<2002年2月号>
紐式の流れ止めについて          大坪 俊郎
「山スキー講座」(全国スキー協 2001年11月18日)での指導
全国スキー協では現在、山スキーでは流れ止めを付けるよう指導している、ということです。
●欧米ではスキー板を流しても、遭難しても、ヘリ等による救助体制が整っているので流れ止めの必要はないが、日本では期待できないため自力で脱出しなければならない。●埋没したスキー板を捜すのに時間を取られ、行動に支障が生じた経験者が多い。流れ止めのないリスクは高い(これは、村上さんの経験=8ページ と符合します)。●雪崩発生の恐れのある個所では、流れ止めを外して通過する。雪崩に巻き込まれたら雪の中で泳ぐような余裕はない、との体験談もあった。

5年前のオートルートでのこと。ガイド、成瀬さんとの3名でツェルマットからザースフェーへ向かう途中、4000mのリンプフィッシュホルンを越えてアラリン氷河を下っていた。私は紐を付けていたと記憶しているが、不覚にも約20m滑落し、ビンディングを緩くしていたのか片スキーを流してしまった。滑落では幸いに他者に迷惑をかけずセルフストップしたが、下方にはクレバスが口を開けており、ガイドはさすが、上部で滑落者とスキー板の両方の行方を捕らえており、クレバス手前で止まったスキー板を回収してくれた。そして、ガイドから一言「ストリング・オン」と厳しく叱られた。それ以来、オフピステでは紐式の流れ止めを必ず付けている。

山スキーの流れ止めは、紐式か、ストッパ−か       村上 静志
私は深雪の中でスキーをなくし苦労した経験があるので、紐派です。ただ、ディアミ−ルの紐は少々太くてやぼったいので、別売のジルブレッタの紐を使っています。留め金がワンタッチで、細くてシンプルです。小さなことですが、ディアミールの紐は長いので、足の上の方で止めている人がいます。これだと、転倒したときに外れたスキーが顔にぶつかる心配があるので、短くしておいた方が少しは安全だと思いますが、いかがでしょう。他に、長くする意味があるのかな?