2007年12月 乗鞍岳 山行報告

12月29日(土) 天候:曇り時々雨

リフト終点13:00〜2,350mテン場着14:30 設営完了15:30


朝、玄関を開けまだ薄暗い外に出ると弱い雨と生暖かい空気。日本海を低気圧が発達しながら通過しているそうだ。ニュースでは年末の荒天に注意しろと声高に訴えている。久々の本番なのに天気は期待できそうにない、がっかり。
早朝の八王子駅で鈴木さん、大坪さんと合流。大坪さんとは1年ぶりの再会だ。1月の八甲田の雪崩事故の話などをしながら、途中スーパーによってたっぷり食材を買い込み乗鞍高原スキー場へ向かった。
12時、乗鞍スキー場に到着。雪ではなく雨が降っている。異常に暖かい。本日の晩飯おでんの材料とビールをザックに放り込みリフトを3本乗りついでゲレンデ頂上へ向かった。重いザックを背負ってリフトに乗るのは初めての私にはとても怖い体験で、特にリフトから降りるときは片腕を抜いたザックの重みと下手くそなスキー技術の間でバランスを取るのに必死だった事は言うまでもない。
ゲレンデ頂上はさすがに雪だ。午後1時、シールを貼って出発である。前の晩に降った新雪が少し積もっている。くるぶしラッセルくらいだろうか。鈴木さんを先頭にしょっぱなの急斜面を越えていく。それにしても暑い、みな汗だくだ。
 急斜面の上部に、某山岳会がベースキャンプを張っていた。盛大に焚き火をしていて暖かそうだ。ここから先はノントレース。3人で交代しながら林間のツアーコースを本日のテン場である2,350m地点の平坦地までラッセルした。
2時半テン場到着。弱い風と雪が降っている。天気もよくないので、テントを設営して早々に宴会へ移行することに。食べきれないほどのおでんをほおばり楽しい夜は更けていく。夜半、トイレに出ると空には月が見えていた。


12月30日(日) 天候:

テン場出発7:40〜位ヶ原8:40〜宝徳霊神9:20登高終了滑降開始9:50〜テン場着10:30〜鈴蘭で後発グループと合流12:30〜リフト終点14:00〜テン場着15:40〜設営完了16:40


6:30起床。夜明け前はだいぶ冷えたようである。月が出ていたのは幻だったのか、外にでるとテント前の土間が新雪で埋まっていた。
ゆっくり朝食を済ませ、7:40テン場を出発。今日は天候が許せば摩利支天まで行く予定だ。昨晩の新雪で脛ラッセルぐらいまで雪が増えている。先頭を交代しながら進んでいく。道路を横切って位ヶ原に上がろうとしたが、2mほどのギャップを越えられず、少し戻して道路沿いに位ヶ原にあがった。覚悟していたものの位ヶ原は強風と吹雪。視界は100mほどだろうか。3人で相談し行ける所まで行ってみることにする。ここから大坪さんを先頭に出発。足元は強風で雪が飛ばされ、次第にアイスバーンになっていく。大坪さんは迷うことなく進んでいくが、ほとんど視界の利かない吹雪の位ヶ原は私にとってはとても緊張した場面だった。
9:20宝徳霊神の少し先で本日の行動をここまでとすることにした。準備してもらったツェルトの中でドーナツを頂く。こんな吹雪でもツェルトの中はとても暖かく緊張も解ける。9:50シールをはがして下山開始。吹雪で視界の利かない中、方向を誤らないように慎重に下っていく。
位ヶ原から少し降りると先ほどまでの吹雪がうその様におだやかな景色に変わる。いよいよ緊張の本番滑降だ。膝までもぐりそうなパウダースノー! 何も考えないでもすいすいターンしていく。スキーうまくなったのか?! 底に着かないふわふわしたなんとも言えない不思議な感覚。みなニコニコで降りてきた。
しっかりパウダースノーを満喫した後は、本日合流の長坂さん、野村さんを迎えにゲレンデへ急ぐ。駐車場で合流し本日の晩飯キムチ鍋の材料を持って再びテン場までハイクアップ。大テントを張って、長坂さんのガソリンストーブで暖を取る。ガソリンストーブの力強さには驚いた。音を聞いているだけで幸せになってくる。沢山の差し入れと野村シェフのおいしいキムチ鍋に、今日も楽しい夜は更けていく。
夜半、あまりの寒さに起きてしまった。風の音と降りしきる雪、本格的な冬型になってきたようだ。


GPSトラック図


12月31日(月) 天候:雪

テン場出発9:20〜位ヶ原直前10:45〜テン場11:30〜下山開始13:00〜行動終了14:30


6:30起床。テントが雪でひしゃげている。40〜50cmの積雪だろうか。天候は上まで行けないこと確定なので、ゆっくり朝ごはんをとる。
9:20、位ヶ原までという事で出発。途中後ろから追いついてきた3人パーティと一緒にラッセル。なかなかきつい。坪足のときの感覚が抜けず、どうしても急な角度で登ってしまう。 10:45、位ヶ原手前斜面のトップで登高終了。風も強いのでシールを外してすぐに滑り始める。昨日のような幸せな滑降を期待していたのだが、雪が深すぎるのか全然滑らない。パウダーマジックも消え、また下手っぴな自分にもどっていた。がっかり。ワックスを塗ってやる気まんまんで降りてきた鈴木さんも、あまりの滑らなさにがっかり。その後もラッセルしているかのような滑りで11:30テン場着。
 私と大坪さんは本日下山。小テントを撤収し残るメンバーに挨拶をして13:00下山開始。この後、何度も転び時間をロスしながら、14:30駐車場まで下山。無事に降りてこられてよかった。下山の握手!
[感想] スキーの機動力に驚きました。あの深雪の中でも予想しうる時間で行動できるというのは素晴らしいです。それにしてもあのパウダースノー、すごかった。 

原田 (記)

1月1日(火) 天候:雪

今日は残留組の下山日(1月1日)、降雪の為2回目(12月31日)の位ヶ原は下りラッセルでスキーが滑らず今日は更に雪が積もった訳で上に行っても無駄と判断、即下山とする。野村さんは山頂を狙っていたのだが。
下山路も下りラッセル、全く滑らない。しかしながらゲレンデに来れば圧雪された上に雪が積もっておりスキーは滑る。が荷が重い、久しぶりのザックを背負ったままの滑降に身体がふらつく。その点長坂さんは上手い、背負ったままウェーデルン。アドバイスを受ける、下に固い圧雪バーンがありその上にパウダーが積もった状態、従ってスピードが出る・・・前傾姿勢を強め膝の入れ替えで滑る。 ノートラックのゲレンデなので直ぐに降りず、ザックを置いて3回ほど滑りを楽しんだ後、下る。下るにつれザックに身体が慣れ調子よく滑れる、わざわざリフト下の深雪を選び滑る、アドバイスが利いたのか快調。気のせいかリフトに乗っている人の賞賛の目を感じる?
駐車場に着くが連日の雪で車が埋まっているスコップを使い掘り起こす、隣の車に助けを求められ応援した。ついで風呂に寄りその後そばを食べ帰路に着いた。