十石山
日程:2003年2月1日(土)〜2日(日) (前夜発)
メンバー:上林裕之(L,記録)、木村彰、奥山修司、合田英興、平野裕也、猪俣恵美子、猪俣亮介(ゲスト)

1月31日(金)
木村号と平野号 2台の車で乗鞍高原スキー場の無料夜間仮眠所(観光センター)に午前2時頃集合。ビールを一杯飲んですぐ寝る。夜中も人の出入りが多くあまり熟睡できなかった。

2月1日(土) 白骨--->十石小屋 天候:晴れ 行動時間:約7時間
6:30起床。観光センター内の食堂で朝食を取り車で白骨へ移動。少し迷うがスーパー林道の除雪の終点に車を停め、支度をして9:30出発。少しだけ林道を歩きトレースのある尾根に取り付く。少し登って西側のコルに滑り降りここから本格的な登り。しばらく急斜面のラッセルをしたところで、後から来た単独の人に抜かれ、以後一度も追いつけずにトレースを使わせてもらって登る。平野さんがシール登行に慣れておらず苦労している。
かなり濃い樹林で展望が無い尾根を休憩しながらひたすら登るが、ペースは上がらずどうしても先頭と後ろとの間が開いてしまう。明確なトレースが有り、視界も良いので最後は各自のペースで進む事にする。2400m付近で森林限界を超え、開けたゆるい斜面を一登りして15:50 上林と猪俣亮介君がまず小屋に到着。小屋は大部分が雪に埋もれているが、冬季の入り口は開いておりヘッドランプを付けて真っ暗な小屋に入る。大きな立派な小屋で目が慣れると、小さなすりガラスの窓からの明かりで何とか中が見える。16:30には全員無事小屋に到着。小屋の備品のマットや毛布などを下に下ろしさっそく夕食。
猪俣シェフが手際よく次々と料理を出してくれる。この晩の夕食メニューは、豚キムチ炒め、春雨とナスの炒めもの、ほうれん草のからしごまあえ、他 最後に野菜たっぷりの餃子鍋でおなか一杯 大満足。これだけの重たい食材を背負って登ってくれた猪俣親子に感謝。標高2500mの稜線上の小屋で、小屋の大半が雪に埋もれているため、コップに入れたビールが飲んでいる間いに凍っていく程の天然の冷蔵庫状態。ガソリンコンロ1台とガスコンロ2台、ガスランタンにロウソクを炊いても全く温まらず、備品の毛布やマットが本当にありがたい。外に出ると月も無く感動的な満天の星空。21時就寝。

2月2日(日) 十石小屋--->白骨 天候:晴れ 行動時間 約4.5時間
6時起床のつもりだったが、30分以上寝坊してしまった。すぐに朝食の支度をして合田さん担当の讃岐うどんの朝食。こちらも具沢山でおなか一杯になる。9時半に全員で歩いて数分の十石山山頂まで行き記念撮影。朝起きた直後は雲一つ無い快晴で素晴らしい景色だったが、あっという間に雲がでてしまった。それでも穂高連峰が目の前に見えその奥に槍ヶ岳、八ヶ岳や富士山も見えた。
奥山さんが1人 小屋に残り、残りのメンバーで1本だけ空身で滑りに行く。上部は固めで快適だったがその下はかなり重い深雪であまり快適ではない。標高差300m位滑るつもりだったが、200m位で平らな場所に出たのでここまでとして、シールを付けて登り返す。途中から23歳の猪俣亮介君に先頭を替わってもらったがさすがに速い。10時に小屋に到着し、下山の準備をして10時30分下山開始。
昨日のトレースを慎重にたどりながら、樹林帯を滑る。かなり樹林が濃くあまりダイナミックには滑れないが、思いのほか軽い雪で結構楽しめた。順調に高度を落として約1時間で最後の急斜面の上に出る。滑り出しのところがブッシュが多く、下を見て尾根の右側の斜面が滑りやすそうだったので、そちらの斜面を滑るが、これが裏目に出た。しばらく滑って尾根を乗っ越して元の斜面に戻ろうとすると、ほとんど垂直のがけで尾根を乗っ越せない。もう少し下ってみるとやはり同じで、最後は沢上の相当な急斜面のため、板をはずしてつぼ足で登り返す事にする。ももまで潜る急斜面のラッセルで汗だくになって登るがほとんど進めない。
途方に暮れた所でシールを付けてスキーで登ってみると全然潜らず簡単に登れる。改めてシール登行の威力を思い知った。尾根を乗っ越せる所まで登ってしばし休憩。最後の気のゆるみで2時間もロスしてしまった。天気がよかったのと時間的に余裕があったのが救い。最後の急斜面を滑り、トレースに従って尾根を回りこむと昨日登り始めた尾根の取り付き点に出た。林道を少し下って、13:45 車のデポ地に到着した。白骨温泉の泡の湯に入り解散。帰りの道も全く渋滞無しで帰れた。