雪倉岳
思わぬ大雪で 雪倉岳の登頂ならず
2003年4月4日(金)〜4月6日(日)
    参加者 5名:森 達男(L、記録)、成瀬恵美子、大竹達朗、石黒裕二、錦織正明(ゲスト)

は降るかも知れんと思いきや、一日以上しんしんと雪が降り続き、滝見尾根の中間部まで行き雪倉の滝を見上げると、積雪量が多いのと雪崩の危険のため、とても登頂できる状態ではなく、雪倉岳の登頂を断念した。またひとつ、来年への宿題となった。 
蓮華温泉から天狗原への登り返しは湿った深雪のため辛いラッセルで難儀をした。振子沢の途中には美味しい雪と斜面が多々あったが目をつぶりながら登高をした。また、強風のため下から雪煙が舞い上がり、足を止めることもあった。天狗原からの下りは表面がやや固いところもあったが、成城大学小屋の上部まで快適にすべることが出来、満足した。
当初、白馬乗鞍岳から天狗の庭経由で蓮華温泉を下るコースを考えていたが、前日の下見で雪の状態が悪そうで、素直に振子沢に変更した。初日、天狗原から乗鞍岳に登り、3名が豪快に滑走を楽しむことができ、これも満足。蓮華温泉ではスキー協(杉村隊)との交流も楽しいものであった。
回参加した3名(大竹、石黒、錦織)は山スキーに慣れており、滑走、シール登高もうまく、雪倉の登頂は出来なかったが順調に行動でき、楽しい山行であった。参加者全員に感謝。

==シール登高 〜〜滑走

4月4日(金) 晴れのち雨から雪 
ゴンドラ終点9:20==成城大学小屋10:10{10:25}==天狗原10:30{13:00}〜〜(振子沢)〜〜蓮華温泉13:50
森と成瀬は民宿に前泊し、他の3人は車で栂池まで来て、ゴンドラ(イブ)乗場に8時30分(8:15から運転)に集合。昨日の下見で、乗鞍―天狗の庭―蓮華から振子沢を降りるコースに変更した旨を伝え、ゴンドラにて上を目指す。
終点からリフトには乗らず、直接天狗原に向けてシール登高を開始、雪は気温の上昇のため腐りかけている。小さな沢を詰め、早稲田小屋は通らず林道に2度ほど出て、成城小屋に着く。リフトを利用するより早く、しかも安上がりである。
成城小屋からは、夏道の近くを利用して急登を乗りきり、天狗原に到着。天気予報が当たりそうな気配で、悪くなる兆候が出てきたが、大竹、石黒、錦織の3名は乗鞍岳を登りダイナミックな滑走を楽しみ、満足であった。雲行きを心配しながら天狗原を後に、振子沢に向かって滑走を始める。雪は、粗目と腐ったのとの中間で滑り易かった。
途中、雨から雪に変わり休むこともなく、蓮華温泉をめざす。途中からコースを左にとり、中の沢を越え、乗鞍沢の橋も雪は十分で、バーンになっておらず容易に渡り、蓮華温泉に到着。直ぐに温泉に入った。
明日の天気が心配だ。温泉は4パーティで総勢30人位がいた。

4月5日(土)終日雪
蓮華温泉7::00==雪見尾根上部9:10〜〜雪見尾根中間部9:20==蓮華温泉12:00
 昨日からの雪はしんしんと降り続き、止みそうもない。登頂を諦め帰路につくパーティーや停滞のパーティーがある中、スキー協と我ら(成瀬は温泉三昧で、停滞)は瀬戸川まで行こうと遅めに出発した。
30cmほど積雪があり、兵馬の平に下りずに、トラバースしながらシール登高をするが、新雪の下は腐った雪で、踏み込むと積もった雪が崩れ、足をとられることが多々あり、行動しずらい。尾根を越えながら、滝見尾根の上部でシールをはずし、滑走をする。
中間部あたりで止まり、雪倉の滝方面は雪模様でよく見えないが、新雪の難しいラッセルと雪崩の危険を感じて撤退し、宿の近くで滑ることに決めた。
途中、天狗の庭への尾根を100m程登り、新雪を期待して滑ったが、湿雪で重く、エッジを効かすと積もった雪を全て削り取ってしまい、そのままずり落ちるようで止まらざるを得ない。風がなく気温が高いせいだと思われるが、湿雪では楽しくないな。
温泉にゆっくりつかり午後の長い時間を5人で人生様々、山スキー様々等談笑をして過ごした。雪のためか、土曜というのに1パーティーが到着しただけであった。夕食後、スキー協の面々と交流会を設け、楽しいひと時を過ごした。
蓮華温泉には乾燥室がないが、杉村さんやスキー協の尽力で今年中に作ることに決まった。これは、大変な朗報です。

4月6日(日) 晴しかし風強し 
蓮華温泉7:30==(振子沢)==標高1750m9:20{9:40}==天狗原11:45{11:55}〜〜成城大学小屋12:15{12:30}〜〜ゴンドラ乗場13:00
 夜半に雪はやっと止んだが、今度は風が出てきて、窓ガラスを叩く音がしていた。雪は30cm以上積もっていた。
スキー協は紙すきコースを諦め、天狗原まで登り返すといって、シールをつけて先に出発した。我々は乗鞍沢の橋までスキーで滑り、橋を渡ってシール登高に変えた。途中、木地屋に行くパーティーを抜き、スキー協のトレールを追いかけた。
直ぐに追いつきラッセルを交代。その後、ほとんど一緒に行動した。雪は重く、吹き溜まりではトップが潜ってしまい、2,3回蹴り上げてやっとトップが出るようなラッセルで疲れてしまった。
2.3人で交代しながら進む。途中、左右を見ると美味しそうな斜面と雪があったが、目をつぶって通過した。1800m位で、スキー協はリーダーの一言で尾根に突き上げるコースを取ることになった。
我々は通常のコースを進んだ。ここらから、風をまともに受けることになる。雪が下から吹き上げ、立ち往生する場面もあった。天狗原直下の急登はアイスバーンになっていて、慎重を要した。
天狗原は風が強く、休んでおられなかったので、シールをはずして直ぐに下りることにした。クラストとアイスバーンの個所を越え、急斜面は左のコースを選択した。
これは正解で、適度に硬く、すべり易かった。が、成城小屋の上部になると急に重い、重いとなり、トップが沈みこんでしまい回転に苦労した。成城小屋で小休止をして、林道を滑りながらちょっと横道にそれ、滑りを繰り返しながらゴンドラ上部に出た。
雪質がよければ、寄り道もたのしそうであった。あとは、ゲレンデをゴンドラ乗場に向け滑走。帰りは2台の車に便乗し、八方尾根の温泉で体を癒して帰路についた。