2006年3月 守門岳 会山行報告

3月18日(土) 天気:晴れのち曇り夜から雨

行程概要

二分(400m)0825―0840西川の橋(435m)0910―1015長峰(680m)1035―1110保久礼小屋(765m)1200―1255大岳西尾根(1,100m)1310―1355大岳1415〜1,388mピークの西尾根(1,220m)1435〜1500保久礼小屋


金曜夜9時に東京を発って、湯沢から濃い霧の中車を走らせ、1時過ぎに道の駅「入広瀬」に着いた。すぐにテントを張り、先に着いてすでに出来上がっている石黒リーダーとビール、日本酒で乾杯。リーダーと深井はさらに山に持って行く予定の細田さんから頂いた東光純米吟醸にも手をつけてしまった。
6時起床で朝食の後、車にて二分の集落を過ぎた除雪終点に向かう。そこでゲストの野村さんと合流、全員が揃う。
シール装着の上、鈴木SLのトップで登り始める。今日は穏やかで気持ちが良い。西川を渡ったすぐの斜面で休憩を兼ねて弱層テストを行う。そこでトラブル発生!田中さんのデジカメが神隠しにあう。落としただけで埋まるような雪ではないので掘った雪をかけてしまったのだろうか?皆で探したが結局見つからなかった。
あきらめて行動再開、先行者のトレースがたくさんある。580m辺りからは右に尾根を登るものもあるが、沢筋のほうが効率はよさそうである。途中長峰で休み、11時過ぎに保久礼小屋へ到着。 小屋の上には2m以上の積雪。鉄筋コンクリート製なのでつぶれることはないだろうが、中は雨漏りで水溜りが出来ている。最初見たときはテントを取りに戻ろうかと思ったが、とりあえずウレタンマットとゴザがあるので寝ることは出来そう。
各自で昼食を食べ、泊り装備を小屋にデポして日帰り装備にて大岳に向かう。斜度20度ぐらいの林間斜面を快調に登る。1,020mの避難小屋は完全に雪の中。少し先の1,100m地点で休憩。ここでサブリーダーの地図紛失が判明。後ろを歩いていた誰も気づかなかったので変だなぁと思っていたら、ザックから出てきた。手品ではなく、最初からポケットではなくザックに大切に仕舞ってあったらしい。トップしっかりお願いしますよと願った。
ここから上は無木立の斜面、南風が横から吹きつけて、雪面も少しクラスト気味になってくる。多くいた山スキーヤーも皆降りてくる。我々と前後しながら休むたびにビールを飲んでいた二人連れもここから下るらしい。
ひたすら登ると小屋から2時間で大岳山頂に到着。日本一の雪庇はやはり大きい。恐ろしいのでとても端には寄れない。ここでシールを外して、いよいよ待望の滑走。リーダーが雪庇には近寄らないようにと注意する。尾根の斜度は大した事無いが、滑り始めの斜面が少しきつい。左の沢に滑落したくないし右に寄れば雪庇だしと思っていると、先頭のサブリーダーがどんどん右の雪庇に近づきながら滑っていく。他の皆で大声を張り上げたり、ホイスッルを吹いたりしたが全然気づかない様子。 先週の西吾妻の痩せ尾根もそうだが、人の滑っているのを見るのは心臓に悪い。あれだけの大きさの雪庇なので人の重さぐらいで落ちるとは思われないが、入っていたクラックを見ると落ちる時はかなり手前から落ちるのだろう。
1,388mピークには登り返さずにトラバース気味に快適なザラメ斜面を滑る。沢も広々として気持ちよさそうだが、今回は安全を取り尾根に乗りなおす。尾根上を左に左にと行くと、小屋上の急斜面にでる。急と言っても斜度20度程で樹木もあるので安心。ただちょっと雪が重くなった。沢に下りてからは左岸を少し行くと小屋に到着。楽しい下りは45分だった。
時間が早いので暗い小屋ではなく、外に雪のテーブルとイスを作り夕食の準備。早速担ぎ上げたビールで乾杯。金井さんの手で次々と作られる美味しいおつまみ(おかず?)を食べながら、いろいろな話に花が咲く。昨晩なぜか少し減ってしまった日本酒を始め、梅酒、チューハイ、スペインブランディ等など、お酒もたっぷり。暗くなってきた頃にぽつぽつと雨も降り始め、お開きに。石黒リーダー、深井はなかなか体験できないツェルトで寝ることにするが、酔ったリーダーは自分のツェルトが狭いと文句を言い、金井さんのツェルトを借りてきて張りなおしていた。ツェルトも一人なら、なかなか快適である。

3月19日(日) 天気:雨

行程概要

保久礼小屋(765m)0755―長峰(680m)0812―0840二分(400m)


快適だったツェルトも夜にはだいぶ濡れたが、冬用シュラフの中は暑くて寝苦しかった。自分で6時半起床と言ったのに、リーダーが6時過ぎにテントを揺らして起こしにきた。まだ酒が残っているのだろうか?
とりあえず小屋に入り、コーヒーを頂く。朝食は煮込みラーメン。ジメジメした気分も吹き飛ぶ美味しさ。今日の行動を相談するが、暗黙の了解で下山と決定。
片づけを終え、8時前に早々に下山開始。小屋からシールを付けずにほんの少し登る。あとは重い湿り雪の中をひたすら滑る。荷物も重いのか転ぶ人もいたが、滞りなく滑っていく。途中登ってくる団体がいた。大雪庇ツアーの一行らしい。雨の中ご苦労様である。上のほうはガスもかかり視界も悪そうなので、気をつけて行って来て下さいと願う。我々は45分で車に到着。すっかり濡れてしまったが、車に戻れば一安心である。帰りは直接東京に帰る組と、妙高へ倉崎さんの見舞いに行く組に分かれる。

費用:食費820円/人、ビール代+ガス代160円/人、細田さんお酒差し入れありがとうございました。
私にとっては今年初めての山中泊の山行でしたが、楽しい時間を過ごせました。リーダーの山行前の安全管理も参考になり、有意義でした。リーダーをはじめ参加の皆さん、ありがとうございました。

(深井 記)