2013年3月 妙高三田原山〜澄川〜容雅山 山行報告

3月15日(金)

石黒、藤澤、上林の3名は石黒車で妙高へ。午前1時過ぎにランドマーク妙高に到着して軽く宴会をして就寝。シーズン終わりに近づき、仮眠室はかなり空いていた。


3月16日(土) 天候:晴れ

9:30 妙高杉の原スキー場リフト終点---10:40 三田原山稜線---11:55 滑走開始---13:30 高谷池ヒュッテ


ゴール地点である菅沼新田の最終除雪地点で深井さんと合流し、石黒車をデポして深井車で妙高杉の原スキー場に向かう。この時期 花粉症患者にとっては戦々恐々とする名前のスキー場だが、まだほとんど花粉が飛んでおらずホッとした。
8時過ぎのゴンドラに乗り、三田原第3高速リフトに乗ろうとしたら、運転開始が1時間後の9時半との事。スキー場をシールで登る事も検討したが時間的・体力的にメリットがないで運転開始まで待つことにした。係員にプレッシャーをかけたわけではないが、9時頃から運転開始となり スキー場最上部に移動。ここでシールを着けて登る準備をしていると、なんとランドネ東海支部の土屋氏と小久保氏が登場。今日は我々と同じ行程で高谷池ヒュッテに行くという事で、以後同じルートを前後しながら行動する。
登り始めは風も無くて暑いくらいだったが、高度を上げるにつれて徐々に風が出始め斜面も硬くなりクトーを付けて登る。上部はかなり強い風が吹いていた。稜線に到着して目の前に聳え立つ妙高本峰を拝み、西側に広がる北アルプスの素晴らしい景色を堪能するがともかく風が強くてうんざりする。


三田原山の稜線から目の前にそびえる妙高本峰

三田原山のピークはバイパスして滑走開始。稜線上の斜面はカチカチで慎重に滑るが、黒沢に向かう沢はクラストした斜面の上にうっすらと雪の乗っており少しだけ滑りやすくなる。しかし広い風の通り道である黒沢に出たとたん、氷と風で吹き溜まった雪のミックスのガタガタで最低の状態となった。疲れたので強い風が吹く中 休憩を取り、再びシールを着けて登るが昨晩睡眠不足のせいか体が重い。下りながら樹林帯を回り込むと高谷池ヒュッテが見えて安心した。
高谷池ヒュッテは先着パーティーがランドネ以外に2つ。布団が20組あるので今夜は布団を使用して暖かく寝られそうだ。もちろん布団が無い時のために、各自シュラフやマットは用意しているが、今回は使用せずに終わった。まだ時間が早いが強風の中外で行動する気がしないので、そのまま まったりして16時頃から夕食の支度。全員 山中泊は今シーズン初めてで、重い重いと言いながらかついだザックから出てくる酒・食材の量にびっくり。質素な東海支部におすそわけをして、6人で楽しい夜を過ごした。22時頃就寝。


1日目のGPSドラック図


3月17日(日) 天候:晴れ

6:50 高谷池ヒュッテ---8:00 火打山コル(2300m)---8:30 滑走開始---10:05 登り返し(960m)---12:10 容雅山山頂(1498m)---13:40 澄川合流---14:45 発電所---16:10菅沼新田 車デポ地点

夜中中強風が吹き荒れていたようだが知らずにぐっすり寝て5時起床。朝食の準備をしていると日が昇り、外の山がピンク色に染まる。各自個食の朝食を食べて予定より少し遅れて出発。高谷池ヒュッテから天狗の庭を経て火打山への取り付き点から登り始めるが、すぐに斜面が硬くなりクトーを付ける。硬い斜面にクトーが良く効き、斜度の緩い所を選んで慎重に登って火打山のコルに到着。時折強い風が吹くが、昨日のように吹きっぱなしではないので、ずいぶんましだ。快晴で素晴らしい展望。北アルプスの峰々が手に取るように見える。


火打山コルから見た北アルプス

シールを剥がし、写真を撮って澄川源流を滑走開始。思っていたよりずっと広い斜面で斜度もそれ程きつくない。硬いクラスとした斜面の上に風に飛ばされた新雪が数cm積もり、部分的にアイスバーンがあるものの かなり快適な斜面だ。動画撮影をしながらどんどん滑って降りる。デブリも新しい物はほとんど無く、先頭を交代しながらどんどん降りる。
容雅山に登り返す予定の尾根はやせ尾根で、尾根の下にはクラックが無数に入っているため登れる気がしないため、予定の地点より下った 標高960m付近から登り返し、途中で滑走する予定の北桑沢の手前の尾根までトラバースして 不要な荷物を尾根上の木の根元などにデポして身軽になって山頂を目指す。細い尾根だが雪庇も無く快調に登り、快晴の中 容雅山の山頂に到着した。はるか彼方 標高800m高い所に滑り出した火打山のコルが見え、あそこから滑って登り返してここまで来たのかと思うと感無量だ。しばらく360度 遮る物の無い素晴らしい景観を楽しんで滑走開始。
まずは荷物のデポ地点までだが案の定降り過ぎて少し登り返す。標高が下がり気温も上がったので雪はかなり重くなった。荷物を再びパッキングして北桑沢を滑走。雪は重いが広くて滑りやすい斜面をどんどん下り、あっという間に標高690mの澄川との合流地点。スキーを脱いで渡渉する覚悟でいたが、雪はたっぷりで問題なく右岸に渡ってシールを着けて一段上の台地まで登る。シールを剥がして発電所の導水管にぶつかるまでヒールフリーで歩き、発電所までの急な斜面を滑って降りて、吊橋を渡る予定だったが ここもスノーブリッジを渡って再びシールを着けて林道まで登り返す。ここからはシールを外してヒールフリーでひたすら林道を進む。予想していたよりスキーが滑り、1時間程度でゴールの菅沼新田の最終除雪地点に到着した。林道沿いにずっと杉の林が続き、くしゃみと鼻水の連発に襲われて苦しかった。

初日は強風と硬い雪に苦しめられたが、2日目に報われた 久しぶりに骨のある素晴らしい山行だった。

(上林 記)


2日目のGPSトラック図