2010年2月 八幡平・裏岩手山 山行報告

2月11(木) 三ッ石山 天候:曇り

テン場0930…松川荘0940〜1000…三ッ石山荘1300〜1340…三ッ石山1415〜1430−三ッ沼1450−湯ノ沢(橋)1600−1615テン場

昨夜は東京を20時に出て、松川温泉到着は3時過ぎだった。寝酒を飲んでから寝たので、仮眠は3時間ほど。少し眠いなか、テン場を出発。
 うっすら雪が載ったアイスバーンの道路をテン場から松川荘まで板を担いで下る。今日一番の危険箇所?だ。松川荘でシールを着け、尾根に取り付く。しばらく沢を絡めながら急な尾根を登っていく。9日であろうか、雨が降ったという上に積もった新雪はほんのわずかで、アップダウンのある尾根を所々クライマーズライトに巻きながら登る。1100mからは傾斜も緩くなり林間の歩きやすい所を登る。
 1280mで急に方向を東に変える。沢を避けるためとのことだが、沢は見えず?少し標高を上げてから西に向かう。少しすると立派なテラス付きの三ッ石山荘に着く。中で湯を沸かし昼食のカップラーメンを食べる。  山荘からは三ッ石山に向かって登る。先ほどすれ違った山スキーヤーの滑ったあとが気持ちよさそうに見える。しかし登り始めると、雨のものだろうか硬いクラストの上にほんのわずか新雪が乗り、とても登りづらい。なるべくジグを切らずに登る。風で雪が飛ばされ、シュカブラとなった山頂に到着。風がないのが何よりもありがたい。シールを取り、さて滑り出すがとても気持ちよくとはいかない。しばらくは我慢の移動である。
 三ッ沼を過ぎ、尾根に乗るあたりからようやくスキーを楽しめる。リーダーのコース取りで北の沢に入る。楽しめる斜面もあるが、木が密なところも多い。湯ノ沢に入らないように一つ東の沢を滑り、林道出合で橋を渡る。あとは林道をわずかに上り下りしながら、テン場へ。テン場に着いてから、歩いて峡雲荘(ぎょううんそう)の温泉に入りに行く。日帰り入浴は500円だが、とても良い湯で気持ちいい。特に程よく雪が舞っている露天風呂は最高だった。

(記録:深井)


三石山をバックに



1日目のルート


2月12日(金) 源太ヶ岳 天候:曇り時々小雪

テント8:40…登山道9:15〜9:20…上倉沼南1146ピーク手前9:55〜10:10…山頂手前標高1380m付近11:15〜11:40…源太ヶ岳1545m12:20〜12:45−東南尾根滑走−東南尾根1270m付近13:00〜13:25…東南尾根1430m付近14:10〜14:20−東斜面滑走−林道出合15:10〜15:20−テント15:30

 深井さんは膝の調子が思わしくないということでテントで待機。朝食後テントを出発する。トレースのない林道をしばらく歩き、丸森川を越えた先のあまり顕著ではない沢筋から登り出す。木に赤布が着いているので分かりやすい。昨夜の雪でくるぶし程度のラッセル。先頭を交代しながら登り、上倉沼の南側1146ピークの手前で休憩。風は比較的穏やかだ。途中、深井さんから無線連絡が入り、要所要所で連絡を取り合う。ひと登りで尾根に出てその後斜面はやや緩やかになる。大木の樹林帯を抜け、源太ヶ岳手前1380mで休憩。曇ってはいるがオープンバーンの山頂がはっきりと見える。一昨年は視界が悪い中この急斜面をトラバースした。以前雪崩れたこともあり見るからにいやらしい斜面だ。木がまばらに生えている北側の尾根に回り込み山頂を目指す。所々シュカブラができクラストしているがクトーを使うまでもなく山頂に到着。
 風もほとんどないのでゆっくりとシールをはがし滑走準備。東斜面から滑り出し東南尾根に入る。膝下程度の新雪で広いオープンバーンの尾根を雪煙を飛ばしながら皆気持ちよく滑る。標高差250m程滑り1270m付近でシールを着けて登り返す。尾根伝いに登り少し東側の斜面に入り1430m付近の木が数本生えている所をドロップポイントとしシールを外す。
 2回目は広い東斜面を撮影しながら滑る。みな声を上げながら楽しそうだ。なぜか新雪を快適に滑ると自然に声が出るようである。滑った先から目を上げると岩手山がどっしりと構えている。高校時代は天気がよければ教室の窓から見えていた山であるが、逆側にあたるこちらの方向からはまた違った趣がある。沢筋を左側にトラバースし、1146ピークの南側から上りのルートを横切り林道に滑り降りる。テントにもどり昨日と同じ峡雲荘で汗を流し宴会となる。

