2007年4月 白馬金山沢・白馬乗鞍岳 会山行報告

4月7日(土) 天候:快晴〜曇り〜下山後・雨

栂池ロープーウェー山頂駅 9:08..... 急登手前(1990m付近) 9:52〜10:10 ..... 2301m台地手前(2255m付近) 10:45〜55 ..... 稜線 11:53〜12:25..... 金山沢・下降点 12:45〜12:55 ..... 金山沢出合 (林道) 14:07〜14:20 ..... 除雪終点 14:38 ..... 車止め 15:25

金子さん御用達の「林ペンション」のオーナーの送迎で栂池スキー場に行き、朝1番のゴンドラとロープウェーで 山頂駅に行く。戸外に出ようとすると係員から「待った」の声が掛かり、自然保護のための立ち入り禁止区域等の説明がなされた。10分程だったか ? やっと解放されてトイレへ行ったり、外へ出てシールを着けたりして準備し、ビーコン・チェックをして鈴木さんを先頭に、ラストを木村リーダーにして出発した。
朝1番で上がったのに、もう既に素早いパーティーの先行トレースが付いていた。だだっ広い栂池自然園の平原を横断し、ひたすら西方向へと向かう。ピッチが早くて、ついて行くのが大変だった。天気は快晴、絶好のスキー日和で、山々も輝いて見える。急登手前で1本とり、2612 P から派生する尾根を目指す。2301m 台地の手前で木村リーダーが「一般的には 金山沢へは2301m 台地から滑り込むんだけど、皆さんは稜線まで行くよね ? 」とご意見伺いをする。
久々の好天の山行とあっては、異議を唱えるものは誰もいなかった。尾根上を 2612 P 目指して登高して行くが、最後はかなりの急登となり、キックターンも大変で、ピーク抜け口の段差のあるターンは苦労した。ピークで大休止して昼食とし、記念撮影して、良い下降点を求めて小蓮華岳方面へ、2つ先のピーク迄向かう。2612 P も、稜線の辺り一面も長野県側に雪庇が張り出していたが、2つ目のピーク手前で雪庇も途切れていて何とか降りられそうな斜面を見付けた。

そこを下降点と決めて、上林さんをトップに、木村リーダーの指示した順番で次々下降して行く。雪はやや重いが、この天気にしたら上出来だ。途中、木村リーダーによるビデオ撮影も交えてどんどん下って行くが、雪質も段々悪くなっていく様であった。カチカチのブロック雪崩跡が所々にあった緩斜面でボロが出てもたついたのが災いしてか、「折角、スキー上手くなったのかと思って後ろにしてあげていたのに ... 。」と、私はスキー土下手の烙印を押されてしまい、前の方に順番を替えて貰った。
沢状が顕著となってくると、中央部分の荒れたところを避けて右岸を巻いてトラバースしてから沢床に降り立ったが、そのまま中央突破して行った上林さんは、気付かず水流が空けた穴を乗り越えてしまったらしい。「上林さんだったから無事で済んだようだが、他の人なら危なかったかもしれない」というは、どなたの談でしたっけ ? ?『 沢を滑る時は、中央部は避けたほうが無難 』というのが、今回の教訓か ? !

