復帰し、黒菱山へ尾根を滑走する。11:30本日最大の関門、黒菱北面の40度以上の急斜面に突入。ゆっくり休めたおかげで、硬くない。あるいは、標高がかなり下がったからか? 快適な急斜滑降となった。そのまま、きれいな台地を1100mまでほぼ真東に下降。ほとんど惰性で滑る。爽快感は味わえない。そこから、黒菱川990mへおり立つ。13:00本日最後の登り150mである。第3発電所尾根1134m地点で「自然を滑る会連」を発見。澄川下降後、やはりこの尾根に登り返してきたようだ。最初に滑落した人はどうやら足の靭帯損傷らしく、スキーは履いていない。が、歩行はできるようだ。予想したほどには藪もうるさくない。雪が重く、快適とは程遠いがしょうがあるまい。14:00第3発電所到着。ここから林道を一登り。河岸段丘上から台地を第2発電所へ、歩行モードで滑走。
15:15 除雪地点へ無事到着?(第4の事件) 待てど暮せど、タクシーは来ない。ここは何処ですか? 第2発電所を目指していたつもりが、いつのまにやら、間違いルートを辿っていたようだ。現在位置を再度確認後、タクシー会社へ連絡。ゴールは標高300m岡沢本田付近となった。16:15新井駅到着、電車内で、本日の反省会。やはり電車だと、反省会のしがいがある。

参考 妙高高原駅〜妙高杉ノ原スキー場:ジャンボタクシー3600円
 第2発電所付近〜新井駅:中型タクシー約3000円