2006年3月 神楽 安全確認山行報告

3月5日(日)

行程概要

かぐらクワッド終点920……P1(第一回ピット堀)……1107……1,984m地点1145――第二回ピット堀――中尾根――1310ゴンドラ終点


前夜、かぐらスキー場仮眠所にて仮眠。朝、一人で滑りに来ていた佐藤直が小久保Lと偶然出会い、参加者に合流する。朝一番のゴンドラで上がり、ゲレンデにてリフトを使い足慣らし。かなり硬いバーンとなっている。
リフト最上部にて、入念に準備体操をし、ミーティングを行う。リーダーより、コースや雪の概要が説明される。その後ビーコンチェック。まず全員のビーコンのOFFの仕方を確認。次に全員が一列に並び受信モードにし、その前をリーダーが発信モードで横切り、各人が受信のチェック、デジタルのものはランプの発光もチェックする。その後リーダーが受信モードにし、全員の発信を確認。
土曜日より大きな高気圧におおわれ、無風快晴。ボーダーさんら多数が入山。第5リフト終点手前(P1)にて、一回目のピット堀。天気も良いし時間があるので、各自1個のピットを実際に掘ってもらう。実際に雪に指を刺してもらっての感覚の確認や、コンプレッションテストを行う。コンプレッションテストの結果、層は30cm、80cmくらいに存在するが、かなり安定性はあった。(※)
ピットを掘る際、佐藤の折畳み式シャベルの折畳み部分が破損。支点となり力が加わる部分で、修理不能。取り扱いの際、ネジの絞め方不足が原因。道具はキチンと使えなければ意味が無い。これが遭難の本番時であったなら……反省しきり。
 谷川連峰の大パノラマを背に快適にシール登高、途中稜線に雪庇が張り出している地点では、メンバー間の間隔を広げ迅速に通過。中尾根分岐の1,984m地点に到着。エネルギーの補給とコンパスの使用法の練習。シールを外し、中尾根へ。1,930m付近(P2)で二回目のピット堀。
P1とは高度がそれほど変わらないが、斜面の風のあたり具合が違う。掘ってみると、硬い!表面に重い雪が載ってはいるが、その下は非常に安定性のある厚い層。P1と同じテストを行い、安定性を確認。今回ピットを掘るのが初めての人がいたが、経験者と非経験者の間での時間の差が大きい。今回だけでなく、何度も何度もピットを掘って雪を感じて欲しい(※)
雪の安定性が確認され、滑降開始。尾根筋はクラストされ、楽しい滑りとは言い難い状況で、尾根の北斜面を滑ることとする。谷底まで降りないように、樹々の間を下降とトラバースを繰り返しながら滑る。北斜面は樹林帯でまずまずのパウダー。ゲスト初参加の瀧澤さんも雪国出身とのことで安定した滑り。田中さんのビデオ撮影、早川さんの滑降指導と楽しく降るとやがて雪質も軟化し、尾根末端となりゴンドラ駅上部でゲレンデにもどる。


 今、安全な山行が求められていますが、本を読んだだけで覚えられるものではありません。今回のように実際に雪を堀り、コンパスを使用することにより、理解することができるものだと思います。繰り返し実行し、身につけることの必要性とメンバー内のコミュニケーションを高めることの必要性を強く感じた有意義な山行でした。

(佐藤直 記  下線部分※ 田中 追記)

リーダーから:
今回はゲスト瀧澤さんが山スキーデビューだったので、フォローできるか不安だったが、登り滑りとも問題なく、今後へつなげられたと思う。
かぐら中尾根は「慣れている」コースではあるが、メンバーは程良い緊張感を持ちつつ楽しめたのでは。この緊張感を忘れずに次へもつなげたい。

(小久保 記)