<2002年10月号>
加齢と食事管理
榊 陽
昨シーズンの山行で、体調を崩し途中でリタイアすることがあったり、リタイアに到らずともかなりばてたことがあった。こんな不名誉なことを重ねていては、いよいよ年貢の納め時かとも思ったが、当時の状況を整理してみると、いくつかの共通点があり、食事のとり方に問題がありそうなことが判ってきた。問題点を整理して自らの戒めとする次第である。
昨シーズンリタイアしたときはいずれも早朝自宅を出発し、現地に着くとすぐに支度をして登り始めている。当日は5時ごろ朝食をとった。最近は年をとって食事量は以前の半分くらいになっているが、この朝食も通常の生活の延長上にあり当然少なめである。そのままアルバイトを続けていると、9時ごろには空腹になってくる。少し前まではそれなりの量の朝食をとり、体力もあったので、時には昼食をとらずに長時間行動しても平気だったが、いまでは常時補給なしには体がもたなくなったようである。
リタイアまで行かなくてもばてたなというときは、いずれも悪天候時に長時間行動していた。こういうときにはなかなか行動食をとり難いので、つい食べずに済ましていた。こんな状態でも翌日天候がよければ、適宜行動食をとり結構快調に登行できたので、ばての原因は食事のとり方にあるようだ。
このことに気付いたのは、杉原さんと山行をともにしたとき、「私は食が細いので、しょっちゅう食べるように心がけている」といわれたことである。そういえばオートルートで、屈強なガイド達も休憩時には何か口に入れており、私達にも何か食べるように勧めていた。
食事のとり方とばての関係を確かめようと、夏前に何度か奥多摩に行って自分の体で実験をしてみた。実験の要領は早朝に通常の朝食をとった後自宅を出、標高差1,000mから1,200mの山道を、約5kgの荷物を担いで(1)行動食なしで登る、(2)絶えず食糧補給をしながら登るの2通りとした。なお途中の休憩はしない。この結果、前者では2時間くらい行動していると、空腹を覚え登行スピードが落ちた。これに対して後者ではほとんど疲れず1時間に400m以上の登行スピードを維持できた。
以上要約すると「年とともに食事の摂取量は減っていくが、山行に要するエネルギーは年齢には関係ないから、必要な食事量を小分けにしてでもきちんととる」ということが結論である。「若いときこうだったから・・・」という思い込みが、こんな当たり前のことに気付くことを妨げていたことになる。大いに反省しなくてはなるまい。こんなわけで、体力維持に努めかつ食事管理をきちんとすれば、もう少しの間は皆さんに迷惑をかけずについて行けそうだとの希望が出てきた。甘いかな?
さて行動食を持ち歩くとしても、すぐに取り出せないと意味がない。周りを見るとほとんどの人はウエストポーチを使っている。しかし私があれをつけた姿を想像してみてとても似合うとは思えない。何に行動食を入れようかというのが、現在の私の最大の悩みである。
<2002年6月号>
私のハットヒヤット その1
状況
2002年4月21日、ラ・ランドネ会山行(リーダー=杉原 参加5人)で、月山から肘折温泉へ抜ける大森山手前の猫又沢で、滝の落口上のスノーブリッジに気づかず、5人が集まった。もし雪が弱くて崩れていたら、滝壺に全員が転落していたかもしれない。
原因
数年前に、ラ・ランドネ会山行パーティーと一緒に通ったことがあり、油断してルートファインディングを甘く見ていた上に、滝の下方にいかにもシュプールらしい横筋が見えていて、惑わされた。
左岸を急登して北側尾根へあがる、夏道の標識を見つけるのが、ポイント。
再発防止策
雪解け時期には何よりも、沢の中央を滑らないこと。そして、1カ所に集まらない。雪の少ない年は、実施期日を早めにする。予め、2万5千地形図上で、予定ルートを想定しておく。ルート経験者にコース状況のポイントを教えて貰う。当日は、先行シュプールをしっかり見極めて、跡をたどる。
(杉原 鉄夫)