2005年3月 十勝岳周辺 会山行報告

日程:2005年3月11日〜15日

参加者 : 三浦 忠(L)、矢口政武、辻 美紀子、小野田洋子、杉村雄一(SL)、森 達男(SL、記録)、関谷正義(こなゆき)、西前公博(こなゆき)


毎日降雪があり大変寒かった。そのため雪質は極上でパウダースノーを満喫し、当初の目的を達することが出来満足であった。しかし、寒さ対策として手足の指先保温と顔の凍傷予防に工夫が必要であった。小野田さんや北見山岳会の6名とも同行、楽しいものであった。 また、こなゆきとも合同で開催することにもなった。何日滞在しても飽きないほど懐の深いところであり温泉、食事にも堪能し、極上の山行であった。三浦リーダーには大変お世話になり感謝、感謝。

3月11日 : 三段山標高1600m 雪、視界不良
白銀荘15:00……標高1600m16:45――樹林帯17:00――17:10白銀荘
白銀荘に着くなり、足慣らしをかね出かけることになり3時に出発した。雪質はいいようだ。楽しい滑りを期待し、2段目を通過し右にトラバースしながら標高1600m地点でシールをはずす。いよいよ滑走だ。雪は下と違いモナカ状で視界の悪いせいもあり恐る恐る滑る。樹林帯に入ると雪質は一転改善され、深雪を直線的に滑り白銀荘に戻った。深雪のさわりを味わった。

3月12日 : 前十勝岳と千春谷 雪、風あり、視界やや不良
白銀荘8:40……標高1450m(クトー装着)10:15……稜線11:10……前十勝山頂11:40〜50――シュナイダーコース下12:30〜50――千春谷下13:15……千春谷上部14:00――千春谷下14:20――白銀荘14:40
 小野田さん、北見山岳会の皆さんとも一緒の行動。白銀荘から東にほぼ等高線にそって緩やかに上に向かってシールを滑らす。天気は除々によくなってくるようで見通しはいい。避難小屋を左前方にみながらシュナイダーコースの左尾根でクトーを装着し、慎重に高度を上げ、大きな岩のところで待機組と分かれ上を目指す。頂上からの尾根に着く、ここからは強風及び視界不良とガスで喉が痛く咳をしながら、やや硬い雪面を登っていく。頂上に到着するが、我慢できないほど喉が痛く、長居が出来ずにすぐに滑走を始める。
視界が悪く手探り状態でシュカブラ状の斜面を斜滑降様に滑る。稜線を外れたところからは雪質、視界もやや持ち直すが快適には滑れず待機者と合流する。ここからは雪はよさそうでLを先頭に一気に飛ばす。シュナイダーコースは深雪で各自快適に滑れ、満足気であった。あまりにも良かったので登り返してもう一本やろうするが、この先に千春谷がありそこをすべることに決まった。やや滑ってから帰る組と分かれ千春谷を上がっていく、雪質はいいようだ、約30分登り、滑走に入るが思いのほか雪は重いし、視界も悪く回転でひっかかり転倒者が続出。下部は安心して滑れた。 あとは一路樹林帯をストックを頼り白銀荘に帰った。

3月13日 : 温泉コースと樹林帯 雪、風強し、視界不良
凌雲閣9:30……大きな穴11:25〜35……最高地点標高1600m12:10〜20――標高1400m12:30〜50――沢下13:20――駐車場14:00
凌雲閣駐車場で小樽からの単独者をメンバーに加えることとなった。昨夏ここからのぞきこんだが、その時にはこんな所を下るのかと思った。しかし、雪がついていると斜度はあるがそんなに苦もなく下れた。バーンになっているとやばいかな。あとはラッセルをしながら登高する。
強風のうえ視界が悪く、先行者を見失わないようにただもくもくと歩くのみ。休むと寒い、手の先が冷たい、顔が凍傷気味だ。休む場所(大きな穴)が見当たらない。雌鹿ノ滝の上部夏道付近にてGPSで場所確認後、大きな穴を見つけ小休止。さらに1600m付近まで登って最高点とした。
視界が悪くどんな場所にいるのが良くわからない。またまた、ゆっくり滑走を開始する。時折見通しが利く、その間に滑る方向を見定め滑り込んでいく。雪はいい視界は今一、大きく回転しながら気持ちよく下って食事だ。あとは緩斜面を止まらないように下って、尾根を行くのと谷を滑るのに分かれた。谷は深雪、適度な斜度で快適。距離が短いのが難点。緩斜面に出て船をこぎこぎ砂防ダムを越え車道に出た。ジャイアントコースの急斜面が背後に見えた。今回は行けず残念であった。時間が早かったので白銀荘に戻ってから樹林帯まで登って深雪を一本やった。

