乗鞍岳正月 会山行報告

12月30日(金)

JR八王子駅南口に朝8時集合。八王子ICから中央道で塩尻ICへ、更にサラダ街道を抜けて波田のアップルランド(スーパー)で食料を調達。

出発時は快晴だった天気が、奈川渡ダム辺りからは雪。12時45分乗鞍高原観光センターの無料休憩所に到着。閉鎖されて使用出来ず、車内で昼食。近くの駐車場で荷物を仕分け分担し、2泊目の食料はゲレンデに降りるのを予想し車に残して出発。リフト3本乗り継ぎ、三本滝リフト横の登山届ポストに計画書を提出し、カモシカ平に着くと狒狒として大雪降りしきる。

2時カモシカ平を出発。荷物が重く、登行遅々として進まず。3時50分、位ヶ原手前のテント場に到着。大雪の中、テント設営に掛かり、設営と荷物整理に5時45分完了。

6時夕食開始。全員ビールで乾杯! 大坪さん持参の鹿肉の煮付けが絶品で、あっという間にロング缶三本を空けてしまい、大坪さんと私は更に燗酒を汲む。大坪さん持参の猪肉に具を豊富に入れた猪鍋がこれまた美味く、全員満腹。感謝感激! ゲストの和田さんと山登り、山スキーの話も弾んで夜が更ける。9時半頃寝に就く。外は強風大雪、時折、木から落ちる雪が天幕を震わす。

12月31日(土)

6時起床、快晴。昨夜からの大雪が嘘のように晴れ上がり、強風も収まって雲一つない。皆、予想もしなかった好天に大喜び。猪鍋の残りで雑炊を作り朝食を済まして準備する。

8時40分、ランドネの旗を囲んで記念撮影してから出発。

(右写真:右からクラブ旗、関、小林、ゲスト和田、撮影:大坪)

位ヶ原を目指しシール登行。先行パーテイがいるので、ラッセルの労が省けて助かる。青く澄み渡った空に新雪の剣ヶ峰が眩いばかり輝いて美しい。本日の目標は、剣ヶ峰直下の強風に耐えられる地点まで登って滑走すること。どこまで行けるか、風しだいである。登るにつれて風強く、剣ヶ峰、摩利支天、高天ヶ原一帯に地吹雪が噴煙の如く走り飛ぶ。先行パーテイの姿が2、3あるのみだ。10時、位ヶ原の灌木の切れ目まで登って休止。強風荒び、オーバーミトンの手も痛い。このまま強風を押して直進するか否か相談し、撤退を決める。

烈風の中、シールをはずして滑降開始。軽快なパウダー滑走を期待したが、予想に反して雪重い。傾斜度、雪の深浅によりスキーの走りが違い、多少バランスが崩れる。斜面での雪の軽重の差が滑らかな滑走を阻む。樹林切り開きに入り、各自テント場までフリーに滑走して小休止。

11時、全員で2日目の食料等を取りに駐車場に行くことにし、ゲレンデ目指して滑走。下は無風で日差し強く、山上とは大違い、暖かいゲレンデはスキーヤーで大にぎわいである。11時半駐車場に着き、食料ビール等荷物を振り分けて担ぎ、リフト2本乗り継いだ三本滝の休憩所で行動食をとる。

1時25分、カモシカ平よりテント場へ登高開始。小春日和のような日差しで、午前中とは異なり山上稜線にも地吹雪は立たず、剣ヶ峰上空をジエット機が直線的に飛行雲を描いて直進してゆく。実に雄大な眺め、うっとりと見ほれる。皆、汗をかいてヤッケを脱ぐ。実に暖かな大晦日だ。2時50分にテント場に到着し、暖かい外で日光浴をしつつくつろぐ。
間もなくテントに入り、関家では好物の生烏賊の味噌付けを焼いて、4人で摘みながらビールのロング缶4本を空け、燗酒に移る。夕食にはまだ早いが、4時半頃からそのまま鳥の水炊きをつついて夕食、ポン酢が実に合う。最後にはざる蕎麦と煮込みそば、年越しそばを味わう。今夜も満腹で、8時に就寝。夜中、外に出て見上げた星の美しさに感嘆の声を挙げた。

1月元旦(日)

6時起床、快晴無風。山スキーには絶好の日和だ。

朝食は昨夜の鍋に餅を入れた雑煮とおせち料理。雪山では贅沢な正月料理だ。乗鞍位ヶ原のテントだから出来る楽しみ。これも高速料金を通勤時間帯100km以内で一旦ICを出て再び戻ることで半額に節約し、浮いた費用を充てようとの発案によるもの。
7時55分シール登高開始。昨日の朝より風が弱く登りやすい。8時30分に位ヶ原の灌木の出口で10分休憩。再び登高開始し、9時20分摩利支天岳直下のトイレ小屋到着。腹具合が悪いので、私は小林さんより下痢止めを頂く。

9時40分、剣ヶ峰への登頂か摩利支天からの滑走か、既に衆議一決していたので、リーダーを先頭にクトーを着けて摩利支天に向かう。10時30分摩利支天の肩に到着、風も寒さもさほどではない。北アルプスの焼岳、穂高、槍が手に取るように望める。シールを外し滑走準備後、リーダーからコースの注意説明等を傾聴する。左手の谷に滑り込まないこと、リーダーより先には出ないこと等々……。

11時いよいよ滑走開始。まず、大坪さん、次いで小林さん、和田さん、最後に私。雪が程良く締まり、雪重からず深からず、シュカブラもほとんどなくスキーが軽快に走る。実に雪質が良く斜面も程良い傾斜で絶好のバーンだ。気分爽快!! 皆、快適に滑って大満足の様子。ただ、灌木の立つ地点からは、雪質次第に重くなり、それほど軽快には走らないが、満足度の高い滑走だった。11時半、テント場到着。

小休止後、テント撤収に取りかかる。荷物を全部テント外に出して、フライとテントを木に掛けてしばらく乾かす。その間、荷物整理パッキング等をする。1時、撤収完了。荷を背負いカモシカ平に滑走開始。大坪さん、しんがりを務める。重荷なので、皆、荷に振られて滑りが不安定。転ぶと立ち上がるのが面倒なので、転倒を避けて慎重に滑る。何キロまでの重荷に滑走が耐えられるのか……。間もなく重荷に慣れて、一定のリズムで滑れた。

1時半にカモシカ平に全員到着。更に駐車場への途中、和田さんのストックが転倒により折れたが、場所がゲレンデの最後の斜面であったので事なきを得た。15分ほどで駐車場に着き、荷物を車に詰め込み、スキー場を後にする。2時に湯けむり館の温泉に浸かり、汗を流す。3時過ぎ湯けむり館を出発、談合坂で休憩し、6時50分に八王子南口に到着解散。往路帰路共に交通渋滞なく実にスムースな流れ、車を出して運転して下さった大坪さんに先ず感謝、山の料理の名人ですね。大変美味しい料理珍味をありがとうございました。そして、同行の小林さん、和田さん、いろいろお世話になりました。皆さん、再会までお元気で。

(関 記)