2014年3月 博士山・志津倉山 山行報告

3月15日(土) 博士山 天候:曇ときどき雪

琵琶首、下平(660m)0840…林道(1150m)1100…1476ピーク(1476m)1215…博士山(1481m)1245〜1250…1476ピーク(1476m)1315〜1335−林道(1100m)1410−1012地点(1012m)1420〜1435−下平(660m)1515

 14日(金)の夜9時に和光市駅で集合して、外環経由で東北道を会津坂下へと車を走らせる。途中雪が降ってくるが、ほぼ予定通りにインターを降り、すぐそばのコンビニで買い出しをして、宿へ向かう。宿までの道が凍結していてけっこう気を使った。宿は西山温泉の中の老沢温泉旅館、1時過ぎなのにおかみさんが起きていてくれた。さっそく、名物の温泉に入らせてもらう。階段を下りたかなりマニアックな温泉には湯船が三つある。樋のようなもので熱いお湯が注がれており、注ぐ量によって温度が異なるが、結構熱い。洗い場はない、が浴室には温泉神社が祀られている。体が温まったところで就寝。
 宿で各自朝食をとって、7時半に出発。車にはうっすらと雪が積もっている。琵琶首までは車で30分ほど。事前にリーダーが下見をしてくれていた駐車場所には車は無く、楽々停められた。雪が舞う中、支度をして歩き出す。道路から畑(田んぼ?)へ上がるところに側溝があるらしく、雪の下から水音がする。気を付けなければと思っていたら、雪を踏み抜いた。靴を濡らしたが厳冬期でないので、そのまま歩く。



 畑を抜け、博士山から真西に伸びる尾根に取りつく。最初は少し傾斜がきつく、木が密だが標高差で100mも登れば、あとはのんびりムード。970mぐらいまでは杉交じりの痩せ尾根だが、そこから上は広くて気持ちの良いブナの林になる。あまり段差のない林道を過ぎ、時々薄日の射す気持ちの良い林の中を登っていくと、一本北側の尾根との分岐(1410m)へ。この辺りは、南側に適度に傾斜のある良い斜面が広がっている。この辺で滑って、登り返して楽しみたいところだが、今日は泣く泣く諦める。ここから1476mピークまでは、少し痩せた尾根で北東側に雪庇が出ている。1476mピークからは林を抜け、風もあり真冬の様相。事前の情報では博士山まで楽に往復できるようであったが、北東側は切り立ち、尾根は痩せているうえに南東に雪庇が張り出し、思いの外アップダウンもある。しかも白くて雪面も見づらい。行きたくないオーラを出したが、ピークハンターのリーダーにあっさり却下された。仕方がないので、さっさと済ませるためトップで進む。3月13日のレインクラストの上に風の影響を受けたスラブが乗り、歩くたびにずれて歩きにくい。わずか500mほどの距離なのに30分もかかって到着。
 山頂はのっぺりとしていて特に感慨はないが、なんとなく果てまで来たなという感じ。風もあるので、写真だけ撮って急いで戻る。ここで大戸沢岳に登っているはずのAさんの無線が入る。今朝、大西さんの無線機に合わせて普段使っていない周波数に変えたはずなのに、何故入るのだろうか?とにかくあちらも楽しんでいるようである。往きほどではないが、帰りも20分ほどシールを付けたまま歩き、1476ピークに戻る。ここでシールを外して、待望の滑走に。雪庇を避け、尾根の南西側をトラバース気味に滑る。あまりにも気持ちがよいのでちょっと滑りすぎ、1410mの分岐では少し階段で登り返す。中館さんは少し苦労していたようである。ここからは尾根を忠実に辿り、ブナ林の中のプチパウダーを楽しむ。ただし、傾斜がないので深雪のときは下りラッセルだろう。林道が近づくにつれて細い木が密になってくる。少しでも滑りやすい場所を選びながら、林道へ降りる。思ったほど段差は無かった。林道からはスキーヤーズライトに杉林が見えるので、左よりを滑る。階段で少し登って1012m地点に。こちらが苦労して登っているのに、大西さんは普通に歩いている。と思ったら、板の裏に雪がびっしり付いていた。どうりで登れるわけだ。ここで初めての腰を下ろしての休憩。リーダーの北側の細尾根を滑る案と深井の真西の尾根を沢に降りる案と対立するが、なんとかリーダーを説得して深井案で行くことにする。真西の尾根は最初こそ傾斜が急だが、開けたところもあり、日が射してスノーボールが多数落ちる重々の湿雪を快適に?下る。中館さんは少し苦労しているようである。沢床でスノーブリッジを渡り、登りで使った尾根の北側斜面をトラバース。雪が緩んで雪崩れそうなので、慎重に地形を選んで進む。程なくして畑に出て、今朝の尾根の取り付きを見ると、トレースはほとんど消えていた。今度は側溝に落ちないように慎重に道路に降り、車に無事到着。
滑ったと言うよりは、登ったという感じの山だが、天気も雪の状態も程よく、充実した一日でした。今度は山頂目指さずに、南面斜面の登り返しを楽しみたい。
宿に帰る前に、翌日の志津倉山の駐車場所の下見をしていく。除雪終了地点に1台停まっているが、あと2台ぐらいは置けそうである。安心して宿に帰る。混浴なので、男女交代で温泉に入りながら、夕食の支度をする。調理器具、食器は貸してくれるが、あるものは限られる。ガスは10円玉を入れるタイプなので、大量の硬貨が必要。今回は深井の部屋に石油ストーブがあり、それも活用した。夕食のメニューは大西さんのチーズハムの揚げ焼き、深井の松前漬けと豆の和え物、中館さんの(大量の)キャベツサラダ、中川さんの石狩鍋。とても食べきれないぐらいの量があり、のんびりと時間をかけて夕食をいただいた。
(深井 記)


