2014年1月 鍋倉山 山行報告

1月18日(土) 天候:晴れ(薄日程度)

温井8:30…小屋9:22〜9:32…鍋倉山頂11:25〜12:30−標高1090m付近12:45〜13;00…鍋倉山頂13:35〜14:20−15:20温井

 藤澤車と木村車は、本日の宿リフレ・イン福沢に前泊。朝、宿の駐車場で斯波車と合流後、8時に温井集落はずれの除雪終了地点で佐藤車と合流し、全車集合となった。ビーコンの捜索モードと発信モードをチェツクしルート調査担当の安藤さんを先頭にご意見番役のSLが続く。先行者がありブーツが潜る程度のトレースがある。風も無く暖かであり、林道に出た地点及び小屋の前で着衣を調整し、尾根に取り付いた。朝霧が雲海のように広がり、ブナの小枝についた新雪が青空に美しい。800m付近で赤坂さんのパーティを含む先行者約10名に追いつき1000m付近でラッセルを交代する。ゲストを含め全員でラッセルしブナ林のなか高度を上げ、鍋倉山頂に到着する。後続パーティも次々に到着するが、安藤さんの姿が見えずかなり遅れて到着した。カゼぎみで体調不良とのこと。山頂は小広く北側が大きくひらけ上越市方面が望める。山頂直下の北面でSLがピットを掘り、その間他パーティが次々に滑りはじめた。Lを先頭に滑走を開始、小さな雪崩があったとのこと。まずまずの新雪で、ブナの大木がほど良い間隔で快適に滑る。1090m付近でシールを張り、先行者のトレースを使い鍋倉山頂に登り返す。体調不良の安藤さんが遅れ、無線連絡では状況が分からず皆不安になるが、やがて到着皆安堵する。一回目より黒倉寄りにシュプールのない斜面がありそちらを滑ることとする。Lが先頭に滑り、続いて一人ずつ二番三番四番手が滑ったがそれぞれ雪崩を誘発した。上からは雪崩が確認できず、SLから木のある所を滑るよう指示が出る。デフリはLの近くまで達していたが全員無事ブナの大木がある安全地帯まで滑り降りた。その後は、尾根沿いに谷近くをトラバースし、小屋から朝の道を温井へ戻った。
 猪俣さんが探したリフレ・イン福沢は、戸狩スキーの直ぐ近くの民宿で一泊二食5700円プラス前泊は8750円で食事もボリュームがあり、二人に一本ビールのサービス付。湯は時間制限があるが温泉でした。(佐藤 記)


1月19日(日) 天候:薄曇り時々小雪

温井9:00…小屋9:54…標高約900mの雪崩地点10:56〜11:30−小屋13:00−車14:15

 雪は17日に続き18日の夜も約50cm降る。
計画では黒倉山に行く予定であったがこの降雪で同山の北斜面を滑るのは危険と判断し中止。メンバ−で種々検討し本日は鍋倉山に行き安全と思われる尾根筋を滑る事とする。それも状況を見て頂上迄は行かず途中で戻る事もありえる。
メンバ−は藤澤(L)、木村(SL)、猪俣、佐藤、野村、大西し、大西ヴ、鈴木(記録)。 
安藤とゲスト斯波は各々の事情により山に行かず別行動でゲレンデに行く。

 いつもの様にビーコンチェックを行い出発、上はまだ雪が降っているのかぼんやりしている。既にトレースがあるがそこに雪が少々積もっている、それを辿った所なんと途中でUターンしている、そこから別のトレース迄ラッセルをする。
 メンバーの知人の小屋の先からは急斜面となり沢筋に向かっていると思われたトレースを離れ尾根筋にコースを変える。明らかに昨日よりラッセルがきつい、積雪量が多くトレースを少しでも外すと板が沈んでしまいバランスが取れずよろける又ストックを刺しても雪が柔らかく潜ってしまい力を入れられず登り難い事甚だしい。途中のオープンバーンや雪崩地形では間隔を空けて危険を避ける。
 約900m地点迄来ると積雪と傾斜の為更に登り難くなり尾根筋を避け沢状地形に向かう。
リーダーの次に歩いていたが何の不安も感じ無かった。沢状地形の上端部でほんの少しそこを通過すれば尾根に出られる。ただ下端部で入ったならば上を見上げて危ないと判断する地形であった。
 コース取りを考えて斜面を見ていると目の前2m位上の雪面が動くアレと思ったらもう足元が動き出し流される。その時リーダーは真横2m位にいた。最初は足からだったが、直ぐに頭が先になり腹ばいのカエル状態で流れて行く。泳げば良いと読んでいたがそんな事は出来ない、止まっていれば別だが流されていては力が入らない。途中ブッシュが腕に当たり掴もうとしたが掴めない、手を開いた為ストックが流される。雪は頭の上を追い越して行く、ヘルメットを被っていたのでその上を流れ、ヘルメットが庇の代わりになり顔には来ない、呼吸は問題ない。それでも時々目の前が雪で視界が暗くなり埋まるかなと思った瞬間もあった。
 約30m位流されて止まり直ぐに立ち上がり流止めを外し立ち上がる。リーダーは私より上5〜6mに膝迄埋まっている。足が動かせないらしくスキーを外してくれと言っている。
私が着くより先に木村さんが傍に行き掘り出しスキーを外す。足が痛い痛いと言っている。
雪崩は推測で幅20m、長さ50m、破断面高さ50cm 下の写真が現場です。



これで行動中止下山となる。
 リーダーは足の負傷により滑れず又キックターンも出来ない事が分かり横滑りで降りられるよう幅の広いトレースを作る為全員で階段降りをする。リーダーの荷物も他の人が持つ。先頭が階段降りを始も私もその場所に行こうと尾根筋を移動していると尾根を挟んで雪崩の起きた斜面の反対斜面でも同規模の雪崩が発生。幸い尾根にいるので何の影響も無い。
 3時間少々で車迄着く、斜面の階段降りはさほどでもなかったが林道のラッセルがきつい、シールを着けてヴォルフが活躍。サブリーダーの指示のもとテキパキと又皆の自主的な行動でスムースな撤退であった。



これは18日の滑走中に起きた雪崩の写真です。明確に破断面が見えます。
19日の雪崩も同じ破断面の高さでした。雪崩の位置は標高約900m地点です。


矢印が雪崩の位置

(鈴木 記)