(記録:藤澤)


源太ヶ岳東南尾根を滑る



赤:2日目、青:4日目


2月13日(土) 安比高原スキー場〜茶臼岳〜御在所温泉 天候:晴れ時々小雪

松川温泉テント場7:00=安比高原スキー場7:40〜8:10=西森山ゲレンデトップ1300m付近9:00〜9:10−南東沢筋1150m付近9:35〜9:50…ツアーコース尾根筋10:15…標高1270mピーク付近10:30〜10:35…大黒森11:40〜11:55…恵比寿森12:25…茶臼山荘13:00〜13:40…茶臼岳1578m13:50〜14:15−山頂東沢標高1400m付近14:25〜14:35…標高1448mピーク付近14:55〜15:10−御在所温泉950m付近15:35〜16:10=安比高原スキー場16:50〜17:05=松川温泉テント場17:45

 車でテント場を出発。安比高原スキー場に移動する。このスキー場は20年以上前に一度滑った以来である。深井さんは本日もお休みだが、安比まで車を運転していただき感謝。営業直後のゴンドラに乗る。ゴンドラは8:00から営業だが西森リフトは9:00からの営業ということで、ゴンドラ山頂駅でしばらく待機。西森リフトの稼働を待って西森山へ移動する。朝日が当たり青空が広がる。
 ここから茶臼岳方面へのツアーコースは大きな案内板もあるが、時間に余裕もあるし、普通に尾根をたどったのではおもしろくないので、朝一番の雪質のいい時間に東南方面を滑る。出だしは細い木が密だが、隙間から滑り込むと比較的疎林で雪の量・質とも良好で滑りやすい。それぞれ笑顔で快適に1150m付近まで滑る。いつもの事ながら室岡さんのコース選びは滑っていて楽しい。シールを着けて尾根のツアーコースに向けて西側に登り返す。尾根付近で先行者のトレースに合流する。1270mピークを左から巻きコル付近で一休み。屋棟岳は右側を巻き、大黒森で一休みする。ここは営業休止している八幡平スキー場のトップである。休んでいるうちに雲が出てきて少し寒くなったので早々に切り上げる。恵比寿森の山頂を経由し茶臼山荘手前で対向者と出会う。一昨日松川温泉のテント場で会った人でトレースがないので源太ヶ岳をあきらめた男性である。茶臼岳方面の情報を聞き先へ進む。
  ほどなく山荘到着。きれいな小屋で誰もいない。お湯を沸かしカップラーメンと昨夜女性陣が作ってくれたいなり寿司で昼食とする。その後屋棟岳手前ぐらいで追い越したスキーヤー3人が入ってくる。しばらくして出発。リーダーの了解を得て私だけ茶臼岳山頂へ向かう。他はドロップポイントへ向いピットを掘る。山頂はやや強いが暖かい風で寒くはなかった。シールをはがし一滑りで他のメンバーと合流。東側のノートラックオープンバーンを順番に滑走する。樹林帯に入り1400m付近まで滑り、シールで登り返す。1448mピーク手前のコルで尾根に乗る。茶臼山頂もそうだったがなぜか下より稜線の方が暖かい。西側から暖かい風が吹いているようだ。
 1448mピークを過ぎた当たりでシールをはがす。茶臼山荘で会った3人が追いつくが、先に滑らせてもらう。広い斜面を滑り1360mピーク手前の沢筋から1070mピーク付近で恵比寿沢に入る。林道に合流して八幡平スキー場の御在所温泉に到着する。手配していたジャンボタクシーを呼び安比高原スキー場に戻るが、途中の松尾八幡平ビジターセンター付近まで深井さんに車で来てもらい、深井車組はそこから松川温泉に戻る。残りは安比スキー場まで行き松川温泉に戻った。3日目は車で松川荘に行き入浴する。

