2008年4月 浅草岳 個人山行報告

4月10日(日) 天候:曇りのち晴れ

ホテル大自然館前 7:48――浅草岳山頂12:20〜12:55―― ホテル大自然館前 14:40

 この週末は、鈴木さんと2人で鳩待峠から尾瀬の至仏山に行く予定だったが、土曜日が雨の予報だったので取り止め、日曜日のみの野村さんの浅草岳に便乗させて頂いた。
 浅草岳は、私は先々週に山の会の人と行ったばかりだったが、その時は最近のベストルートを知らず「ムジナ沢」から登り、よその人に教えられて帰りのみ「登山道〜ホテル大自然館側」へ降りたので、ルートの再確認には丁度良い。
 土曜日夜に南町田駅に集合して、今夜の宿は「入広瀬の道の駅」と決めて出発するが、この道の駅は移転してしまっていたためナビでは辿り着けず、少し戻った「JR只見線・入広瀬駅」に泊まることにした。
 この駅は、基本的には夜間は鍵をかけて閉鎖しているようであったが、たまたま? 端の扉が開いていたので、ありがたく中で寝させて貰う。6時ちょい過ぎに来る始発電車に合わせて5時50分頃、駅長 ? が出勤して来てストーブに火を入れた。
 朝食を済ませてホテル大自然館前に移動し、準備を整えて、いざ、出発 ! !
 車道を少し遡った橋の所から右の林道に入り、もくもくとシール登高して行く。辺り一面杉の植林だらけで、花粉症の人には少し辛いかもしれない。
 途中、林道のどん詰まりと思しき辺りから右の尾根に向けて取り付くが、ここのところの陽気でまた一段と雪解けの進んだ斜面はすこぶる悪く、至る所に亀裂が走り、所々雪も消えており、悪いトラバースを強いられた。
 中館はドジッて4m程ズリ落ちてしまった (ピックで止める反応が鈍かった) 。
 雪の状態が悪かったのでルート取りが難しかったが、ここは、先週に行われた地元のスキーツァーに使用されて雪面に赤い印の施されていた、前にちょっと下った沢状の所から取り付く方が安全だった様である。 何とか安定した緩斜面に辿り着いて1本取る。そこは、前述の「沢状」を忠実に辿った上部であった。再び登高を始め、ぐんぐん高度を稼ぐ。





 稜線は、雪解けにより至る所にブッシュが出ていてルート取りにやや苦労する。
 2本目の休憩の頃、少し小雨がパラついて本降りを心配したが、やがて次第に晴れて来て、いつの間にか快晴となった。
 鈴木さんは日焼けで顔が痛くなるのを嫌って、「完全・覆面 ( 頬っかむり)」である。  以前来た時は、1484.7ピークは、右側の雪稜をトラバースして巻いたのだが、今回はそこには亀裂が走っていて、今にも崩れ落ちそうである。
 左側はとても巻ける様な形状にはなっておらず、ここは止む無く中央の雪の消えた登山道を、板を担いで直登した。
 その後、進路は右に折れ、右側に雪庇の発達した稜線を次のだだっ広い前岳ピーク迄、慎重に板を担いだまま進むが、所々雪庇が崩壊していて恐ろしい気分だった。
 前岳ピークへの一登りの手前で再び板を履き、ピークを越えてシールのまま一滑りして、本峰への最後の登りに取り掛かる。
 本峰の右側の雪稜も少し亀裂が入っている箇所があり、左側はブッシュがひどいので、雪のまばらな中央の登山道を板を脱いで登ることとした。
 板はその登り口にデポし、私と阿部さんは荷物もデポしてしまった。
 ほんの10分程の一登りで山頂到着。微風快晴、360度の展望で、言うこと無し ! !
2週間前は一面雪原だった山頂も、今ではすっかり岩と土と植物が出ていた。
 「山頂で昼食」とリーダーに言われたが、2人して荷物を置いてきてしまったので、デポ地まで降りてからにして頂いた。





 大休止後、いよいよ下山に取り掛かるが、前岳までは緩い登りであり、1484.7ピークも板を担がないといけないので、暫くはシールのまま進むことにする。
 しかし、前岳の下りに掛かると、勿体なくてシールでなぞ滑りたくない ! !
 ということでシールを外し、1484.7ピークへのトラバースに差し掛かる辺りまで滑降した。  トラバース道の中程で板を担ぎ、坪足で慎重に1484.7ピークを越え、再び板を履いてブッシュや亀裂を避けながら下って行く。
 先頭の野村さんや鈴木さんは、ルート取りに気を遣っただろう。
 しかしやはり下り (スキー滑降) は速く、あっという間に高度が下がる。
 中程では快適な疎林のやや幅広斜面で、雪もシャーベット状で快適に飛ばせたが、後半に差し掛かる頃にまた、雪解けで出て来た細かいブッシュがうるさい所があり、階段登高を強いられた。
 「最後のトラバースが嫌だ」と話していたが、最初に休憩した所から、そのまま沢状を下へ下れるのではということになり、下って行くと、左の小沢を渡って上の大地に2m程階段登高すると、初めに登りに取り付いた斜面の下に出た。
 このルートは、多分、先週「地元のスキーツァー」で使われたコースの様で、小沢の手前等には雪面が赤く染められていて、大地への登高した後も残っていた。
 あっという間の滑降で、下り2本目の休憩。
 雪解けが速くてブッシュや亀裂が沢山あり、ルート取りに多少苦労もしたが、終わってみれば、( 登る時に感じたよりは ) 中々快適に滑れて楽しかった様に感じられた。
 後は、林道を、時たま漕ぎつつひたすら下って行く。
 後ろはちゃっかり時たま「はしょり道」の短い斜面を滑降できた。
 順調にホテル大自然館前に到着し、浅草山荘 (600円) にて汗を流して帰路についた。
 天気に恵まれ、メンバーに恵まれて、とても楽しい山行でした。
 リーダーの野村さん、長時間運転をしてくれた阿部さん、時々好ルートを見付けてくれた鈴木さん、ありがとうございました。

( 中館 : 記 )