2006年4月 立山周辺 会山行報告

4月22日 晴れ

7:30扇沢始発のトロリーバスに乗り、室堂に9:00過ぎに到着。
前日来の積雪が50〜80cmほどある。今日は山崎カールが目当てである。天候、視界は良いが一の越では強風で、一ノ越山荘の陰で風を避けていないと立っていられない。この状況では雄山への登行は難しいと判断し、一の越から雷鳥平方面へトラバースし、山崎カール出口手前から雷鳥平へ向けて滑走する。重めの雪だが新雪を楽しむ。
雷鳥平へ降りると全く風はなく、むしろ暑い。今度は真砂岳と富士ノ折立の中間部にある尾根を登る。この頃からとにかく眠くて仕方なかった。前夜の睡眠不足もあるが多分軽い高山病だと思う。立山は機械力を利用して急に高度を上げるので、すぐに運動を始めると高度障害が出やすいようだ。 2,800mまで登り、北側の沢の中を吹き溜まった新雪の部分を選び滑る。猪俣さんはスイスイ滑り降りてくる。曽我部さんは車の運転と正反対の慎重滑走。滑走後は雷鳥荘へ登り返す。
雷鳥荘は2階まで雪に埋まっている。玄関は完全に地下入り口である。昨年は雪に埋まっていたのは1階だけだったので、やはり今年は積雪が多い。雷鳥荘の温泉は大日岳が見える素晴らしい展望檜風呂に改装されていた。

4月23日 曇り

猪俣さんは急に腕の具合が悪くなり、室堂から単独扇沢へ下山することになる。私と曽我部さんとで、計画通りまずは一ノ越まで行く。一の越は雲の中で視界にコントラストがほとんど無く、斜面の起伏が全く見分けられない。勿論、竜王岳も鬼岳も全く視界にない。この状態ではとても滑ることはできないのでこの2ルートも諦める。
一の越から東一ノ越へトラバースで少し高度を下げると雲底の下に出た。曽我部さんは東一ノ越のコルからタンボ平へ滑る。私は歩行アイゼンに履き替え南東の2,512mピークへ登る。このピークから東に派生する尾根の斜面はあまり滑られないためいつもきれいで、今回滑ろうと狙っていた。  曽我部さんが安全地帯まで下降したのを確認して滑走開始。出だしの斜度はやや急でスキーカットをすると不安定な雪がドロドロと落ちていった。その後は所々にある疎林を絡めて滑る。疎林が無くなってからは一気に滑り降りる。
雪は重くあまりスキーも走らないため快適とは言えなかったが、予定の計画ルートが片端から敗退であったので、最後の計画ルートを滑走できたことに一応納得。扇沢で待っていた猪俣さんと再会し、葛温泉、美麻で蕎麦を食べ無事山行終了。

(錦織 記)


大日岳をバックに中間尾根を登る