2014年2月 創立30周年記念山行(白馬) 山行報告


ラ・ランドネ創立 30 周年を記念して、白馬山域でのスキー山行とゲレンデ自由滑走の二本立て行事が開催された。参加者は 9 名と少なく寂しい気もしたが、少人数で和気藹々とした雰囲気の記念行事となり、交流を深めながら皆それぞれに楽しんだ。

2月22日(土) 天候:晴れ一時曇り

行程 : 栂池スキー場―鵯峰〜親沢〜白馬乗鞍スキー場
参加者 : 石黒( L)、守谷(SL)、合田、清水、小久保、角田、中館(記録) 合計 7 名


小雪舞う中、栂池スキー場のゴンドラに乗り、09:02 シールを付けて、相変わらずリフトが動いていないスキー場の最上部斜面に取り付き、林道に出て早大小屋へと向かう。
30 分あまりで早大小屋に到着し、弱層テスト等で 20 分程してから、鵯峰への急斜面に取り付く。以前来た時の様な深雪ではなくてラッセルにはならず、時間は余り掛からなかったが、急斜面を直登に近いルートでガンガン登って行く石黒リーダーの後には、スリップする人も続出し、とてもついては行けず、途中から、傾斜を緩く取ったトレースを拾ったり、トレースを外したりして、何とか登高した。早大小屋から 30分掛からずピークに到着し、ラッセルに終始した前回との落差を感じた。
山頂で 30 分強の大休憩の後、11 時前に北北東の親沢へ向けて滑降開始。登高にはラッセルは殆ど無かったのに、沢筋は所々クラストはあるものの、そこそこ深雪も楽しめた。トップは石黒 L と守谷 SL が交代で務め、石黒 L はビデオ撮影もしてくれた。
シールを付けて若栗の頭へ登り返し、再びシールを外して滑降、途中、沢状の緩斜面で、中館が転倒していたのを避けて対岸に行った合田さんが段差で転倒し、脚の筋を伸ばしてしまったそうだ。沢は、乗鞍国際スキー場に出る直前に崖(滝様)となっていて、先頭石黒L に、左岸の少し上部を迂回するよう怒鳴られたが.....当の石黒 L は、板を崖下に放り投げて、崖をクライムダウン&飛び降りをしていた。(とても怖くて、真似は出来ないと思った。)
崖下は平(12 時)で、トンネルをくぐると林道になり、直ぐにスキー場に出て、里見ゲレンデ下に 13:45着。リフト券売り場でバス停の場所を教えてもらい、徒歩 5 分程で里見バス停に到着した。14:17 発のシャトルバスには余裕で間に合い、栂池スキー場に戻った。
合田さんの脚痛は気の毒なことをしたが、大きな事故もなく、時間的にも余裕があり、そこそこ快適な滑降も楽しめて、充実した山行だった。
宿泊先の「シャルムいなば」は、焼きたての山女魚やら刺身や食べ切れない位のおかずが出て、朝食も美味しく、コクのある珈琲もあって、とても良かった。
リーダーの石黒さん、SL の守谷さん、宿の手配をしてくれた清水さん、車を出してくれた角田さん、面倒見よい小久保さん、同室だった成瀬さん、帰路同乗だった吉岡さん、皆様、ありがとうございました。

(中館 記)


2月23日(日) 天候:晴れ

行程 : 白馬 47 スキー場―遠見尾根〜村尾根〜林道〜白馬 47 スキー場
参加者 : 石黒(L)、守谷(SL)、中館、清水、小久保、合田(記録) 合計6名


10:00 高速ペアリフト Line E 終点 1610m―(遠見尾根)―10:45 村尾根分岐 1850m11:00〜
(村尾根)〜11:45 三本杉 1332m(昼食)12:10〜12:25 堰堤下 1030m(渡渉)―林道〜13:15
大堰堤下 850m(渡渉)―13:20 スキー場駐車場 820m―13:40 センターハウス前解散

寒くて視界も今ひとつだった昨日と違い、今日は晴天で快適な山スキー日和。しかも気温はあまり高くなく、雪質悪化の心配もない。昨夜の30周年記念宴会では、かなり遅くまで飲んだが、朝までにはリセット完了。3台の車に分乗して白馬47スキー場に到着。準指検定のためゲレンデ練習する角田さんを除き6人で出発。小生は昨日傷めた左脚が気になったが、少々の怪我でも騙し騙し行動する練習も兼ねて参加。

