2012年5月 鳥海山 個人山行報告

5月19日(土) 天候:晴れ

祓川8:45−七ッ釜小屋9:50−七高山11:40− 唐獅子平小屋 12:40−登り返し(2100m)14:30−祓川15:40

 前夜に東京を出て、矢島スキー場の駐車場で仮眠後、仙台からいらっしゃる室岡さんと祓川の駐車場で8時過ぎに合流する。GWの悪天候とはうってかわって朝から晴れて天気がよい。新緑も本当にきれい。猪俣さんが膝の調子が悪いということで駐車場に残られ、4人で登りはじめる。5月の中旬も過ぎ、出だし少し雪がきれて藪が出ているところがあるが、スキーを脱がずに登れる箇所にたくさんのトレースがついている。七ッ釜小屋まで快適に登ることができた。
 七ッ釜小屋で休憩後は少し風が強くなったが、暑くなくてちょうどいいくらいの風で、七高山まですんなり登ることができた。頂上付近にはすでに雪がないので、スキーをぬいで外輪のふちまで行って、新山方面を眺める。新山に下りる斜面にも雪がついていないが、千蛇谷はさすがに雪がたくさんあった。東斜面のすべりだし地点まで、スキーをかついで移動し、唐獅子平小屋まで一気に滑る。雨溝もなく、きれいな雪面だった。最初少しターンしにくい違和感があったが、すぐに滑りやすくなった(中川には微妙な差異を説明する語彙がない・・・・)。
 小屋で30分ほど休憩したのち、滑ってきたラインより北側を七高山に向けて登り返す。1900mの手前辺りで、祓川から登ってきたルートに戻るため浅い沢をトラバースしながらさらに北側の尾根に移動する。時間的に山頂まで戻るのが厳しくなってきたので、登り返しは14時半までと決めて、そのまま尾根を行く。めいめいの最終登り返し地点でシールをとって滑り出す。登ってきたルートはたくさんの人が滑っているのと、斜面を斜めに滑るのがもったいないので、1600m辺りまでまっすぐに(北東向きに)滑っておりた。かなり東に来てしまっているので、メインルートに合流するために北西方向に移動し、沢をこえて祓川に戻る。最後はルートを西に行き過ぎたようで雪が切れているところで少し迷う場面もあった。
 ブルーラインのゲートが17:00にしまるので、急いで鉾立山荘に向かう。16:50にゲートを通過して、大平山荘でお風呂に入る。鉾立山荘で海に沈む夕日を見ながら外で乾杯後、猪俣さん、清水さんがつくってくださったおいしいおつまみと鍋で宴会。




5月20日(日) 天候:晴れ

大平6:45−御浜小屋8:45−文殊岳を少し先(2020m)11:00− 千畳ヶ原(1460m)11:50−御浜小屋からの稜線13:15−大平14:00

 鉾立山荘と大平山荘のあいだの駐車スペースに車を停めて登りだす。少し急な斜面を登ると、広くてゆるやかな斜面となり、旗のたった登山道沿いに進む。通常は御浜小屋へは登山道沿いに向かうが、雪が切れているので1570m付近で一旦北にゆるやかにトラバースして雪の着いていた象潟口からの登山道を通り御浜小屋を通過する。御浜小屋を越えるとすぐに雪がなくなってしまったので、扇子森の1759mにはスキーをかついで登り、1692mのコルまで歩いておりて休憩。結局、1750mくらいまでスキーをかついだ。やっと雪が出てきたのでその後は文殊岳まではシールで登れたが、登りきった稜線にはまた雪が全然ないので、滑り出し地点までスキーをかついで移動する。
 思いのほか時間がかかってしまったので、伏拝岳から滑って文殊岳に登りかえす予定を変更し、文殊岳から少し伏拝岳よりに進んだ、雪のある一番高いところまで行って、千畳ヶ原まで滑って鳥海湖から帰ることになった。気持ちがよいので30分ほど休憩したのち、西方向に滑り出す。雪がとてもよい! 快適に千畳ヶ原1460mくらいまで一気に滑ってしまう。千畳ヶ原で笙ガ岳を滑っている人たちを見ながらお昼を食べた。
 ゆっくり休憩したのち、シールをつけて御浜神社のある尾根を目指して北西方向に登り返す。雪が切れて藪になっているところを避けつつ、鳥海湖を目指していると、先頭の中川が鳥海湖手前の斜面を登らずに鍋森を通過してしまい、鳥海湖の南西下の急斜面を室岡さんにトラバースしてもらうはめになってしまった。結果的には登り返しの少ない最短ルートを来れた形になったが、雪がゆるんでいるこの時期でないと難しいルートだった。室岡さん、困難な先頭を行ってくださり、ありがとうございました。
 安全な稜線に出て、滑ってきた斜面をバックに写真撮影したのち、雪が切れている部分を少しだけ歩いて、来たルートを目指して滑りだす。海に向かって滑る斜面は何度きてもすばらしい。飛島が海に浮かんでいるのがよく見えた。タイムリミットと設定していた14時ちょうどに駐車スペースに帰着すると、猪俣さんがノンアルコールビールを雪の中に埋めて待っていてくださっていた! とても冷えていて感動的においしい! ありがとうございます。

 吹浦の「アポン西浜」の温泉に入って、室岡さんと別れ、帰京する。

(中川 記)