2016年3月 野伏ヶ岳 山行報告

3月4日(金)

中川、野村 各自岐阜市内ホテルに投宿

3月5日(土) 天候:

岐阜市内ホテル前5:30=白山中居神社7:30〜9:50−1097.2m地点台地11:20−最初の休憩点(和田山牧場内池)11:35〜11:45−野伏ヶ岳山頂13:40〜13:50−1097.2m地点台地付近15:15〜15:25−白山中居神社15:55

昨年降雨により途中敗退した野伏ヶ岳を今シーズンこそ是非登りたいということで、世話役として山行提案者となった。上林さんがリーダーを引き受けてくれたにも拘わらず、参加者が集まらなかったが、何とか阿部さんも参加となり、3名にて山行実施となった。阿部さんは昨年、膝の靱帯を痛めてシーズンを棒に振っており、今山行は今期会山行復帰第1戦となる筈であった。ところが、直前阿部さんが風邪に罹患、上林さんも諸般の都合で参加不可能となり、結局上林チームは小生1人となった。
ただ、今山行に際し、前年同様東海チームにも声を掛けており、集中登山風に中川・東海チームと上林チームの二チーム山行が予定されていた。そこで小生は中川・東海チームにピックアップ含めて、同行させて頂くこととなった。
斯くして野村は車移動を中止して前夜新幹線で移動、東海道本線岐阜駅近くのビジネスホテルに投宿した。送別会があり最終電車となった中川さんも同じビジネスホテルに投宿。翌朝小久保さんにホテル前にてピックアップをしてもらい、小久保さんの駐車場に一端戻って、土屋車にて来ている土屋さんと合流して、今回のメンバー4名が勢揃いした。
全員小久保車に乗り込み出発。天気は明日は遅くから崩れる予報が出ているが、本日はまずまずとの予報である。車は岐阜・各務原ICより東海北陸自動車道に乗り、岐阜県と福井県の県境にある野伏ヶ岳の登山口、白山中居神社を目指す。ここは昔白山信仰の美濃側登山口として栄えた郡上市白鳥町の石徹白(いとしろ)にある。
車は順調に走行しているが、途中より雨滴が落ちて来た。白鳥ICを降りると40分程で目的地の白山中居神社に到着した。既に駐車場には10台程の車が駐車している。雨は強さを増して音を立てて降っている。既に駐車している車の人達も雨止み待ちである。我々も車列端に車を付けて、暫し待機となった。雨待ちの人達をよく見ると半数程は登山者であった。やがて下山時間のタイムリミットから出発する人もチラホラ出てくる。
我々は二時間は雨止み待ちをしただろうか、9時半位から出発準備に取りかかった。雨も幸いにだいぶ小降りとなった。9:50出発。白山中居神社を正面にして左に下り、朝日添川の橋を渡り、二俣を左に石徹白川に掛かる橋を渡って林道の雪が繋がった処でシールを付け、シール歩行を開始した。昨年から比べると橋からの見晴らしはだいぶ開けて見えるのは小雪の所為だろうか。しばらくは林道歩きであるが、雪が切れている処もあり、スキーを脱ぐ。緩やかな林道がZ型に続いており、途中中川さんと小生はショートカットを試みるが、ダイレクト尾根を直接目指すトラックに惑わされて、土屋、小久保チームと離れてしまい、軌道修正をして再び合流。あとは緩やかな尾根に沿って忠実に登って行く。登山道分岐点手前の大きく曲がる林道はショートカットすると、やがて1097.2m地点のある大きく開けた台地に出る
。もう少し先に行くと池の見える休息最適地があるので、そこまで歩いて1本を取った。当然池は雪で埋まっており、昨年はテントを設営をして宴会をしているようなパーティーがいたが、今は誰も居ない真っ白な平坦地である。此処から本来であれば高くは無いが、端正な野伏ヶ岳の全貌が見える筈であったが、今日は残念ながら稜線はガスで見えない。昨年は左手山側をトラバースしてダイレクト尾根の取り付き点を目指したが、今回先頭の山行リーダーの土屋さんは池の端の平坦部を真西に進む。この方が尾根への取り付きが楽とのことであった。いよいよこれより野村は未体験ゾーンとなる。心躍る一時である。
