2009年2月 志賀高原・笠ヶ岳〜山田牧場 会山行報告

2月14日(土)

志賀高原硯川バス停10:45…草津峠12:17〜44 ―四十八池14:00―前山スキー場14:55

明け方から降り始めた雨が強さを増し、霧も出て視界が悪く、絶望的な気分ではじまった。大坪さんとメンバーとで相談の上、当初横手山山頂から草津峠に抜けるつもりだったが予定を変更し、草津峠に近いリフトを上がることにする。
したくをしているうちに雨があがったが、リフトの終点につくと草津峠方面は霧の中。いきなりリーダー判断が求められる。霧の中を行く自信はないが、このままゲレンデに引き返すのもなんだかもったいない。行きたい気持ちと、やめたほうがいいんだろうか、という気持ちで、なかなか決められない。大坪さんに「視界は悪いが前が見えないほどではない」と助言いただき、ようやく行くことに決めた。
参加のみなさんに今回は私のリーダー修行におつきあいいただくことをご了承いただいた上で、視界が悪いのでメンバー同士が見えなくなるところには行かないようにお願いする。「見えなくなったら笛で知らせるなどしてください」と、釈迦に説法状態ながら注意をさせていただき、方向を確認して、いざ・・・。と思ったら、あれ??笛とコンパスがないことにはっと気づく。いつも入れてあるザックのポケットにない。そうだ!この前、サブザックに入れちゃったんだ!忘れていた!さーっと蒼ざめる。このまま何事もなかったように黙っていようかな、と頭をかすめるが、そういうわけにもいかず、小さい声で、「コンパスと笛、忘れました。。。」と...。「笛を吹くなりして」なんて、えらそうに言った直後で、かなりトホホな気分。いきなりリーダー失格だ。由布さんに後ろについてもらい、方向を指示していただくようお願いし、とりあえず北を目指して歩きはじめる。
右手に横手山から草津峠にぬける尾根があるはず、と思っているので、高いほうを右にみながらずんずん歩いていると、由布さんが「磁石の方向が狂っているかも」と声をかけてくれた。たまに磁場があって磁石が狂うことがあるそうだ。まっすぐが北だと思い込んでいるから磁石が違うということにして、さらに進む。すると、だんだん登り坂に。そこで合田さんと大坪さんが「登っているのはおかしい」と言ってくださり、位置を確認したらみごとに南を向いていた。いったいどこで方向転換しちゃったのかさっぱりわからない。どうやらさっき、由布さんが「磁石が違う」と言いはじめたところあたりで尾根を越えてしまったらしい。尾根に戻って再度方向を確認し、ようやく正しい方向に軌道修正、無事草津峠に出た。その頃にはすっかり霧もはれ、青空が広がりはじめ、鉢山の頂上が目の前に見えてきた。視界があるって助かるなあ、としみじみ実感。
鉢山の頂上を越え、四十八池を目指して滑降開始。が、雪が少なく、木々にはばまれて、なかなか進めない。あちこちにごろごろとアンモナイト状の雪のかたまりがころがっている。こんな光景が2月の志賀で見られるなんて。これではまるでゴールデンウィークだ。ほんとに地球は病んでいるのだろうか、と心配になった。この日は霧と木と方角との格闘で終了した。


2月15日(日) 天候:快晴 気温高し

熊の湯スキー場9:00…笠岳峠10:55〜11:20―山田牧場12:20―タコチコース12:25―山田温泉スキー場13:25

快晴。気温が高い。 山田温泉に入りたかったので、できるだけ早く出発することにする。が、なんだか頭が痛い。大坪さんがおつまみとブランデー、合田さんがワイン、と、おいしいものをご馳走になってしまい、どうやら飲みすぎた感じ。コンパスは忘れるわ、二日酔いだわ、では、冗談抜きでリーダー失格だ。なんとか朝風呂につかって目を覚まさせる。
この日は熊の湯スキー場から出発。よれよれしながらスタートをきったとたん、笠ヶ岳手前のコルに降りるルートを間違え、となりの沢に入ってしまう。みなさんすぐに気がついて正しいルートを行ってくれたので、先に降りた私がひとり階段歩きで沢越え。大汗かいて二日酔いもふっとんだ。
コルからシールをつけ、笠ヶ岳をトラバース。高度を下げずに進まないといけないが、ここでも木にはばまれてまっすぐ進めない。下に降りないように気をつけながら進むと、バッチリ目指す林道の上に出た。そこから峠の茶屋まではすぐ。茶屋の前で休憩し、方向を確認する。が、ここでもなぜか、山田牧場の方向を誤ってしまった。
大坪さんに修正していただき、正しい方向に進む。方向はなんとかわかったが、ルートがわからない。またしても木と笹にはばまれる。今度は左側が切れているので落ちないように必死だ。笹を踏んだらそのままざあっと下に落ちそうで、気をつけながら進む。かなりルートより高いところを進んでしまったようだ。傾斜が急で滑ることも難しい。ひたすら落ちないようにトラバース。今回は初心者講習も兼ねていたのに、参加してくださったのが心配のないメンバーだからよかったものの、ほんとうに初心者がいたらあのトラバースはかなり危なかったと思う。またしてもリーダー判断が問われていたんだなぁ、と反省。勉強になった。
ようやく山田牧場スキー場に出て、タコチコースに入る。こちらは一般スキーヤーやボーダーも滑れるように、標識がバッチリついていて迷う心配もない。雪がよければ快適だったろうと思うが、あいにくガリガリ。人が滑った跡がそのまま凍っているガタガタ斜面で滑りにくい。少し下に行くとようやくザラメになり、ようやく滑りやすくなった。
タコチコースは、ユニークな名前だが、整備された林間コースだ。林間コースといっても、ただの初心者用の迂回コースではなく、上級者も楽しめるように作られている。今回は悪雪の練習になってしまったのが残念だった。 反省点: なんと言っても、忘れ物をしたことは致命的。計画書が少々大雑把だったので、今後は細かく書き込んで、持ち物チェックを念入りにしたい。 地図読みがへたくそで、後ろに続くみなさんを迷走させてしまった。方向オンチ炸裂。改めて自覚した。等高線が高いか低いかわからない、など、基本もできていないありさま。ただ、視界の悪い中を地図をたよりに歩いてみたのは、たいへんいい経験になった。ルートどりが難しい。滑り降りるルートを間違えると、登り返しなど痛い目にあう。また、危ないトラバースをやらなければならないハメになるなど、苦労して体力がうばわれることになるので気をつけたい。 事故: 大坪さんの車を山田温泉において熊の湯にきていただいていた。その間に車上荒しにあってしまった。車2台で縦走などを計画される方もいると思うので注意が必要。今回はETCカード等もぬいてあり、車内の被害は缶ビール2本で済んだが、窓ガラスが割られてしまったのでガラスの被害が大きかった。

(記録:木村(ゆ))


志賀高原・笠ヶ岳〜山田牧場コース図