2009年4月 月山肘折 個人山行報告

日帰り山スキーでは日本最長?と言われる「月山肘折ルート」を避難小屋泊りで楽しもうという計画。
昨年悪天候で断念したので、今年はそのリベンジである。

4月18日(土) 天候:晴れ

弓張平オートキャンプ場0800=0820姥沢駐車場0850・・リフト乗場0905=0920リフト降り場(1510m)0930・・0955姥ヶ岳(1669m)1020--1025西俣沢(1480m)1045・・1130月山南尾根(1850m)1150・・1225月山神社(1979m)1310?-1320月見ヶ原(1800m)1325・・1350月山頂上(1984m)1410?-1430清川行人小屋(1360m)


昨夜は深井の遅刻により赤羽駅出発が30分遅れてしまった。しかも姥沢まで行こうとしたところ、志津の先で凍結の為夜間通行止めの立て札!チェーンに鍵も掛けられている。通行止めの時間は19時から7時まで。これでは前日入りしないと一気抜けは不可能だ。やむなく少し戻り弓張平オートキャンプ場の奥にスペースを見つける。同じことを考えるもので、先客もいた。さすがに遅く、宴会後早々に就寝。  6時に起床し、テント撤収の後各自で朝食。今日は快晴、天気予報では明日も晴れ。雨が続いた今週だが、山行中だけ天気が良いのは皆の日頃の行いか。
 姥沢駐車場はけっこう車が入っている。駐車料金は1回1000円。駐車場からリフト乗場まで1kmほど歩く。春の陽気ですでに汗が出る。リフト代は560円。リフト降り場からはシールをつけて姥ヶ岳へ登る。多くの人がツボ足や、スノーシュー、シールなど好きな方法で登っている。30分程で着いた頂上では、白く浮かんだ鳥海山が出迎える。海に浮かぶのは佐渡だろうか?
 景色をゆっくり楽しんだ後、西俣沢に向け快適なザラメのバーンを滑り降りる。沢床からはシールをつけ南西尾根を登る。下から見るとかなりの急斜面に見えるが、シールも効きペース良く登れる。斜度が緩くなる1850m手前で雪が切れハイマツの上を少し歩く。ここからは緩やかな登りだが風が強くなる。月山神社の脇で風を避けながら大休止。昼食後、空身で山頂から月見ヶ原へ東に標高差180m程滑る。ここも適度な傾斜、フラットなザラメで気持ち良い。サクッと登り返し、ザックにシールを仕舞い、今度は南へ。所々シュカブラ跡の溝があるが、柔らかくて滑るには問題ない。月山ローカルのリーダーの先導で快適なルート取り。今日のザラメでは、緩斜面も中斜面も快適である。20分ほどで清川行人小屋へ到着。小屋手前の斜面には少し雪庇があるので右から廻りこんだ。
 小屋は大きく、窓が多く開放的で、毛布、布団、ストーブもある。奥には風呂場もある。周りの景色も良く、滑ってきたシュプールも見える。高松宮様が夏スキーをする為に1955年に作られたらしい。寝不足の深井は小屋に残り、他3人で清川を下り岩魚釣りに行く。17時過ぎに岩魚1匹を釣り、帰ってきた。
 時々風が窓を揺らすが、ストーブの暖で快適である。水も外のパイプから出ている。今日は我々の貸切りだ。夕食は藤澤シェフの水菜と蛸・海老のサラダ、キノコのソテー、それに石黒釣り師の岩魚のソテーが加わる。メインはシェフ自慢のタイカレー。酒も進み、9時半にはリーダー、サブリーダー共に寝てしまった。


4月19日(日) 天候:晴れ

清川行人小屋(1360m)0620・・0655小ピーク(1331m)0710--千本松山(1255m)0725--0740念仏ヶ原(1060m)0750・・0805念仏小屋(1090m)0815・・0910小岳(1225m)0935--0950赤沢川出合(900m)1005・・1020小ピーク(978m)1040--1055猫又沢上(750m)1105--1120沼付近(650m)1150・・1230大森山(790m)1250--林道出合(540m)1315--学校(340m)1400・・1425いでゆ(290m)1515=姥沢駐車場1730=2250赤羽駅


4時半起床、こんなに熟睡したのは久しぶりだ。コーヒーを飲んでいる間に、シェフが手際よくスープとパスタを作ってくれる。小屋の中は携帯もつながる。天気予報は晴れ。小屋の掃除をして、使用料千円を箱に入れ、小屋を後にする。
 シールを着け、少ない雪をつなげて稜線を行く。1331m小ピークでシールを外し、しばしの滑降。千本松山手前をツボ足で登り、30分程で念仏ヶ原に出る。思いの外早い。ここからまたシールを着け、広々とした雪原をのんびり歩く。この辺は山深く、雪の上には熊の足跡らしきものも見える。念仏小屋は小さいがきれいである。昨日は誰も泊まっていないようだ。小屋前には先週末の宴会テーブルの跡がある。
 ここからは再び尾根に上がり稜線を行く。小岳に近づくと東側には雪庇、クラックがある。この辺は西側から巻いた方が良いかもしれない。小岳で小休止。うしろには遠く離れてしまった千本松山が見える。その右手には大きく姿を見せる月山。月山はここから見ても、どこでも滑れそうな山スキー向きの山である。再びシールを外して快適な滑降。特に赤沢川の支流に入ってからは太いブナの林の中で気持ちよい。赤沢川を渡ると再びシールを着け沢筋を登る。稜線に出て再び滑降。左に赤砂山を見てわずかな下りで猫又沢へ降りる。左岸にツボ足で登り、尾根に乗り換える。この辺が分かりづらい。ここから通常は尾根の左側をトラバースするが今年は雪が少なく無理である。やむなくわずかな下りを求めて沼の脇を進む。大森山のコルに近づいた所で昼食休憩。この辺も気持ちのよいブナ林だ。
 シールをつけて登り始めるが、コルからは雪付きも悪い急斜面のためツボ足で登る。大森山山頂からは遠くに肘折の街が見える。ここでシールを外し、あとは滑るだけ、と思ったら東尾根を気持ちよく下りすぎてしまいトラバース。この辺からザラメも重くなってくる。南向き斜面は雪がまったく無いので、東斜面の雪をつないで林道に降りる。林道は緩やかな登り。ベタ雪なのでシール無しでも歩ける。下りでは雪が少なくショートカットはほとんど出来ない。朝日台手前からは林道は除雪されているので、道路脇の雪を拾いながら小学校の裏にでる。
 ここからは板を担いで歩く。何人かの人にどこから来たのか、何時に月山を出たのか聞かれる。しまいには橋の上でパトカーが脇に止まり、駐在さんが同じ事を聞く。一気抜けにしては早い時間と思うのかもしれないが、のどかなものである。その辺にこのコースの良さがあるのかもしれない。嫌になるほど歩き、いでゆ館に着く。公共の日帰り温泉だが、少し茶色がかった良い湯である。入浴料350円も安い。その上、週末限定の栃餅120円も美味しく2つも食べてしまった。湯から出たあと、来ていただいた室岡さんのお兄さんに姥沢まで送ってもらう。車でも2時間はかかるので、本当にありがたい。姥沢で荷物をまとめ急いで帰路に着く。
 快晴の2日間、充実した山行でした。リーダー他メンバーの皆さん、姥沢へ送っていただいた室岡さんのお兄さん、情報を頂いた西川山岳会の柴田さん、ありがとうございました。

(深井 記)