2007年GW 北海道会山行報告

4月28日(土)

現地への集合日並び自炊の為の食材の買出し。 最終のメンバーが集まったのは20時頃、先着の皆さんは食事をせず全員が揃うのを待っていた。 最終になったのは私、藤城、金井の三人、皆さんお腹をすかさせ申し訳ありませんでした又空港迄迎えに来てくれた井上さん有難うございました。食事は刺身で私の大好物、日本酒を少々頂き腹いっぱい刺身(ご飯では有りません)を食べた。


4月29日(日)

朝より事件発生、金井さんが膝の具合が悪く帰ると言い出した。確かに昨日より膝が痛いと言っていたがそれほど悪いとは思わなかった。羽田に行く時に忘れ物をして家までザックを背負いスキーを持って走ったとの事・・・普通の人はそんな事はしないのに!
三浦先生の付添いで整骨院に行く。残ったメンバーは北海道の池田さんリーダーで前十勝に向う。 参加者は井上、鈴木、野村、小林、藤城、金子。前十勝は美しい三角形をしており火口から上がる噴煙は迫力がある。沢沿いに土石流センサーを潜り登る。晴れており頂上も良く見えハイキング気分、暑い。難なく頂上に立つ(1790m)、隣の十勝岳も美しい山頂が鮫の背びれのように立上がっていて登攀意欲をそそられる。
休息していると風があり寒い早々に火口迄降りる。昼食を取っていると先生が上がってくる、金井さんは靭帯損傷で結局帰ったとの事。滑走に移るが良くない、雪がスキーに絡みつき滑らない、新雪が雨で湿ってこうなるらしい? せっかくの北海道なのに!
夜は前日に同じ、刺身に酒で盛り上がる。


4月30日(月)

北大雪スキー場リフト終点9:30 有明岳頂上12:30 駐車場14:30

参加者:三浦、井上、鈴木、野村、小林、藤城、金子

先生の発案で今日は有明岳に行く。東京組では事前にこの山は話題に上がらず何処に在ってどんな山かさっぱり解らない。しかしながら先生の選んだ山つまらない筈は無い。
登り口は北大雪スキー場より始まる、その前に下山口に車をデポする。リフトを乗り継ぎかなりの高度を稼げる、後は少々の登りで稜線に出る。稜線に出るとこれが1600m足らずの山とは思えないような景観が広がる。森林限界を超えており周り中、山又山である、まるで北アルプスの山奥に行ったよう!前方には天狗岳が見え有明岳は更にその先で見えない、天狗岳の西面は切れ落ちておりなかなか格好いい。
厳冬期は強風と寒さでこの稜線に来るだけで精一杯、先には進めないとの事。本日は晴天楽に行動できる、途中二つばかりピークをトラバースするがやはり木立の間は氷結している。
有明岳の頂上(1634m)も周囲360度山、山、山である。休息していると女性の単独行が反対側から登ってくる、本日始めてあった他のパーテーである。
滑降に移る、先生より尾根を外さぬように滑り沢に下りるなとの指示。あとは自由滑降で順番もコースも決め無し。尾根を滑るが滑り出すと何処が尾根で何処が沢への斜面なのか判らなくなる。 止まって判断するのも面倒で恥も外聞も無く先生の後に続く、どんどん先に先生は行っているがコースを承知しているのか?
滑降は上部の無木立の斜面より中腹の木立のある斜面の方が雪質がよい。木立の間隔も適度、斜面も広い、ただ斜度が緩いもう少し斜度があればなーと思ってしまう。それでも快適な滑降が延々と続き顔が綻んでしまう。皆も好き勝手に滑っており楽しそう、こんなに斜面が長いのはそうはないと思う。
全員無事滑降終了、車を回収後白銀荘に戻る。途中で食料の買出しでいつものスーパーに行く、私はそこでいつものあずきバーを買う。皆は笑うが東京ではあずきバーの一本売りはしていない箱単位である、北海道で無ければ出先でちょっとだけ食べるという訳には行かないのである。


5月1日(火)

