2014年3月 焼山北面 山行報告

3月21日(金) 天候:


この週末は悪天候の予報で、どれだけ山に入れるかかなり怪しい状況。折角3連休に焼山北面台地へ行くので何とか山に入りたい。スキー場の天気予報では妙高は21、22日とも悪天だが、シャルマン火打の予報は22日は若干回復するとのこと。そんなに違うものかと疑念を抱きながら小さな望みを胸に都内を出る。宿泊は上越ICすぐの「上越の湯」。1室朝食付き4名で\14,000。温泉があるので快適だった。
翌21日は朝から予報通り暴風雨。一応笹倉温泉に向かうと、積雪が増していくにつれ降雨が降雪に変わっていく。海岸と全く異なる風景・天候に、この山域の特徴が感じられた。たっぷりと積雪がある温泉近辺の様子を確認した後、今日は山に入ることはないと決めて親不知の道の駅へ立ち寄った。さらに波が激しく打ち付ける海岸沿いの国道を車で走り、今宵の宿、長者温泉ゆとり館へと向かった。食事の量が多くまずますの宿だが、笹倉温泉や焼山温泉までは30分以上必要なので、宿の朝食時間を考えると焼山周辺の山スキーをするにはちょっと遠いと感じられた。


3月22日(土) 天候:晴れ時々曇

長者温泉7:20=7:46笹倉温泉(444m )8:12〜9:27九十九折頂上(768m)9:35〜アマナ平(1030m)10:40〜11:22北面台地(1261m)11:46〜大曲(1612m)12:50〜13:30焼山北面最高到達点(1826m)13:50〜14:01休憩地点1(1387m)14:29〜14:56 休憩地点2(803m)15:02〜15:22笹倉温泉(444m)=長者温泉

 快晴とはいかないまでも青空に恵まれる。明日は糸魚川から帰らなければならず、長時間行動ができないのでこの日に焼山の行けるところまで行ってしまおう、という方針に決まる。本日も長者温泉に戻るので、行程が短く計算できる放山や空沢山なども考えたが、折角なら北面台地へ行きましょうということで意見がまとまった。国道沿いのセブンイレブンに寄って買い物を済ませ、笹倉温泉に向かう。温泉で駐車をお願いしたところ、快く対応してもらった。この週末はヘリスキーが焼山温泉から飛ぶ企画もあった(1回\15,000、空沢山付近まで連れて行ってくれるようだった)。
 駐車場からの林道は除雪されておらす、すぐにシールを装着して歩き始める。昨晩降雪があったが、20cm程度しか潜らず歩きやすい。基本的に林道に沿って歩くが、所々で九十九折をショートカットする。このジグザグが終了する辺りの勾配が少しきつく、登り切った辺りで一息入れる。振り返ればBlogで良く目にする鉾が岳の風景が広がっていた。


九十九折れ頂上からの鉾が岳


九十九折れ頂上からの焼山、高松山、昼闇山

 気合いを入れ直してしばらく行くと、標高900m付近で途中テント泊した山スキーヤーがいた。また、この付近からは我々が本日向かう焼山と高松山、昼闇山の見事な山並みが眺められる。上の写真では同じくらいの標高に見えるが、実際は焼山だけが600m程高く、それだけに中々頂上のガスが切れない。それにしても素晴らしい山域。笹倉温泉の標高が450m程度に対して焼山は2400mなので、標高差およそ2000m近くが絶好の山スキーエリアになる。
 九十九折が終わるとあまり標高を稼がず、写真のアマナ平まではダラダラと登っていく。トレースはアマナ平の奥まで行かずに左側の尾根を何回か折り返しながら登っており、これに従って急登をこなすと北面台地に上がることが出来た。この北面台地に出るまでが本日の登りで一番きついと思われた箇所で、台地上までテントを上げるとすれば結構しんどい斜面だと思う。


アマナ平

 ここでランチタイム。焼山北面から火打にかけての稜線の迫力ある景色に見とれつつしっかりと補給した。西方向は高松山が大きく聳えて鉢山や烏帽子岳、阿弥陀山は見えない。東方向は火打から空沢山の稜線が横たわるが、あまり明確なピークではなかった。


北面大地からの高松山


北面大地からの空沢山方面


昼食を終えた頃はまだ焼山が雲に隠れていました

昼食後はこの長い溶岩台地をひたすら登って行く。標高1300m付近でトレースは昼闇山や高松山を目指したためか右の沢を越えて行く方向に伸びていたが、我々は焼山方向へ出来るだけ一定に登るべく、トレースを外してできるだけ尾根上にルートを取った。この辺りからガスが濃くなりフォールラインがわかりづらかった。昼食後は先頭を歩いていたのだが、登るラインを考えているとペースが落ちていった。そこへ清水さんから「私が先頭行くから、後ろからGPSで確認しといて」と申し出があり、あっさりとトップを譲る。清水さんの登りは快調そのもの。石黒さんが「速くなった」と太鼓判を押されたのもうなずける。視界も回復して眼前に焼山が雄姿を現した。


ガスが一気に晴れて焼山の全貌が・・・


実に雰囲気の良い斜面

 焼山は地図でもわかるように溶岩流跡の凹地沢が多数ある。出来るだけこれを回避するために上へ登って行った結果GPSで示すルート取りになったが、年や季節によってこの凹地沢を越えるポイントは異なると思われる。焼山の右肩辺りの灌木地帯で本日の登りは終了。ここまで約5時間半。辺りは上の写真のように本当に雰囲気の良い美しい斜面である。
 下りは標高差約1400m。さすがに足に疲れが溜っていて滑り出しの1本目はド後傾で思ったように曲がらない。2本目からは少しエッジングを弱くして浅回りのショートターンで行くとリズムが出てとても快調に滑ることができた。振り返ると皆さん実に楽しそうである。わいわい歓声を上げながら北面台地に無邪気な落書きを残した。


北面台地に残した落書き

 アマナ平への下りで湿雪によろめいて転倒。足がかなりきつくなって若干つり気味である。アマノ平周辺の平地や登りはスキーを漕ぐ箇所がかなりあり、腕も相当疲れた。最後の九十九折林道はできるだけセイフティに滑り、無事に笹倉温泉に辿り着いた。下りはトータルで1時間半。山スキーだからこその速さである。
 今回は初日に山が荒れて入山できず、焼山中腹までの偵察に終わったが、大変充実した山行だった。また、この山域は登山道のない山に様々なダイナミックなルートを考えることができそうで、是非今後も訪れたいと思った。
 翌23日は晴天だが、帰りの渋滞も考慮して山には入らず、朝からフォッサマグナをドライブ。おやきの里やキトキト寿司などで満腹にして帰京した。


GPSトラックデータ(登り;赤色、下り;青色)