2008年5月 富士山(須走口) 会山行報告

5月17日(土) 天候:晴れ

須走口五合目駐車場9:40〜10:00…須走避難小屋(2,130m)10:40〜11:00…3090m地点14:50〜15:10―須走避難小屋16:10

南町田駅で阿部さん、野村さん、室岡さんをピックアップして(7:30)、長坂さん宅で長坂さん、小宮山さんと合流(8:50)。 車2台で須走登山口へ向かう。途中のコンビニで行動食などの買い出しを行い、須走口五合目駐車場に到着。駐車場から続く登山道(ブル道)には雪がないので、板を背負って出発する。宿泊装備で板を背負って上るのは久々で、ビールや食材が肩に食い込む。やがて雪も現われ、ほどなく避難小屋に到着。小屋の周りの積雪は充分だ。
荷物を小屋に置き、シールを付けて上り出す。いつもは小屋の少し北側から上るのであるが、今日は南側の沢筋に沿って上る。野村さんはいつものスキー用ではなく沢用のヘルメットをかぶっている。所々雪が付いていない所もあるが、板は外さず上ることができる。視界は良好で、他に数パーティが上っているのが見える。40〜50分おきに休憩し、トップを代わりながら上る。日差しはあるが雲が多く、時折日影になる。寒くなってきたので、アウターを着る。2,800mぐらいから雪も固くなってきたので、人によってはクトーを付ける。だんだん雲が多くなってきた。視界がある内に滑りたいと言うことで、3,090m付近で登行終了とする。
シールを外して滑走開始。広大な斜面をそれぞれ自由に滑る。視界も良好。雪も締まっていて滑りやすい。山頂方向の雲の切れ間から陽が当たり、みんなのシルエットが斜面に映り幻想的だ。高度を下げると雪も緩むが、そんなに滑りにくくはない。多少小屋より下まで下り過ぎるが、上ってきたルートに合流し避難小屋に戻る。
まずはビールで喉を潤し、夕食の準備。小屋の薪ストーブで雪を溶かし水を作る。やがて竹内さんと加藤さんが合流。夕食は長坂さんの野菜たっぷりのサラダと豚シャブ。持ち寄ったビールやワインで楽しく歓談し眠りにつく。


5月18日(日) 天候:晴れ

避難小屋6:30…九合目(3460m)11:50〜12:05…山頂(3720m)13:20〜13:50―九合目14:00―避難小屋15:10〜15:40…須走五合目駐車場15:55

早朝、大坪さんが合流し、総勢9名が須走を山頂目指して出発。トップを交代しながら、七合目を過ぎてクトー装着自由の指示。見上げる山頂は手近だが、急ぐと息切れを起こすのでゆっくりと高度を稼ぐ。やがて八合を過ぎて吉田大沢口を登る登山者、ボーダーの列に近づき九合目でルートは一つとなる。
ここで体調不良の阿部さん、室岡さん、大坪さんを残して、他は山頂を目指す。この辺からは山頂の建物も見えだし、もう少しだが雪がかなり固くなりクトーを付けていても細心の注意が必要。野村さんを先頭に、クライミングサポートを降ろしクトーをしっかり効かせ、緩い角度でジグザグに上る。八合目から上は陽も当たり風もなく、登山者も多いので、ツボ足のルートがしっかりできている。ザイルでしっかり繋がっているパーティもいれば、軽アイゼンにストックの軽装もいる。板を担いでツボ足で上れば滑落の心配もないのだが、我々は最後までシール登行にこだわる。途中2回ほど休憩し、やっと山頂にたどり着く。
とうとうシールで上りきった。みな満足感でいっぱい。記念碑の前でにっこりと記念写真。スノーボーダーも上ってくる。火口にはシュプールがいくつも付いているのが見える。剣ヶ峰は次回に取っておき、シールを外していざ滑走開始。雪が固いので気を付けて滑る。10分もかからず3人と合流。大斜面に雲海がかぶり雲の中を泳げそうな風景。この下の雪質が最高だった。やや重めの降りたての雪だが、思った通りに曲がってくれる。壮大な斜面をみな自由に滑る。ヴォルフさんではないが、「ひゃっほー」と雄叫びを上げながら。しばらく滑ると雲海の中に入り、視界が悪くなる。視界の回復を待ち滑走再開。この辺から雪が重くなりやがてはグサグサの悪雪に。ただ曲がるのも苦労する。少し前のあの快適さはいずこ。途中から大坪さんは真っ直ぐ駐車場へ向かう。何度も転びながら避難小屋へ到着。荷物をまとめて駐車場へ下り山行終了となる。

 スキーで富士山は3回目であるが、季節・天候によって斜面の状態は千差万別である。気温が上がらず斜面が固いと非常に危険になるが、今回は天候に恵まれ雪もゆるみ風もほとんどなく山頂まで登ることができた。この時期天候さえ良ければ山頂に到達するのもそんなに難しくないと感じた。次回は剣ヶ峰まで上り火口を滑りたいものである。




※ルート図の赤実線は上り、青点線は滑走