2008年4月 2008年4月 カナダで山スキー 個人山行報告

4月2日から10日まで、カナダで山スキーをしてきました。日本ではあまり知られてない地域もあり、簡単に報告します。場所は西海岸のウィスラースキー場のバックカントリーエリアで2日間、ウィスラーの隣町ペンバートンからヘリコプターで北へ20分程のチルコテン山脈中の山小屋で4日間でした。どちらも素晴らしい雪質で存分に楽しみました。
 ウィスラースキー場のウィスラーエリアとブラッコムエリア間には縦横に山スキーコースがあり、山スキーコース用の地図もあります。ウィスラーエリアのバックはピッコロ、フルート、オーボエといった楽器にちなんだ峰々が連なり、ブラッコムエリアのバックはブラッコム氷河、スペアヘッド氷河等が連なって両エリアは奥の氷河群を介して蹄鉄型の山スキーコースを構成してます。両エリアを縦走するのは2、3日かかるようです。今回は、上に名前をあげた峰々や氷河で、一部ザイル使用の箇所もありましたがシールを何度も着脱しながらパウダーを楽しみました。なお、山スキー用にはスキーリフト券が半額(CN$40)で購入できるのですが、身分証明書と3点セット(ビーコン、ショベル、ゾンデ棒)を見せて登録し、スキー場内でスキーをするのが目的でないこと等の誓約書にサインします。
 山小屋(マクギリヴァレイ・パス・ロッジ)は2500m級の山々が連なる山中にポツンとあり、ヘリコプターでアクセスします。山小屋のゲスト定員は12名で、広大な周辺の山々での貸切山スキーです! 山スキールートはエクストリーム級まで数十もあり、小屋のガイドがゲストの能力に応じて周辺の山々を案内してくれます。弁当持参で朝9時頃から午後4時頃まで毎日違うルートを登っては滑ります。ノートラックの斜面ばかりです。気温は氷点下とはいえ風もなく時には半袖で登ったりしましたが、降雪もあり素晴らしいパウダーを楽しめました。小屋のオーナーのロン・アンドリュースは初登攀等でカナダ山岳会では著名な人で、息子ラースは山岳ガイド教官で、CMHで長年ヘリスキーガイドもしていました。日本人の利用は今回が初めてで、若い女性シェフが美味しい日本食を作ってくれたり、いろいろと気を使ってくれました。
雑誌「フォールライン2008」(双葉社)にこの山小屋(McGillvary Pass Lodge)の紹介記事があります。内容、料金、予約等の詳細は下記HPを見て下さい。
http://www.whitecapalpine.ca/index.php

 現地ではラストフロンテアの現役ヘリスキーガイドでもある柳沢 純氏(ウィスラーの旅行会社ジャパナダ代表)が山スキーのガイド等を行ってくれました。
http://www.japanada.com/index.html   http://www.lastfrontierheli.com/

 参加者は全員日本人で、40才代1名、50才代1名、60才以上8名(65才以上7名、最年長70才)の計10名(内女性2名)にガイドの柳沢氏と企画旅行会社(Fellow Travel)のスタッフの合計12名。参加者は山スキーのベテランがほとんどでヨーロッパ・オートルート経験者も5、6名いました。滑りは皆さん大変上手でしたが、山スキー初心者が2名いたこともあり、1日の延べ標高差は800m位でした。現地の若い人達は1日2000m位を登り滑降しているようでした。参加者に同世代が多かったこともあり、山スキー後に山小屋で薪ストーブを囲んで歓談したり、サウナに入ったり楽しいツアーでした。体力、足並みの揃った楽しいメンバーで、また、訪れたいと思いました。

(井上 記)