2015年2月 鍋倉山・飯縄山 山行報告

2月20日(金)

阿部さんの車で 上野毛20時40分に上林、荻窪21時に佐々木さんをPick Upしていただき、関越道・上信越道経由で戸狩温泉スキー場の宿 銀嶺荘に向かう。宿の近くで少し迷ったが0時半頃到着。事前に聞いていたが、学生のスキーサークルの合宿の最終日の打ち上げのようで、酔って正体不明となった若者たちが宿の中を俳諧していた。軽く飲んで就寝。


2月21日(土) 天候:晴れ

8:23 温井 ----- 10:35 鍋倉山山頂 ---- 11時半頃 黒倉山山頂発 ---- 11:50 黒倉山北面登り返し----- 14:05 稜線 15時頃 稜線発
----- 15:45 温井

朝食後8時前に宿を出発し、車で温井集落の除雪の終点に移動。降雪の後の好天の予報で、既に20台の車が駐車していた。除雪の終点からシールで歩き出す。数十人の先行者がいて、トレースはばっちりついているが 一応地図で現在位置を確認しながらトレースに沿って歩く。しばらく行くと小さな小屋があり十数人が休憩していた。小屋を過ぎてから少しだけ急な斜面があったが、そこを過ぎると山頂までゆるい斜面の登りが続く。小屋を過ぎてからずっとブナ林の中の登りだが 途中からはブナの全ての枝に霧氷が付いた それはそれは美しい光景の中を幸せな気分で歩く。


霧氷がついたブナ林

少しかかっていた雲も徐々に取れていったが山頂手前から風が強くなってきたので中間着を着て、グローブも厚手の物に変える。先行トレースのおかげで2時間ほどで山頂に到着。山頂は風が強くて寒いので写真だけ撮って 一段下がったところに降りて滑走の準備をする。一段下がって風さえ防げば快適な陽気だ。滑走斜面のスタート地点でピットを掘り、リスクは少ないと判断して まずは北東斜面を沢に向かって滑走開始。思ったほど深くは無いが快適な浅いパウダーの斜面。佐々木さんは凄いスピードでかっ飛んで行ってすぐに見えなくなってしまった。あっという間に200mほど滑り、小休止して黒倉山に向かって登り返す。鍋倉山と黒倉山のコルを経由して 15分ほどで黒倉山に到着。
風も収まり、のんびりと360度の展望を堪能する。目の前の妙高が圧巻だ。


黒倉山の山頂

このまま温井に戻ると、あまりにも時間が余るので黒倉山の北西斜面を少しだけ滑ってみることにする。地図で見ても相当な急斜面で 登り返しが大変なのは予想できるが、時間はたぷりあるので何とかなるだろう。頂上直下は段差があったりして慎重に通過し、沢の源頭部状の所からエントリーして200m弱降りた所から左(西側)にしばらくトラバースして少し尾根状になった所から登り返す事にする。途中 同じ斜面をずっと下まで滑り降りたトレースがあったが、どこまで降りて どのようして戻るのだろうか?
登り返しはのっけから急斜面で登るにつれて斜度がきつくなっていく。少しでも尾根状の所から外れると雪が深くなり、斜度が急なため板が下に滑ってしまう。上部がどのようになっているのか全く見えないが、尾根から外れると稜線の手前側が雪庇になっているのが下から確認できるため、尾根状の所を直登しないと戻れないだろうと判断して シール登高の限界に近い斜度を時に潅木につかまりながら登る。稜線直下で少し斜度がゆるくなり、無事稜線に戻れた。さすがにくたくたになった。後続の佐々木さんと阿部さんと離れてしまったが、戻る元気もなく稜線で待つ事にする。頑張ってもらうしかない。暫らく待って二人とも無事稜線に到着。休憩後 黒倉山の山頂に戻ってシールを外して滑走準備。黒倉山からゆるい沢をダイレクトに滑り、途中から沢の右岸に移ってトラバース気味に滑りながら標高を落としていくが、夕方になって急に気温が下がり 表面がクラストしたモナカ雪になって阿部さんと上林は苦労しながら下った。何十年スキーをやってもモナカだけはダメだ。佐々木さんは物ともせずかっ飛んでいく。
登りの時に横を通った小屋の所で登りのルートに合流して温井に戻る。下るほど雪が悪くなり足が疲れたが、なんとか温井の除雪終了点に到着して宿に戻った。黒倉山の北面の登り返しの疲労のおかげで何となく充実度が上がった気分。
着替えた後 近くの温泉「望の湯」に行く。戸狩温泉スキー場は 目の前に野沢温泉スキー場があるため、宿もリフトも安く設定されているためか若者率が非常に高く、いまだにこんなに沢山の若者がスキー場にいるのかとびっくりする。夕食後TVを見ながらだらだら飲んで就寝。


鍋倉山 山旅ロガー トラック図


2月22日(日) 天候:曇り

9:55 戸隠スキー場トップ めのう山 ----- 10:18 1639mのコル出発 ----- 11:13 飯縄山(1917m) ----- 11:50 飯縄神社(1909m)出発 ----- 13:20戸隠スキー場

朝食後 宿から戸隠スキー場に1時間かけて移動して支度をして出発。リフトを2本乗り継いで最上部の「めのう山」へ。朝から南風が強く、飯縄山の稜線はガスの中。まず めのう山からコルまで下る南側の斜面は またもやモナカ雪。尾根の北側に逃げて何とかコルまで下る。
予想通りだったが昨日大勢の人が入ったようで、斜面はガタガタ。シールの跡、登山者の跡が入り乱れている。
風が強いので汗をかかないようゆっくり登ったが1時間で飯縄山に到着した。ガスは取れてくれて展望は悪くなかったが少し風が強い。写真だけ撮ってすぐに隣の飯縄神社のあるピークに移動して小休止の後 滑走開始。予想通り下りの斜面もガタガタに荒れているが、モナカになっていないだけありがたい。トレースの無い所を選んで滑るが雪が沈んで重たく 足に堪える。ほとんどルートを確認する事も無くトレースに従って滑り、林道に出た。橋を渡り、微妙な登りの林道をスケーティングして戸隠スキー場の中社ベースに出て、リフト2本乗り継いで スキー場のコースを滑って出発地点に戻る。上から下まで悪雪で予想していたよりずっと時間がかかってしまった。今日は レールに乗って登り、レールに乗って下るだけの正直言って面白くも何とも無い山行になってしまったが、前日に降雪がなかったので仕方がないだろう。
スキー場の中社ベースにある「神告げ温泉」に入り、信州中野ICの乗り場に近い蕎麦屋で美味しい蕎麦を食べて締めくくった。


飯縄山 山旅ロガー トラック図

2日間共 大勢の人の入山があり、ほとんどルートファインディングが不要だった点が物足りないが、初めての山に2つ行けて満足した山行だった。特に鍋倉山は素晴らしく、次回は厳冬期らしい天候の時に雪にまみれて登りたいものだ。

宿情報
戸狩温泉 銀嶺荘 1泊2食 5000円。前泊+朝食 3000円。電話 0269-65-2136
風呂は温泉でなく、食事も料金相応で質素だが 宿の人はとても感じが良かった。温井に近く、鍋倉山に行くには便利。

(上林 記)