3月14日 : 三段山と三段山標高1600m 雪のち晴れのち雪、風、視界不良
白銀荘8:55……標高1200m10:10……三段山山頂11:10――樹林帯11:30〜45――白銀荘12:45
時間がたつにつれ天気が回復し、森林限界を超えると目的の三段山が見えてきた。 高度を上げるに従い、尾根の雪質も気温が低いせいかよく、早くも滑ってくる連中を見ていると気持ちよさそうであった。今日も期待できそうだ。右方向から尾根に登りトラバース気味に頂上に到達。天気良好、風強し。頂上直下には美味しそうな下りがあるが雪崩が起きそうだ。しばらく眺望を堪能後滑走だ。頂上付近はやや硬い雪、高度を下げると除々に滑りやすくなる。登高道よりやや右にコースをとり100mくらい滑って、左へトラバースして、谷の上部に出た。いよいよ大滑走だ。見通しもいい、雪はとにかくいい、各自雪の感触を足で味わいながら飛ばしていく。途中で全員集結した。さらに適当な斜面を樹林帯に向かい飛び込んでいく。雪はパウダーだ。深雪とはちがう。底がない。所謂フワフワだ。これがパウダーだ。雪が口から入ってくる。先行するスキーヤーは雪煙を舞い上げ見ていると転倒して雪煙まみれのようだが進んでいる。軽く踏み込むだけで左右に回転する。夢のような瞬間はあっという間に終わった。感嘆の声と余韻だけが残った。下りラッセルをしながら、第二のパウダー地点に到着。気持ちを引き締め、直線的に板を滑らし、樹林帯をぬっていく、どんどん行く、ここも今日はパウダーだ。ファットの威力を堪能した。また、下りラッセルをし、宿に帰った。午後もう一本やったが天候が見る見るうちに悪化し気温低下、視界不良、極度に寒く、ただ無事に滑り降りただけであった。

3月15日 : 晴れ、微風、視界良好
白銀荘11:45……十勝岳避難小屋13:05〜15……グラウンド火口のコル14:30〜45――シュナイダーコース下15:15――白銀荘16:00
帰京する2名を送る帰りトラブルがあって、出発が大幅に遅れた。今日は十勝岳の登頂は無理でグランド火口のコルまで行ければよし。天気は朝のうち霧で視界不良であったが、10時頃から晴れ、春を思わすようだ。等高線沿いに進み、十勝岳避難小屋を目指す。トレールは前十勝の時よりやや右側。避難小屋から固めの雪を選びながらコルを目指す。クトーを置いて来たので雪面を選びながら行くがアイスバーンはなく、ラッセルもなく、困難もなくコルに到着。十勝本峰は高く、絶大であった。登頂は今度にしよう。風は強い長居は無用。滑走を開始、上部は固い、慎重に格好悪く回転しながら滑る。雪質がよくなった。
雪はまずまず避難小屋の上部まで滑り、左に大きくトラバース、シュナイダーコースに出る。左右に均等に回転し、気持ちよく下っていく。手ごろな斜度、深さだ。満足。さらにトラバースを繰り返し、千春沢の下部まで軽快に滑り、腕が疲れて白銀荘に戻った。

(森 記)