湯殿山と月山〜肘折温泉

14時間もかかった一気抜け

2002年4月20日(土)〜21日(日)
参加5人 杉原鉄夫(L) 鈴木郭之(記録) 近藤修通・石川聖子・横山文子(ゲスト)

20日 快晴 無風  この日のコースは、まさにに山スキーに最適
リフト終点13:30…姥ケ岳14:00--…湯殿山15:30--ブス池16:00〜25--ネイチャーセンター17:00
 リフトで姥ケ岳の基部まで、その後30分のシール登行で頂上に着く。姥ケ岳山頂から快適な滑降を楽しんだ後、湯殿山山頂までは少々のアップダウン。湯殿山からはまた、快適な滑降を楽しめる。ブス池に降りてからはスノーモービル進入禁止標識に沿って、雪原の左側を進めばネイチャーセンター。そこから車道までは10分ほど。町営バスの最終便で、姥沢小屋に戻った。


湯殿山の大斜面へ、滑降準備。背景は月山

21日 薄曇  一気抜けでその日に帰京の予定でいたが、東京に戻れなかった。理由は、雪が少ないことにつきる。滑降すべきところが降りられず、シールで登れるはずが、ヤブ漕ぎを強いられた。
姥沢小屋5:00…鍛冶小屋8:00…月山頂上8:15〜25--立谷沢上部尾根9:00--立谷沢・橋9:30〜50…念仏小屋11:00〜25…小岳12:30--赤沢川合流点13:00…合流点先13:30--猫又沢14:30…猫又沢上15:00 …大森山17:00--林道終点18:30…肘折19:00


21日 月山山頂から桜尾根へ滑り込む。手前が横山文子さん(ゲスト)、左は鈴木郭之さん

月山稜線上は風あり、頂上までは快晴であった(上の写真)が、滑降を始めて間もなくガスが出て、たちまち視界がなくなり、高度1600mまでそれが続いた。
 雪があったのは、猫又沢まで。そこから大森山までは雪があったりなかったり。困ったのが、夏道を行けばよいのか、スキーコースを行くべきかということ。猫又沢で雪が少なくなり、沢が滝で降りられず、夏道を進んだが、すぐに雪で不明。地形図を信じて尾根通しに進むが、藪に阻まれスキーコースに戻る。時間のロスがはなはだしい。結果論を言えば、スキーコースが正解だった。少なくとも1時間は短縮でき、その日の内に帰京できたと思われる。
 月山そのものは、私のイメージと違っていた。鳥海山と同じように裾が長く下山口まで滑降できると思っていた。ところが、事前に地図を見ると、念仏ケ原、小岳、大森山のアップダウンがあり、これはと思い、万が一を考え、月曜日を休暇とした。

感銘したこと 杉原リーダーのルートファインディングの素晴らしさ(読図、判断力、GPSによる位置確認、メンバーに対する目配り、下山後の帰京への段取りのよさ、タクシー手配、バス予約など)

私の反省点 私はリーダーを補佐すべきであるのに、足を引っぱった。 ◇読図がだめ(鞍部と谷の区別がつかない) ◇進むべきスキールートの記憶不十分 ◇大森山で滑降ルートを探すのに南面を探した。低山でスキーのできる斜面は北面に決まっている ◇大森山への夏道と思われるヤブで、放置されたスキー2台を見つけた。道に迷ったスキーヤーがスキーを持っては進めず、放置したのだろう。つまり、この先もヤブであるということ。私はそのまま進んだが、杉原リーダーはその地点できっぱりと私に戻れと指示。そして、スキールートを見つけた。

危険だったこと 雪に覆われた猫又沢を進むと、先が崖になっていた。ゴーゴーと水の音がしているが、付近に滝は見えない。崖の縁まで行くと、なんと自分たちの足元が滝だった。つまり、沢が雪に被われ、水が流れているとは思わず滑っていたが、下は落ち口だったのだ。私たち5人は、雪で被われた滝の上にいる。慌てて沢筋を離れ、引き返した。
今後 スキーを使って山を登り、降りる。それが私のしたかったこと。今回の月山は、それを叶えてくれた。とても充実した気持ちです。今後もこのようなスキー行を、ラ・ランドネで続けていきたい。

ルートファインディングの甘さを反省=リーダーから=
 鈴木さん指摘の猫又沢の件は、今思い出しても冷や汗が出ます。雪がもう少し弱かったら、5人とも滝壺に転落していたかもしれません。数年前に、ラ・ランドネ会山行パーティーと一緒に通ったことがあり、油断してルートファインディングを甘く見ていた上に、滝の下方にいかにもシュプールらしい横筋が見えていて、惑わされてしまったことを反省しています。猫又沢から夏道に沿って左上へ登るところ(北緯38度35分0秒・東経140度7分32秒=測量法改正前の日本測地系)と、尾根を越して左斜面をトラバース気味に大森山手前(西)の鞍部に達するところがポイントです。
今回の「月山〜肘折温泉」一気抜けに関して、蔵王・坊平高原の野口ペンション(野口久義さんhttp://www3.macbase.or.jp/~noguchi/)から有益なアドバイスをいただきました。野口さんは毎年のように、このコースを通っておられます。ご好意に心からお礼申し上げます。(杉原 鉄夫)