2017年2月 八甲田山 山行報告

1月31日(火) 午前:銅像コース、午後:酸ヶ湯温泉コース

本州組は前日、高速バス・新幹線・飛行機と思い思いの方法で酸ヶ湯へ集合。北海道組は、予約便が荒天で欠航となり朝一番のバスで到着、全員がそろう。9時、宿のバスで出発。今日の貸切ガイドは徳差ガイドである。一本目は銅像コースとする。山頂は強風とガスで視界不良、斜面がよく分からない。恐る恐る滑り始めるが、少し下るとしだいに視界も開け雪も良くなっていく。シールを付け前岳の北斜面へ。滑走開始、適度な疎林のなかパウダーを堪能した。午後は、中央ルートを酸ヶ湯へ下るコース。田茂萢岳南面のみごとな樹氷だが視界不良と寒さで楽しむ余裕もなく、ガスの中を滑る。毛無岱は視界も開けシールで移動。城ヶ倉温泉へのルートを分け、大岳環状ルートに合流、酸ヶ湯裏の湯坂を気持ち良く滑り宿に到着した。
(佐藤記)


2月1日(水) 箒場コース

昨日に続き徳差ガイドで箒場コースに出かけた。 田茂萢岳から滑り降りてシールを着けて大岳避難小屋をめざしたが、田原さんが宿にシールを忘れたためメンバー持参の細引きとスキーバンドでシール代わりとした。この代用シールはスキーに密着してないので前後に動く、前に滑らすことができないなどで歩行には通常のシール着用の約3倍の労力を要した。幸い、皆のビンディングがTLTだったので交代でこの代用シールスキーを使って避難小屋まで登った。メンバーの協力は素晴らしい!



避難小屋での昼食後は荒天となり猛烈な強風と視界不良の中、井戸岳斜面トラバースし、風でたたかれて滑り難い斜面を苦労して滑って樹林帯に入った。
この猛烈な強風で井上のファン付きゴーグル(SWANS HELI-PDTBS)のファンのスリットからファンに逆らって細かい雪がゴーグル内に入って先が見えなくなりまともに滑ることができなくなった。幸いほぼ後からの強風であったので途中からゴーグルを外して滑った。この製品は欠陥商品だ! 同様のクレームが多いようで、後日、SWANSからスリットを覆う通気性のある薄いスポンジシートを送ってもらい取付けた。
(井上記)


2月2日(木) 荒天でロープウェー停止、湯坂

朝から荒天。ロープウェイ停止が予想され、皆にツァー参加の出欠を尋ねると大多数が停滞を希望し貸切のツァーは中止とする。この新雪を滑らないのはもったいないと有志4人で、宿裏の「湯坂」に行こうと話がまとまる。膝下の新雪をラッセルし80m程登る。ノートラックの斜面。吸い込まれる様に滑走開始。フェースショットのパウダー!爽快!!が…アッという間に到着。で、もう一回。爽快!アッで到着。斜面を散々荒らしたので終了、あとは温泉へ。極楽、極楽。
宿の一般参加ツァーは決行されたが、結局ロープウェイは停止し銅像コースを下から登り滑ったとのことであった。「湯坂」正解!。
(佐藤記)

2月3日(金) 午前:モッコ沢、午後:銅像コース

今日からガイドは其田隊長になった。前日ロープウェイが運休したため、隊長が積雪の状況を見たいと午前中はモッコ沢へ。田茂萢岳山頂はガスの中。視界が悪いので前の人が見えるうちに続いて滑るようにと言われる。新雪40センチほど。昨年初めてランドネ主催の八甲田ツアーに参加させてもらい、メンバーの果敢な滑りに非常に刺激を受けた。私も気持ちだけでも積極的にと心がける。樹林帯に入ると視界が良くなり、思うようなラインで滑れるようになった。沢越えの大きなギャップは隊長が整地してくれたお陰で無事に通過できたが、道路沿いのギャップは油断して左足がネットにひっかかり転倒。両脚にしっかり乗らなければと反省する。午後は八甲田温泉コースをリクエストする声もあったが、ロープウェイで登るから安易に思うが悪天候のなかそう簡単には行かれないと隊長に却下されて、初日と同じ銅像コースとなる。雪は深く柔らかく快適だった。
(吉原記)


2月4日(土) 午前:前嶽頂上銅像コース、午後:銅像コース

毎日ゴンドラ山頂駅周辺は濃霧で視界20m、約10mの強風、気温−12度と正に冬山。ガイドがいなければとても滑りに行く状況ではない。それでも毎年酸ヶ湯に通いこんな天気でも行動していると見えなくとも位置が分かる。ここを登って下ればあそこだと見当がつく。
酸ヶ湯の中で前岳が一番好き、そこそこの傾斜で距離も長く滑れる。ガイドの巧みなコース取りで登ったとも思わない内に滑降スタート地点に着く。
膝までの深雪でフワフワのパウダー。何の抵抗もなく好きなように曲がれる、これが楽しくて山スキーをやっているんだ! 更に樹林帯に入り込み滑る、ここもパウダー右に左に木々をかすめて滑る、楽しい!
私は今年スキー道具を新調したG3の板、ビンディングはION、靴はスコット、ストックがK2、ゴーグルがERECTRICと金を使った。
其れなのに新雪以外は上手く滑れない。アイスバーンや重い雪、モナカ雪では転びまくる。自分でも良く分らない? 加齢が原因?皆からは怖がっている、腰が引けている。元気がない。なんでこんな所で転ぶのと散々。
この板は柔らかくロッカーで昨年間迄の板と180度違う。踏ん張ると底なしに曲るみたいだし幅も広くエッジを効かせられない。折角新調したが酸ヶ湯に特化した板として扱おう。これからは自分の苦手を克服する練習をしよう(アイスバーン、重い雪、モナカ雪等)
(鈴木記)


2月5日(日) 箒場コース

好天の土曜日、大勢が箒場コースを目指す。隊長は先行組のトレースとは別により登り易い、眺めの良いコース取りをする。さすが! 大岳避難小屋からは大岳斜面、井戸岳、更に赤倉岳へと各方面へ目指す先行グループが見える。
避難小屋での昼食後は良い雪を探しながら井戸岳をトラバースして赤倉岳斜面まで行くも表面が若干クラストした斜面を滑ることとなった。樹林帯に入ると滑り易い雪となり快適に箒場まで滑る。
今日で今回の八甲田ガイド貸切スキーは終了した。この時期ならではのパウダー深雪を足並みの揃った仲間(平均年齢70才)と楽しんだ一週間であった。
(井上記)



追記:ビンディング(G3 ION12)の不具合(井上):
ツアー途中で下記(凍結)が生じた。
・ 踵の器具(滑り/歩行の切替)が回転しない。
・ ストッパーが固定(歩行モード)できない、下がらない(滑りモード)
其田隊長がテルモスのお湯をかけて正常化した。このビンディングでは時々生じるようだ。テルモス持参は重要! 酸ヶ湯温泉のスキー小屋では乾燥が不十分なためのようだ。