2008年3月 遠見尾根 会山行報告

3月8日(土)

和田さんが管理される青木湖の広島大学山岳部山小屋(KC小屋)を利用させていただき、後立山のツアーをしようという計画の2回目です。今回は遠見尾根の小遠見2007mから南東に伸びる黒沢尾根を鹿島槍スキー場までと、一ノ背髪1892mから村尾根を下降してHAKUBA47スキー場までの2つのツアーです。
前日夜KC小屋にはいり1日目の朝は晴天で迎えました。いつもどおり就寝時間が遅く多少眠くはありましたが五竜遠見スキー場に向かいます。ゴンドラ、リフトを乗り継ぎ地蔵の頭1673mに。10時シールを付けて出発です。トレースのできた尾根を休みを取りながらしばらく登り一ノ背髪を経由して小遠見に11時55分着、それまでかかっていた雲が無くなり眼前に鹿島槍、五竜、白馬、遠くに槍ヶ岳の大パノラマが広がりました。
12時すぎシールのまま下って天狗岳に向かいます。前回2月のときはパックされた新雪で滑りづらかったのですが今回は快適、コルまで滑り降りて天狗岳をまいて天狗ノ頭1926mに。頭でゆっくり休んでシールをはずし下降に向かいます。ここはいつものように壁と細いリッジになっており注意するところです。その後は1633mピーク前まで尾根の西側の斜面を滑りながら進み徐々に高度を下げてゆきます。その後はシール歩きとなりましたが村上はシールなしで続く2つのピークをまきながら進んでみました。鹿島槍スキー場のゲレンデトップあたりまで来たときはシール組みとほぼ同じペース。スキー場下に17時到着、1日目のツアーが終わりました。
このコースは冬はラッセルになりますが3月にはいるとスキーも滑るし展望がすばらしいので山スキー経験が浅くても山歩きが好きな方には楽しめます。滑り派には後半のシール歩きが退屈に感じるかも。
その後、簗場の駅まで歩き大糸線で五竜遠見スキー場の車に戻り食材を買って小屋に戻りました。いつもの楽しみの夕食は猪俣さんが腕を振るってくれ、鈴木さんは食もお酒も進んだようで以前の食べず嫌いは返上したようです。


3月9日(日)

2日目は同じ遠見尾根を登り一ノ背髪より村尾根の下降です。事情があって先に帰る猪俣さんと別れ本日は3人。前回2月は深雪狙いで試みましたが悪天で中止。今回は好天、でも高度が高いせいか雪はまだ重くありません。地蔵の頭9時20分発、一ノ背髪に10時8分着、最初やや狭い尾根のこぶを1つ越えると下るコースが一望できます。もう数パーティーが下降していますが下るにつれて尾根は広くなりブナの林間も広い斜面が蛇行して続きますからきれいな斜面を探すのに問題はありません。斜面は全体には中斜面ですが少しはずし誰も踏んでいない急斜面にシュプールを刻みます。途中一度休憩して高度を落としてゆくと平川の堰堤が見えてきました。
平川と八方沢との合流点にある堰堤下の川の中をスキーをはずして渡り対岸1017mに登ります。この渡渉点をはずすと渡るのに苦労します。11時20分ここで大休止。最後は平川の左岸の山道をHAKUBA47スキー場まで滑り下りますが、八方尾根側の斜面からのデブリをところどころ越えなければなりません。12時45分スキー場着。今回は問題ありませんでしたが1月2月の深雪時期は下りラッセルもあるでしょうし通過にかなり注意と時間が必要でしょう。
村尾根下降はスキー場からトレースさえあれば1時間程度の登りで下降点の一ノ背髪につきます。少し上の小遠見から滑ると平川まで約1.000mの下降、北西斜面が続きますから比較的雪質も良くとても楽しめるコース。ただ降雪期と急斜面は雪崩に注意です。
その後シャトルバスで五竜遠見スキー場の車に戻り、温泉、蕎麦屋とお決まりコースで帰途につきました。

(村上 記)