2007年5月 富士山 山行報告

今回は4月22日に吉田口から強風で敗退した山行の再挑戦という位置づけで行われました。前回参加した室岡さんは今回事情により不参加でした。代わりにGWの黒部山行で木村さんと一緒だった長坂さんが参加していただくことになりました。今回は須走口よりの挑戦です。富士山初滑降の竹内の希望を入れていろいろ配慮していただきました。ありがとうございました。

5月19日(土)


19日は快晴でした。竹内は1300に仕事を切り上げ1400に東急田園都市線鷺沼駅で木村さんを拾って東名川崎ICから御殿場IC経由で長坂邸を目指しました。約1時間30分後長坂さんが合流して富士あざみラインを五合目駐車場まで登りつめました。1620駐車場でザックにスキーを括り付け避難小屋まで火山礫で歩きづらい登山道(ブルドーザー道路?)を登りました。途中で右に脇道を入って1635には避難小屋に到着。長坂さんが用意していただいた鍋とビールで豪華な夕食を楽しみました。避難小屋はよく整備されていて2階(屋根裏?ロフト?)もあって快適に休むことができました。


5月20日(日)

20日も快晴で無風状態。絶好のコンディションです。0430に起床して食事&準備。避難小屋を0605に出発して雪がある地点までスキーを担いで歩いていきました。ようやく雪が付いている斜面に到着して0640シールを装着しました。 (2325m)竹内を先頭にしてシール登行開始。私は基本に則って電光型に登って行きましたがすぐに直登する二人に抜かされてしまいました。最初の急登をこなしクラストしてきた雪面で0755クトーを装着(2850m)しました。シールの性能の違いか技術の差か私の場合は直登しずらく斜登行するほうがクトーが食いこみグリップが良かったので電光型の登行を続けました。3000mに近くなるに従いペースが落ちてきます。休んでは登り、登っては休む状態で0850本七合目(見晴館3140m)に到着し小休止しました。

0930登行再開して1015本八合目(胸突江戸屋3370m)にたどり着きました。この時点で天候は快晴のままでしたが、次第に風が強くなってきました。クラストも硬さを増してきてより安全な雪面を選んで登っていきます。1115には先行した木村さんが鳥居3580m、長坂・竹内は3535mの地点で風と雪面の状態を見て登行中止を決定しました。強風の中で悪戦苦闘してシールを外し滑降の準備に入ります。クラスト急斜面と強風の中、かろうじて雪面から出ていた夏道の脇に張られていたトラロープにザックを括りつけストックを落とさないよう苦労しました。こういった場面では雪面に突き刺すことが出来る、グリップにピックが付いているストックの便利さを痛感しました。

なんとかシールを外しスキーを装着し滑降を開始できました。クラストした雪面を慎重にターンを切り1135に御来光館(3450m)まで滑り降りて来ました。途中大声で振り返ると、上方の斜面でスキーを担いで登っていた登山者が50mほど滑落して止まっていました。サングラスだけが留まることなく凄いスピードで滑り落ちて行きました。小休止のあと1210本七合目(見晴館3140m)を経由して本格的に滑降開始。雪質も程よく緩んで快適な滑りを楽しめました。雲の上から山中湖へ落ちていくようなシチュエーションは鳥になったような気持ちで私的には今シーズンの最高の場面でした。斜面の途中、木村さんが恒例のビデオ撮影。安定したターンを決める長坂さんを尻目に快適な斜面に我を忘れた竹内は止まる事なく滑りきり1240ついに雪が切れてスキー脱ぎました。( 2325m)

徒歩で1315に避難小屋に戻りデポしてあった装備をパックし直し1350に五合目の駐車場でブーツを脱いで無事山行を終了しました。 充実した設備の日帰り温泉、「ごてんば高原御胎内温泉」で汗を流し、長坂さんのお宅でお茶をご馳走になり大満足の2日間でした。本当にありがとうございました。

(竹内 記)


山中湖をバックにシール登行