白銀荘7:30 十勝岳頂上10:15 白銀荘11:15

今日は三段山、ところが食事の時先生より鈴木さんは十勝岳に行くんだろとの質問、私の顔の何処かに三段山でなく十勝岳に行きたいと出ていたらしい。
昭和噴火口の南側の鞍部を目指して登る、晴れで視界良い。噴火の名残りで岩がゴロゴロ、幾つもの土石流のセンサー、硫黄採掘跡、立ち枯れた木々、噴煙等等十勝は普通の山と一味違う、好ましい。 鞍部からの十勝岳の眺めが美しい、鞍部の先は大昔の噴火の跡らしくカール状になっている、その上には褒めすぎかもしれないがマッターホルンのような鋭鋒が聳えている。
先行者が二人いるのが見える、正面をそのまま登っているが全然動いていない急斜面のせいか? カールの中に降りず鞍部から高度を落とさず側壁をトラバースする、頂上の登りも先生に言われたとおり左より回り込む。
先行者の二人は地元の人、頂上付近の急斜面が怖くてスキーで降りられないと言っている。身体が冷える前に降りる、雪質良い、しかし鞍部附近迄来ると雪がベタつきだし滑らない。次回は是非ともパウダーの時に滑りたい。
白銀荘に着くと倉崎さんと遠藤さんが到着している、又藤城さんが靴擦れの為帰京する。


5月2日(水) 天候:

本日は天気悪く雨、ガスも出ており外は何も見えない山行は中止。
先生の案内で後藤美術館、前田写真館、三浦綾子記念館等等に行く。参加者 三浦、倉崎、鈴木、遠藤、野村、小林、金子
三浦綾子記念館では作品よりも営林署の見本林の中にそれがあるのに驚いた。又夫婦の仲が良く妻が毎年結婚記念日に今年もよろしくと夫に挨拶していたとの事。帰ったら女房に話そう。
夜はベランダで防寒着を着込んで焼肉を楽しんだ、しかしながら私にはホルモンは食べられない、又さがりだとか言う訳の分からないものも食べた。今迄の数少ない焼肉経験ではカルビ、ロースとかは知っていたがこういう物は初めて。
明日は倉崎さん野村さんが帰る。


5月3日(木)

朝よりガスの為前十勝の千春沢を滑る、相変わらず雪がスキーにまとわりつき快適な滑りが出来ない。途中ウサギを見る。


5月4日(金) 天候:

白銀荘8:15 頂上14:00 現地駐車場16:30

参加者 : 三浦、井上、鈴木、遠藤、野村、小林、金子

本日は天塩岳に行く。この山はガイドブックを読んでも余り特徴ある山とは思えなかった。ところが行ってみたら渡渉あり雪崩の起きる急斜面ありと忘れられない山となった。
ルートは南側より一の沢を遡行する。右岸を歩く、途中で沢を渡ろうとするが雪が無く水が流れている。そこから稜線に登る事も考えたがまだ二の沢を越えていずアップダウンが大きく渡渉となる。 冷たいのなんのって、手の切れるという表現があるが正に足の切れる冷たさ、悲鳴を上げたくなる。 全員無事渡れた、北海道勢の一人は靴のまま渡渉した。
更に延々と沢沿いを歩くやがて両岸狭まって来る、左岸には稜線から沢迄一直線に続く急斜面が出てきた。先生にあそこを滑りたいですねと声をかけた。この時には分からなかったがこれが頂上より滑降した斜面であった。沢を離れ右岸の斜面に取り付き稜線に向って登る、かなり急もし雪が緩んでなければ危険でとても登れないだろう。稜線に出る、沢を挟んだ反対側に天塩岳の頂上が見えるまだかなりの距離。しかしかなりの高度を稼いでおりこの先余りアップダウンは無い。登り始めて約6時間で頂上に着くここも山又山の中、深山幽谷である。
頂上(1558m)は狭く登ってきたルート以外は何処も切れ落ちている。滑降に移る、先生は来た道を戻らず先に進む、足元から先5〜6m先は何も見えない。先生に続く、斜度が30度前後の斜面に出る、ここからは下迄見通せる。一直線に沢迄斜面が続いている、雪は大分融けかかったザラメ。
斜面の真ん中の一番急な所を滑るが足元から雪崩が起きる、雪崩といっても厚さ20cm幅5mでスピードは遅い、しかし危険を感じ斜面の緩い方に転進する。ここでも雪崩発生するがスピードが遅いので目視して避ける。アチコチでザザーと嫌な音がする。更に木立のある方に移る、此処では雪崩は発生せず、全員コースを変える。快適な回転を続け沢に着く、これがパウダーならなー!でも更に雪崩の危険が増すだけか?
来た道を戻るが朝には無かったデブリが2〜3箇所有った危険危険、更には沢の上の穴が来た時以上に広がっており下手に近づくと蔵王の二の舞となる。最後に又渡渉今回はずっと下流迄行き堰堤を歩く、歩き易い替わりに距離が長いまたまた足が切れそう、我慢できず小走りをしてしまった。 無事全員駐車場迄着く、行動時間8時間15分の長い山行であった。