(記録:藤澤)


茶臼小屋にて


3日目のルート

2月14日(日) 源太ヶ岳 天候:曇り時々晴れ

テント7:10…登山道7:35〜7:45…標高1220m付近8:35〜8:45…山頂手前標高1400m付近9:25〜9:35…源太ヶ岳東1470m付近9:50〜10:05−東尾根滑走−東南尾根1260m付近10:15〜10:25−標高1010m付近10:40〜10:50…標高1040m付近11:05〜11:15−林道出合11:25−テント11:30

 下山後帰京しなければならないので皆で相談の結果、近場で雪質も良さそうな源太ヶ岳に行くことにする。余裕を持って早めに行動。今日は中川さんも不安な膝の大事を取ってテント場で待機。5人で出発し、テント撤収などは待機組にお願いした。  今日はトレースがあるので借りる。尾根に取り付いてしばらく登ると2人組の山スキーヤーを追い越す。ラッセルが始まるがくるぶし付近なのでそんなに労力はいらない。一昨日より1つ東側の尾根を登る。1146mピークを過ぎたあたりから風が強くなる。風が当たらない所を選び1220m付近で休憩。急斜面を過ぎ樹林が密になると風も弱くなる。一昨日のトレースがほのかに残る。樹林帯を抜け、時折ガスが晴れると源太ヶ岳山頂が迫る1400m付近の独立樹の下で山頂に気を配りながら休憩。ほぼ夏道のルートを1470m付近まで登りドロップポイントとする。  一昨日より北側のオープンバーンを東側へ滑り込む。2日間で積もった新雪で今回も快適。振り返るとみんなのシュプールがきれいに残る。その後一昨日よりは右側の沢筋に入る。少し下りすぎたので1010m付近でシールを着けて登り返す。ほぼ平行移動で一昨日の登りのトレースに合流した1040m付近で滑り出す。林道を経由してテント場の車に到着。深井さんと中川さんの待つ峡雲荘に移動し入浴後帰京する。  食事はメインを食当が準備し、それ以外はつまみを持参する。3回の夕食は、塩茹でスナックエンドウ、ウドとセリと蛍烏賊の味噌和え、ウドの金平、牡蠣のオイル炒め、炙り鰹と春菊のサラダ、リンゴのサラダ、豆乳鍋、ほうとう風鍋、寄せ鍋。朝食は鍋の残りでの雑炊やうどん、とバラエティーに富んでいた。

(記録:藤澤)

《反省・課題・その他》

* 今回は快晴の中最高の雪質での滑走でした。そのかわり?寒すぎてよく眠れなかったので、就寝時の寒さ対策を考えねばと思いました。(清水)
* 2年連続で行きましたが、この一帯は雪質・スロープ・ベース天場などに恵まれ、知られざる山スキー適地です。源太ヵ岳の東面には滑りたいラインがまだ沢山あります。(直井)
* 数えて3回目の「八幡平・裏岩手」。今回が一番良かった。反省点は特になし。天候も味方してくれ毎日パウダースキーを愉しむことができた。源太ヶ岳は滑りたかったラインを3回目でやっと滑れた気がしている。次回の課題は安比の西森山東南斜面。

(室岡記)