東吾妻 会山行報告

1月21日(土) 天気:晴のち小雪

前夜22:30にJR宇都宮線久喜駅西口で小久保車に村上、和田、関の3名が乗りこみ、深夜1:20郡山の健康ランドに投宿。翌朝7時出発。JR福島駅で8時岡安さんを乗せ、8:55吾妻スキー場のバニーハット(レストラン)着。ゲストの二人と合流し、リフト三本乗り継いで、リフト終点着9:55。 出発10:05。晴天で暖かく春スキーの陽気だ。樹林帯を40分ほど進んで小休止。風無く気温高いので、大汗をかく。
11:35慶応吾妻山荘を通過、そこからはトレースがない。雪はそれほど深くない。ラッセルを交替しつつ登高し、12:30五色沼の降り口に着く。そこは寒風が吹き荒び、凍結した湖上で、突然私の両腿が硬直痙攣した。異様な痛みと硬直で一歩も進めない。これまでこんな経験はないので焦った。村上さんのアドバイスで何分か休んでいると硬直が緩んだので、湖畔に辿り着き、岡安さんから熱い紅茶を頂いて生気が蘇った。五色沼への登りで大汗を掻いていた身体が、突然の凍てつく烈風で筋肉の異常な痙攣を起こしたらしい 。
荷を軽くして再発を防ごうというリーダーの忠告で、ビール、日本酒、食材等をリュックから取り出して担いでもらい、川久保さんから筋肉弛緩薬を頂いて、両腿に擦り込んだ。 クトーを着けて1時登高再開。湖畔から一切経山の鞍部まで登り詰めて小休止。2時浄土平への滑走開始。烈風地帯なので、斜面のほとんどがアイスバーンとシュカブラ。雪質良くスキーが回転してくれるのはほんの一部だけで、あとはスキーが勝手に突っ走ってしまう。皆、悪戦苦闘の連続で、懸命に転倒を堪えている。ただ村上さんだけは事もなげにスイスイ、まさに熟練の技だ!!浄土平の道路まで滑って小休止。天気崩れて小雪が舞う。
2:40再びシール登高を始めて、35分ほどで吾妻小屋に到着。主の遠藤さんは入院中で、小屋はまるで冷凍庫。コークスのストーブに何度点火してもすぐに消えてしまう。説明書きを読みつつ試行錯誤を重ねること1時間半、本多さんの該博な知識と技で、ようやくストーブが燃え出した。《ストーブの中の燃え滓等をすべて取り去り、焼き玉を露出させて、そこに着火剤のメタとコークスを新たに入れて点火する》という方法がやっと分かった。
その間、岡安さん中心に夕食の準備が進み、五時半から宴会夕食開始。生烏賊の味噌付けなど肴も豊富で、瞬く間にビールロング缶五本、日本酒1L、焼酎0.5Lが空になる。岡安さんのちゃんこ風鳥団子きしめん入りの特製キムチ鍋が実に美味で、村上さん手製のシーザーサラダも旨い。食が進んで全員満腹。食後、ストーブを囲んでコーヒー日本茶を飲みつつ団欒、話に花が咲き、8:45就寝。小屋のすべてを占有して安眠……。贅沢な一夜だった。

1月22日(日) 天気:晴のち雪

4時起床。湯を沸かし、朝食準備。1時間余りかけて、和田さんが岡安さんと野菜具沢山の餅入り特製ラーメンを作り上げる。その他に、油揚げ焼きと村上さん手製の例のサラダ、朝食にしては誠に手が込んで豪華。麺も具も味が良く美味い。ボリュームもすごくあり、山の朝食でこんなに食べたのは初めてだ。
食後、立つ鳥跡を濁さずの心で、清掃に念を入れ、小屋のノートに各自住所氏名を記し、吾妻小屋に別れを告げる。“遠藤さんに、ふかふか蒲団ありがとう。早く元気になって!!”
7時出発。彩雲わずかに残る空、微風温和にして視界良好。7:20兎平より樹林帯をラッセルしつつ登高を開始する。痙攣防止という村上さんの配慮で、私はラッセルを免除される。皆さんの優しさを噛みしめながら登る。しだいに勾配のきつい登りが続くようになり、80分ほど登って小休止。登高再開して20分ほどすると、しだいに強風募り出し、頂上が近づいて来た。9:25東吾妻山頂(1,975m)に登頂。山頂は平らで樹木なく、標識が一本立つのみ。荒涼として烈風すさび、寒気肌を刺す。記念写真をと思ったが、手が痺れて痛いので、写真を断念し、少し下の斜面の風下に避難した。 滑走準備整えて、相応しい降り口を探す。下山方向は樹木立て込んで、斜度きつく雪崩が起こりそう。かなり探し廻って、慎重に降り口を選んで滑り出す。すぐに樹間もまばらになり、雪質柔らかく重からず深からず、スキーが程良く回転する。快哉と思いつつ森の中を気持ちよく滑りながらどんどん下降する。やがて樹間が狭まって滑れなくなり、もっと滑りたいと思いつつ、樹林を延々と歩き続けているうちに下の道路に着いた。登りに比べて滑走距離が短く、滑り足りない思い……。後ろ髪を引かれつつシールを着け、道路沿いに浄土平へ向かう。
11:30一切経を望みつつ浄土平着。雲がいつの間にか切れて、空はスカイブルー、吾妻連峰隈無く雪に輝いて、壮大な眺めだ。11:40浄土平出発。ここからは昨日滑走したコースの登り返しだ。登るにつれて強風募り地吹雪が噴煙のように舞う。アイスバーンなので、クトーを着けて登る。12:50 酸ヶ平避難小屋に着き昼食休憩。1:15小屋を出発し、一切経山の鞍部に上り詰め、樹林を迂回して五色沼に降りる。急な落ち込みを避けて湖畔へと踏み込んだ瞬間、私の足下が崩れ雪崩が起こった。30mほど先の湖上で雪崩は止まったが、振り返ると落ち込みが雪庇状にあんぐりと抉れている。雪崩は地形と雪質、雪の積み方次第で、どこでも起こりうるのだと改めて実感した。
 湖畔からガレ場上までは凄まじい突風で、スキーを担いだまま翻弄されながら這い登り、岩陰に身を避けて小休止した。そこからトレースのない樹林帯を下って、3時に小休止。再び樹林帯を辿り、3:25慶応吾妻山荘に到着。もうここまで来れば、あとはトレース跡をスキー場まで滑るだけだ。しだいに雪が降り出し、スキー場は横なぐりの雪でゲレンデは早くも点灯していた。バニーハットに4:10到着し、皆、お汁粉を食べたりして思い思いにくつろいだ。
 5時過ぎにスキー場を出発し、高湯温泉のあったか湯という共同湯に全員浸かり、そこで岡安さん、ゲストお二人と別れ、私たちは10時に久喜駅で小久保さんと別れ、電車で帰途に就いた。 総じて、今回は登り歩きが大変長く、滑走の少ないルートでしたが、チームワークとご馳走に恵まれ、かつ学ぶことの多い有意義な楽しい会山行でした。村上さんはじめ同行の皆さんに、色々と助けていただき、皆さんの温かさに感謝いたします。皆さん、お世話になりまして、ありがとうございました。

(関 記)