感想
@三浦先生、井上さんには車やガイド等諸々お世話になり有難うございました。
A北海道の山は標高が低くても山深く、山容は北アルプス並みで美しい景観を持っている。
B定年退職後何人かでアパートを借りスキー三昧をして見たい、誰か音頭を取りませんか?
C車の渋滞は一度も無く何時かは車で北海道中を回ってみたい。
D白銀荘は元気な年配者達の定宿、いい場所を教えて頂きました。
E今回は今迄私が経験した事のないタイプの人が居て面食らった、方言丸出しの大声で話をする、鍋を作るのに箸を何度も何度も舐めて味見をする、とてもそれを食べる気にはなれず早々に食堂を引上げた。
これから何回かお会いしお話をして理解を深め時間をかけて友達になりましょう。 以上 鈴木 記

5月1日(火) 三段山レポート

白銀荘(8:25)山頂(10:30/11:08)白銀荘(11:45)

三浦、矢野、小林、金子、井上、野村、(藤城)

東京からのメンバーまとめ役の鈴木さんは本日単独で十勝岳に登る。残る三段山メンバーは、小林さん、金子さん、藤城さん、井上さん、矢野さん(三浦先生の元同僚)、そしてリーダーの三浦先生、野村の7名。天候:晴れ、気温12℃(白銀荘)。
朝食を済ませ、8時25分白銀荘駐車場横よりスタート。先頭は三浦先生。見上げると前十勝岳の大きな三角の斜面があり、その斜め上に十勝岳に繋がるルートが見える。2名ほど前後して登っているのが見えるという話であったが、残念ながら私には見えなかった。直ぐに疎なるエゾマツなのだろうか、樹林帯の中に入る。微傾斜が続く。約30分後に小休止。直径4〜50cm程のエゾマツが、目線のあたりで、縦40cm×横10cmの大きさで幹の中心部までえぐられている。三浦先生によればクマゲラが虫を食うために開けた穴だとのこと、あまりの大きさに驚く。
ここから10分ほどの処で、足の豆が潰れて痛みに耐えていた藤城さんが我慢の限界を超えたとのことでリタイヤ、単独にて白銀荘に戻った。やがて樹林帯も終わりに近づくと、左手に大きく前十勝岳の斜面とその後ろに頭を出している十勝岳が見えてきた。小林さん先頭で暫くは夏道沿いに尾根を登り、途中より先頭を野村に交代し、夏道と滑降ルートの中間と思われる尾根沿いを登った。振り返ると美瑛方面の平野にカラマツの林が広がっている。秋の紅葉の季節はどんなにか美しいことであろう。
「三段山1748m」の山名柱の頭が見えて来た。山頂10時30分着であった。聞いてみると、このルートは通常使わないそうだ。厳冬期は強風で凍結していて登れないとの話である。山頂からは十勝岳、カミホロカメトック山、富良野岳を一望出来た。眼前のカミホロカメトック山頂岩峰は厳つく、ヌッカシク富良野川に落ち込む沢は鋭く抉られている。その右手に続く富良野岳が実に端麗な山容を見せている。上富良野町から白山荘に向かう途中からみる富良野岳は十勝連峰主峰である十勝岳より大きく、そして立派に見えるが、地図を見ると富良野岳の方が165mも低い。
今日の三段山は標高こそ低いがここから見渡す眺望は素晴らしく、充分に我々を満足させてくれるものがあった。我々が追い越したボーダー2名もやがて山頂に到着、彼らに写真を頼んだりして撮影タイムも終了、いよいよ滑降開始(11:08)。
北西に広がるカール目指して滑り込む。三浦先生が先頭でルートを指示または先導してくれる。1600m位から左にトラバースし、更に左手の尾根を高度を下げずに大きく回り込んだ。すると適度な斜度で広がるオープンバーンが出現。何とも魅力的な斜面である。此処を標高1400m位まで約500〜600m位の滑降。1400mを僅かに下ったところで、また元の沢筋までトラバースして戻り、後は沢なりに高度を落とし樹林帯を抜けて白銀荘駐車場まで戻った(11:45)。雪質は今の時期故水分をタップリ含んで超重であったが十勝連峰の景観を堪能できたツアーであった。

(野村 記)