穴の手前で安仁屋さんが番人をしていて、皆に「穴がある」と注意を喚起してくれていた。もう1つ2つ程小さな穴があった後、暫くして大雪渓に合流するちょっと手前辺りからはすっかり流れが出ていて、右岸をトラバって行くが、流石に 『 大雪渓 』 は健在だった。しかし、「沢床で休むのは危険」と、沢山の先行ボーダーが休んでいた林道上へと登って我々も休むこととした。もう、ここまで来れば安全圏、9割方終わったも同然という安堵感。この頃からかすかに雨粒が落ち始めた。
「安全圏の林道下り」の筈が、「より楽しく早いはしょりルート」を読み違えて、藪と段差に阻まれ、下の林道からの他のメンバーからの誘導で、板を下に放って薮漕ぎ下降せざるを得なくなった方もいた。「林道歩きは20分」とペンションのオーナーに聞いていたのに、50分も掛かってしまった。どうも、昨日より除雪が進んでしまっていたようである。板をザックに着けないで、手持ちで歩いていて雪が在るところでは全て滑って下った方が楽出来ようであった。
やっと車止めに辿り着くと、程なく、板を脱いだ時に金子さんが頼んでくれた、ペンションの迎えの車が到着した。乗車して走り出すと、それまで小降りだった雨がザーッといきなり土砂降りとなり、正にグッド・タイミングであった。宿に戻って一息ついてから、近くの露天風呂 (「倉下の湯」 だっけ ? ) へ。そして上林さんご推奨の「白馬錦」等の買出しをし、ペンションのフルコースの美味しい夕食の後、再び美味しい宴会となった。天気に恵まれ、滑り応えのある長い楽しいルートでとても充実していたが、次回はどんな雪質でも安定して滑れるように努力してなりたいと思った。

(中館 記)


小蓮華の稜線にて


4月8日(日) 天候:

栂池ロープウェイ終点8:35、登行開始 9:00、天狗原10時頃、乗鞍岳稜線11時頃、船越とのコル11:30頃、栂池ヒュッテ付近12:40頃、ゴンドラ頂上駅1時頃、駐車場1:35頃

栂池に来るのは今年3回目である。1月の2回は天気が悪く、計画通りに行かなかった。4月は3度目の正直を期待したが、見事に答えてくれて天気に恵まれた。前日、金山沢を滑るべく船越の頭へ登る時、乗鞍の斜面を見て、リーダーの木村さんは、「明日は乗鞍を滑ろう」と言った。実は、来る前はいろんな意見と希望が出ていて、2日目はどこを滑るか決まっていなかった。この地域周辺の雪の状態から、異論はなかった。

ロープウェイの頂上に一番で8:35分に到着し、出口で説明を受けて外に出た。昨日午後に降った雪が3cm程度薄く積もっていて、前日のスキーヤーで荒れた斜面が少しはましになっている。今日のトップは竹内さんである。コースは成城大学小屋の上の尾根の西側斜面、旗のあるところをしばらく行き、中間あたりで左へトラバースして夏道のある尾根の上を天狗原まで登った。沢山のトレースがあり、今日も大勢登っていた。ややガスり気味であったが、10時前には晴れてきてヘリコプターが飛び始めた。
天狗原の祠の脇で一休みした後、乗鞍の東斜面をジグザグを切りながら登る。この斜面は前日の好天気でかなりのシュプールがあり、荒れていて滑る気にはなれない。ロープウェイの出口の説明で乗鞍岳から自然園へ続く斜面は滑走禁止とのことなので、乗鞍と船越の頭のコルへ行きそこから沢沿いに降り、トラバースして自然園へ降りる予定で進む。

乗鞍からコルへの上部はかなり岩が露出していた。降りる予定の沢の右端の頭でピットを堀り、雪の状態を確認した。50cm程度の所に氷の層がありその下は柔らかい雪であった。氷の層の上は特に弱層となるような境目は見られなかった。しかし、沢の降り口は急なので用心してまばらな潅木がある乗鞍の斜面の端へ戻るように沢を横切ってトラバースした。ここは上が無木立の斜面に繋がっており、折しもスノーボーダー3人が稜線から滑り降りて来た。天気は不安定で、この附近で15分ぐらい横殴りの吹雪となった。ここから雪もまあまあで、上林さんをトップに快適に滑り降りた。自然園から栂池ヒュッテへはシールをつけずに登り、栂池ヒュッテからゴンドラ終点へは沢沿いを滑ったが、雪はぐさぐさで重たかった。
ゴンドラで降りる1人と分れて、8人はゲレンデを中間駅近くまで滑り降りた。  栂池温泉で筋肉をほぐしたのち、道路沿いの「いっぷく」というサービス満点の手打ちそば屋で遅い昼食をとり、そこで解散した。

(安仁屋 記)