□気象、積雪の観測
・ 870m(0940):天気S-1、気温-3.5℃、フットペン (FP) 20cm
・ 1350m(1140):天気S1、風M(SE)、気温-7℃、10cm雪温-1.2℃
・ 雪崩の観測:午後1000m以下の標高にてスキーカットによりスノーボール多数
□行動の留意点
 稜線は雪庇とクラスト上のスラブに注意。1000m以下は特徴ある地形の湿雪雪崩に注意。


3月16日(日) 志津倉山

 宿を「朝7時に出発」予定だったが、自炊なので、思いの外時間が掛かって、1時間も出発が遅れた。
優しい宿主は、出発の際に「今日は天気が良くていいですね。」と言ってくれるが、「寒冷前線の通過に因る天気の急変」を心配して、「昼迄の下山」を目標にしていたのだ。
昨日下見しておいた、滝谷川対岸の大岐集落の林道入口に車を停め、シールを着けて出発する。(8:47)
昨日から停めてある、山スキー屋らしき車の人達のトレースがある。少し行った所に、右の滝谷川方向へ向かう分岐があった。25分程で、目印のカーブミラーに到着。衣類による体温調整をして、斜面に取り付く。(9:19)



さ程急斜面ではなく、登るにつれてブナが多くなった疎林で、緩傾斜と中急斜面を交えながら、標高が上がって行く。1時間程登った所で急に視界が開け、昨日登った博士山のビューポイントに達した。暫し撮影タイムとなるが、時間と先を急ぐあまり、座っての休憩は取らず、1185P に達する。(10:29)
 その少し手前で、先行パーティーが滑降して来た。また、さきほどから雪が舞い始めていたが、山頂を踏破したいリーダーの意向で、そのまま先を急ぐ。
 志津倉山の2峰に到着(10:47)し、「本峰と3mしか違わないこのPで、ブログ記録の殆どのパーティーは下山している」との、深井さんの言葉に、皆もリーダーも納得して、此処で切り上げることとした。帰路は、多少のアップ・ダウンはあるものの、「シールを外した方が速い」との判断で、シールを外して下山開始(11:08)、1185P やら、途中の多少の登り返しは全て階段登高してやり過ごす。少し下った風当たりの弱い平地で、本日最初で最後の休憩。雪も(一時的に)止み、腹ごしらえする。
 再び下り始め、12時丁度に林道に出た。本日は、登高も滑降も、終始リーダーの中川さんが先頭を務めた。そこから20分弱で、車に到着。我々の下山を待ってくれていたかの様に、大粒の雨が降り出し、急いで荷物を積んで、 下山入浴地へと出発した。
リーダーの中川さん、車を出してくれた深井さん、ラストを務めてくれた大西さん、ありがとうございました。
志津倉山は、滑降を満喫出来る大斜面は無いものの、大した急斜面も危険な箇所も無く、短時間でピークを踏破出来る、お買得な山である。ただ、1185P 手前のなだらかな台地で進路方向が変わる辺りは、ガスると迷い易いかもしれない。
(中館記)