月山〜肘折温泉
2003年4月12日(土)〜15日(火)
メンバー:杉村雄一(L)、大坪俊郎(SL 記録)、西前公博(ゲスト)、嵯峨洋子(ゲスト)

折温泉に抜けるには、姥沢を朝早く出発すればイッキヌケも可能であるが、やはり雄大な月山の山並みに抱かれた念佛ヶ原避難小屋もしくは清川行人小屋に泊まり、月山の奥深い山肌を味わうのがこのコースの魅力である。今回の会山行は念佛小屋泊まりの計画となった。

11日の昼前、それぞれの交通手段で月山山麓姥沢に集合する。山形から庄内へ自動車専用道路が出来たことにより志津集落への入口である月山口に高速バスが停まらず、西川町で姥沢・志津への町営バスに乗り換えとなった。高速バスとの接続が不便で、東京をどんなに早く出ても姥沢に着くのが11時となる。やむなく、姥沢周辺で遊ぶことになる。
 事前の天気予報では、春前線の通過で12日は全国的に雨で、回復に向かうのは13日午後となるので、肘折温泉へ抜けるのは13〜14日に延期した。そのため、月曜日に休暇が取れない会員が参加できなくなったのは残念である。しかも、今回の計画はその後の天候により、更に1日順延することでウイークデイの会山行となった。

12日(土) 小雨 姥沢から志津へ足慣らし  行動時間:30分
 宿は姥沢リフトに近い月山リゾートインとし、志津にある本館の「つたや」の温泉に入るのと足慣らしで小雨の中を出掛けたら、やはり下着まで濡れてしまった。戻りは、つたやのマイクロバスで姥沢まで送ってもらう。

13日(日) 濃霧と強風、地吹雪  行動時間:6時間
 朝8時、リゾートインをリフト乗場に向け出発する。食堂の窓越しに見た樹木が左右に揺れるほど風が強く、視界も100m程度。テレビの天気予報では午後から晴マークで、予定通りリフトに乗る。リフト終点では強風と地吹雪のため時間調整をすべく、扉だけが開いていた休憩小屋に入る。小屋には、月山に向かう様子眺めの数グループが待機している。我々も、ここで風のおさまるのを待つことにする。
11時半頃、少し風が弱くなったので出発することにし、四ツ谷川沢筋に降り立ち、シール・クトーを着けて左岸を鍛冶小屋へ向け詰めていく。
 高度計は牛首と同じ高度に達したので、進路を東にハイマツ地帯を過ごし岩稜に出て、鍛冶小屋の南側から山頂に向かおうとすると猛烈な西風に遭遇し、ゲストが突風で2度倒された。
ここで登高を断念し、同じ経路を戻ることとする。クトーを効かせ耐風姿勢のまま階段降下で牛首まで高度を下げると、稜線の陰に入ったため風が和らぎ、シールとクトーを外して滑走体勢を取る。姥ヶ岳の裾を大きく回り込んで、ブナ林で湯殿山からのコースに入り、ネーチャーランドに下る。予め頼んでおいた清水屋の送迎車と5時半に落ち合う。
 清水屋の塩水泉で体を癒すが、ここでゲストの嵯峨さんは、疲労と体力の問題で明日からの念佛小屋―肘折温泉ツアーを断念する。

14日(月) 快晴 念佛ヶ原避難小屋へ杉村・大坪・西前の3名  行動時間:7時間
 ガスの中を登高すると視界がないので気持ちより早く目標点に達するが、晴天で見晴らしがよいのと景色が大きく目標が遠く見えるので、距離が遠く長く感じられる。
鍛冶小屋前の急斜面では、クトーを着けた。山頂は昨日と打って変わり微風で、湯殿山・葉山・鳥海山など周囲の山並みが見渡せる。早速、月山の大斜面に挑む。雪面は堅く波打っており、それほど気持ちのよい滑りではないが、高度を下げると気温が上がるためか雪面がゆるみ心地よいターンが描ける。
千本桜の頭を右から回り込んで過ごし、月山のハイライトである稜線に入るとザラメ雪となり、快適に立谷沢に向かい滑降する。息を整え、振り返って下から見上げた斜面には、今滑降してきたシュプールが陽光に光って、感激ひとしお。やがて、念佛ヶ原を横切り、2階上部を顕わしている小屋に到着する。 
 小屋前の雪原に雪の食卓を設営し、嵯峨さん差し入れのワインで饗宴が始まり、夕日に映える月山を見上げながらしばしの夕食を楽しむ。


月山山頂で 右:ゲスト西前氏 中:杉村リーダー 左:大坪

15日(火) 快晴、念佛小屋から肘折温泉、行動時間:6時間
 4時半起床。小岳へ向けスキーを進め、残雪豊富な赤沢川・猫又沢から大森山を越えると、肘折温泉だ。大森山では、登り口の鞍部で板を20m程かついだが、頂上までシールで登れた。林道は地熱発電掘削跡地の手前まで除雪されていたが、林道をショートカットして旅館街近くまで滑ることができた。

月山〜肘折温泉 14〜15日のコースタイム
志津8:30―姥沢リフト乗場9:00―リフト上休憩小屋9:45―鍛冶小屋12:00〜15―月山山頂12:35〜50―千本桜13:25―立谷沢橋14:00―念佛小屋15:15泊〜6:20―小岳7:20―大森山10:45―肘折温泉12:30


     念佛ヶ原避難小屋から見返す月山とシュプール
                                                                                           
念佛ヶ原避難小屋の看板を見たのは初めて(ゲストの西前氏)