トムラウシ山

北海道ならではの景色を楽しんだ3日間

2002年4月6日(土)〜8日(月)
参加4人 村上静志(L 記録) 上林裕之 杉原鉄夫 木村由佳里

昨年5月連休の旭岳〜十勝岳縦走は、雪不足もあって思ったように滑ることができなかったので、なるべく滑りを楽しめるコースを計画しました。MLでメンバーを募ったところ、最初に参加を申し出たのは、山スキー1年生の木村由佳里さん。そこで、トムラウシ〜オプタテシケの縦走ができるよう1シーズンかけて、トレーニングを積み重ねてきました。今回が、「卒業試験」です。


トムラウシ山を目指す。上林さんと、「卒業試験」の由佳里さん、最後に村上リーダー

6日 快晴
 新得の町からタクシーでトムラウシ温泉に向かいます。初日は好天、でも予報では3日は続かないようです。13:00温泉を上林さん先頭で出発。最初の急斜面を登ると長く緩斜面が続き、なかなか高度を上げられません。今日は1600m位の前トムラウシの鞍部までいきたかったのですが、少々疲れ気味で、17:30にカムイサンケナイ川1400m付近でテントを張ることに。夏道沿いの沢の中ですが、雪は安定していると判断。しかし、上流部がせり上がっているのであまりお薦めできません。テントは杉原さんのエスパース4〜5人用でゆったり。由佳里さんが準備した夕食は、たっぷり。お酒は飲み過ぎて、明日の分がないのではと心配です。夜になると星空になっていました。

7日 快晴
 天気は今日一日、持ちそうです。6:35前トムラウシの鞍部左の尾根に向け登ります。最初の急斜面を登り切ると程よい斜面が続き、高度を稼ぎます。前トムラウシを右に見ながら登ると、目の前にトムラウシが姿を現しました。1700m位に荷物をデポして、二つの峰の間に頂上近くまで続く雪の斜面を登ることに。頂上まで高度差100m位のところで、シールをアイゼンに代えて登りました。10:30頂上に到着。好天で、北から南まで大雪の山々が見渡せたのは幸運でした。
 岩混じりの斜面を初めてアイゼンで登った由佳里さんも、くだりは慣れてきたらしく皆から遅れずにスキーを置いたところまでくだります。そこから荷物をデポした所まで、本日最初の滑り。メンバーの技術が揃えば頂上付近から滑ることができます。デポ地でお昼を食べ、三川台のカールに向かいます。カールの急斜面を滑り、三川台の直下に登り返します。ここから美瑛川1350mまで、高度にして350m少々の重い雪のくだりでしたが、楽しめました。
 雲が出てきた空を見上げながら、谷底からツリガネ山稜線1650mまで、最後の登りです。なるべく無理をしないコースを選んで稜線に。予定ではここでテントでしたが、もう少し進んで、17:00にコスマヌプリ手前の1530m位の雪原に設営しました。ところどころに、ダケカンバの林。北海道の山らしい風景が広がります。夜になると、雪になりました。
8日 曇
 目が覚めると、あたり一面はガス。新雪のおかげで、黄砂に汚れた雪面がきれいになりました。根性のない我々は早々にオプタテシケ山頂は無理ということにして、7:45 ガスがかかって幻想的な雪原をゆっくり出発。この先は、1450m位の高度を維持するとオプタテシケへの1404m鞍部までシールなしで行けますが、少し下げ過ぎて1350m位に。ここで、事前にお願いしていたトノカリ橋まで迎えに来てくれるようタクシー会社に電話をしました。
 さあ、最後のくだりです。ノカリウシュベツ川上流のタテヤ沢の枝沢を2本渡ってオプタテシケ沢にかかる橋を目指しますが、沢沿いに滑りすぎて、けっこう深い沢で行き詰まり、シールをつけて尾根に登り返したりもしました。尾根と言っても広い雪原でモミの木が茂る森の中、気持ちの良い所です。少し迷いながらも林道を見つけ、待ち合わせに30分遅れて13時にトノカリ橋につき、ツアーを終了しました。
 3人の仲間に感謝。それから、由佳里さんに卒業証書を。私個人としてはもう1〜2日、山の中をさまよいたい気持ちの残るツアーでした。