暫く平原を西に進み、その後地図上の湿地地帯を横切るように南西に向きを変える。昨年末発行の山スキー百山では湿地帯に沿って迂回してダイレクト尾根を末端から登るようなルートを取っているが、土屋さんルートは迂回をしないでショートカットし、更にダイレクト尾根末端手前の適度な斜面から取り付いたので、随分と時間短縮となった。ただ、尾根に取り付く手前に地図に無い川があり、余命あと幾らもないだろうというスノーブリッジが渡れたが、これが渡れないと、ズーと大回りを強いられるかも知れない。
ダイレクト尾根は所々狭いところもあり、雨を含んだ今日の悪雪を考えると下りはかなり要注意と思われた。このような先入観念は滑りの足を引っ張ると後々実感することとなる。登りもシールが効きにくく、特に今年新製品となったアセンションシールは毛足が短くなり、しっかりと踏み付けないと滑ってしまい、2度ほど前面に手を着いてしまった。1380m付近にて二回目の休憩。相変わらずガスで視界は遮られ山頂は見えない。地形的に風を受け始めたので、此処より脱いでいたオーバーヤッケを着用。
この前後から早出の単独登山者が山頂を終わって下山してくるのとすれ違う。やがて北東尾根への分岐点に到着。周りはガスでほとんど視界が効かないが、左側は多少険しい様子が分かる。山頂へはこの分岐を真西に標高差7〜80m程登ったところが山頂である。小久保さんからあと250メートルと声が掛かる。山頂はのっぺりとしたところで、山頂標示板や柱は無い。地形的にもGPS的にもピークということで、山頂到着とした。13:40。右に寄った処に僅かに窪地があってそこで風を除けてシールを剥がす。滑降準備を整えて、
13:55下山開始。当初予定では下りは北東尾根を滑る予定であったが、視界ゼロに付き、安全に往路を戻ることとした。ダイレクト尾根はルート経験有りの土屋さん先頭で、次に小生が滑らせて頂く。上部はガスで視界が相当悪いが、短い距離で土屋さんは停止して、後続を確認してくれるので非常に助かる。北東尾根との分岐まで下ると、行きに追い越したスキーヤーが山頂は諦めて下山しますと言いながら下山準備をしていた。悪雪とガスで途中敗退を決めたのだろう。そのような悪雪を土屋さんはショートターンで難なく滑って行くが、続く小生は今期ほぼ山スキー初とあってまともに曲がらない。従って転倒もするし、腰も引けてますます艱難辛苦、修行のスキーとなった。小久保さんも中川さんも土屋さん程では無いがそつなくこの悪雪をこなしている。小生の大腿四頭筋は既にバンバンである。1400m程の処まで下って早くも小休止を取って貰った。
雪が良ければ気にならない木立の間隔が必要以上に狭く感じる。登ってきた時に感じた先入観が更に腰を引かせてしまっているのだろう。やがて左手に和田山牧場跡地の見えるところまで尾根を下ると、そこから牧場跡地めがけて急斜面を土屋さんはアッと言う間に下ってしまった。小生はもう少しそのままダイレクト尾根を下って、牧場跡地側斜面の斜度が落ちたところから跡地を目指して斜面に入るが、連続ターンは困難で、休み休みとなってしまう。牧場跡地からは再びシールを付ける。左手の小高い丘にテントが一張り設営されていた。1097.2m付近の高台まで進む。此処でシールを外して杉の林に突入する。また試練の時だ。
土屋さんと中川さんは林間をショートカットして滑って行く。とうとう耐えきれず920m地点くらいから小生は林道をその道なりに滑ることにした。後ろに小久保さんが着いてきてくれた。途中スキーを抱えて下山する男女のペアーを追い越す。あまりの辛さに彼らはスキーも脱いだのだろう。最後は林道で全員合流して、スタート地点に戻った。15:50着(白山中居神社15:55)であった。
あとは待望の飛騨牛すき焼きパーティーが待っている民宿いとしろ旅館まで直行である。中川さん曰く「最高級の飛騨牛すき焼きと美味しい朝食で一泊6500円とは信じられない〜!」。そこで、Kチームの今回不参加となった方々のリベンジを兼ねて、来年は野伏ヶ岳と荒島岳を企画しようという声が上がった。小生はあまりのふがいなさからの自信喪失と山頂まで行けた満足感と何とも複雑は心境の山行となった。
尚、翌日の予定は民宿前から登る毘沙門岳であったが、雨模様の為中止とした。
(野村健一 記)


東海チームのメンバー


真っ白な山頂


スノーブリッジを渡る


GPSトラック図 登り:赤  下り:青