守谷 SL を先頭に遠見尾根を順調に登高。途中で地元山スキーパーティを抜き、45 分で村尾根分岐に到着。さあ、これからがお楽しみの大滑降。出だしは高度感ある痩せ尾根の凍結急斜面。石黒 L を先頭に横滑りターンを繰り返して慎重に高度を落として行く。凍結面の上にうっすら雪が積もった状態なので転倒は禁物。樹林帯近くまで下がると 5〜10cm 程度の積雪があり、スキーのグリップが確保されて一安心。晴天でも気温が-8℃と低いため、降雪が少ない割りには所々で軽い雪質の浅い深雪が保持されている。狭いボウル状の地形やら樹林帯の中では、それなりの斜度はあるが吹き溜まりの柔らかな雪が20cm 位あり安全快適に滑降。思わず歓声が飛び交う。これぞ山スキーならではの醍醐味。
小さな三本杉で大休止。春スキーのような暖かい陽射しのなか山懐に抱かれ、各自持参の弁当で至福の時。これも山スキーの楽しみ。今年は雪崩れによるスノーブリッジが無いようであり、清水さんが地元パーティに確認しても同じ返事。スノーブリッジは諦め、地元助言どおり堰堤下を渡渉する方針で出発。狭い尾根の両側はどちらでも滑れる地形などもあり、北への方角には気をつけて各自自由に滑降。
皆少しでも雪が深くて柔らかいルートを求めながら、思い思いのシュプールを急斜面樹林帯に刻む。河岸まである高木樹林帯を抜けると平川の流れ。少し上流方向へ河岸に滑り降りて堰堤に到着。ブーツトップまでは来ない水流の中を渡渉。
シールを装着して左岸を少し登れば林道。あとは林道を辿ってスキー場に向えば良いだけながら、途中何箇所もあるデブリ帯が曲者。上方からの雪崩、落石等の危険性もさることながら、踏み固められて狭いうえにスピードが出る先行者トレース上のギャップが相当危険。思わずスキーを取られて転倒する人が続出。途中、八方尾根方面からのツアースキーヤーのシュプールと合流し、ひたすら林道を滑り歩けば大堰堤。河岸へ滑り降り、少し階段登りして下れば大堰堤下。ここで最後の浅い渡渉。スキー場の駐車場を抜けてセンターハウス前で、成瀬さん、角田さん、ゲストの吉岡さんと合流。ここで石黒 L が解散を告知し、無事山行が終了。

あと車毎にゲレンデを滑ったり、温泉一浴してから帰途に着いた。往きはヨイヨイ、帰りはコワイで、2週間前に降った大雪の除雪が進捗しておらず、高速道車線が狭くなっているところに帰り混雑で大渋滞。角田車はスマホ渋滞情報から往路利用した上信越道を避け中央道を選択。それでも千歳船橋駅には終電近くなって到着。小久保車は名古屋まで渋滞遭遇なしの由ながら、上信越道を辿った石黒車は終電後に到着した由であり、皆さまお疲れさまでした。

(合田感想)
今回はクラブ創立30周年記念行事であり、山行担当の石黒副代表、清水運営委員により「皆が参加できる形態」、即ち温泉に宿泊し、ゲレンデ上部での山スキー、ゲレンデ内の滑降、周辺の散策等、各自に合った多様な行動が選択出来る企画として実施された。しかし、参加者は僅か 9 名であり、特に矢口代表を始め成瀬さん以外に古参会員の参加が得られなかったのは残念に思う。周到な事前準備のうえ、クラブ創生期からの写真を投影したり、前日山スキーのビデオ再生もしていただき、楽しく充実した行事に仕立ててくれた幹事のご尽力には感謝します。
思いを過去に巡らせば、10 年前の20周年記念山行である薬師岳〜双六岳縦走に参加して、今回の30周年記念山行に参加したのは石黒さん、中館さん、合田の 3 名だけであり、クラブ構成メンバーも川の流れのように移ろい変化して行くという事実を痛感しました。
ラ・ランドネにおいては、クラブメンバーの出入りはあっても、伝統ある山スキークラブとして全会員の力を結集し、滔々と流れ行く大河のように小異を呑み込みながら、これからも永く続くことを願って已みません。

(合田 記)