鳥海山-猪俣恵美子さんを偲んで-
概要
日程:2025年 5月13日(前泊)~15日
場所:鳥海山
宿泊:鉾立山荘(5/14)
参加者:室岡(L)、野村(記録)、藤澤(食担)、小見山(ゲスト 会計)
5月13日(火) 道の駅鳥海郷
天候:晴れ
午前10時前に小見山宅に伺い野村車を小見山さん宅の駐車場に置いていただき、小見山車にて藤澤さん宅に向かう。藤澤さんをピックアップして一路秋田県由利本荘市にある道の駅鳥海郷に向かう。鳥海山スキーの前泊に使う定宿ならぬ定道の駅である。
19:00に着。道の駅休憩舎にて夕食を済ませた後、テントを設営先ずは三人で小宴会開始、室岡さんの到着を待つ。室岡さんは21:30頃に到着。近況を簡単に報告し合い、明日の予定を打ち合わせ後23時前には就寝。
5月14日(水) 七高山
天候:快晴
コースタイム:猿倉P(6:35)=秡川P(6:45/7:08)…1520m(8:16/8:26)…1840m(9:25/9:45)…七高山・滑降点(11:03/11:30)-1485m大休止(12:04/12:34)-1080m最下降点(13:15)-予定ルート復帰(14:15)-猿倉P(14:33)
4:30起床。5:45道の駅出発。先ず小見山車を猿倉の駐車場にデポし、スキー道具を室岡車に積み込んで秡川駐車場に向かう。祓川Pに6:45着。早速身支度を整えて7:08出発。
本日は文句の無い快晴である。当初日程は5/7~10日乃至は5/14~16日の天気の良い日に実施としていたが、5月の前半は天候が安定せず、連休過ぎてようやく天気が安定してきた14日~15日に実施となったこともあり、本日は折り紙付きの好天である。室岡リーダーを先頭に小見山、野村、藤澤で進む。出発時点で無風である。雪はこの時期定番のザラメ雪。雨溝はそれ程ない。数日前に降ったようで比較的綺麗な雪面である。眼前にはゼブラ模様の華麗なる姿が青空に生えて見事な鳥海山がある。否が応でもテンションが上がる。秡川ヒュッテを右手に見て、約30分ほど進むと僅かに風が出てきた。暑熱の一日を覚悟していたがこの風は有り難い。天気が良いこともあり平日ではあるがそこそこ登山者が居る。今年は雪が多いがそれでも出発地点には大きく縦に入ったクラックが出来ていたり、灌木の藪があったしている。そのわきを抜けながら標高1400mを超えてくると広大な雪面が広がって来る。どこを登っても山頂に届きそうだ。ほとんどの登山者は登山道に沿ったルートを登っているが我々は1400mを過ぎたあたりでリーダーから「登山道を左に大きく巻いて登るコースを取る」との説明があった。後は順調に高度を上げる。約350m程登ったところで1本休憩(1520m付近)。1840m付近で2回目の休憩。ここで私の膝サポーターの不具合で付け直し時間を頂いたこともあり20分休憩となった。3ピッチ目は先頭を交代。小見山さんが先頭。途中5分程の休憩を入れて七高山頂(2229m)には11:03位に到着した。山頂まで約4時間はリーダーの事前予定通り。山頂外輪山の稜線は雪が既に解けている。七高山の山名板は見当たらず、雨風で風化した木柱や安全祈願の石碑や追悼記念碑があるのみである。居合わせた登山者に我々の集合写真撮影を依頼。室岡さんが持参した猪俣さんの元気なころの写真を中心に全員の記念写真を撮ってもらった。猪俣さんは写真のみの参加ではあったが今年も鳥海山に来れて嬉しかったに違いない。リーダーの心配りが心に染みた。
滑降はここから雪の無い稜線を南に150m程スキーを担いで移動。東斜面を正面に見る位置で雪面に降り立って、滑降準備、11:45滑降開始。ここからの東斜面は多くのスキーや登山者が利用する秡川コースと違って人は少なく、きれいな雪の大斜面が広がっている。どこでも滑ることが出来るのが最大の魅力。但し目標物が少なく注意が必要。したがって非常に迷いやすいとのリーダー見解。その大斜面を室岡さんと小見山さんがそれぞれ撮影者となって我々の動画をとりながら高度を下げて、1500mを少し切ったところで大休止、昼飯とした(12:05~12:30)。ここまでは順調。昨年の5月連休の時はこれから1260m程まで下ってしまい登り返しで時間を食った模様。事前に注意喚起があったこともあり北に方向を定めて、トラバース気味に1300m位のところまでほぼ予定コースで高度を下げて来れた。これで安心してしまったのか、あまりに滑りに熱中し過ぎたのか更に200m程高度を落としたところで予定コースを大きく東に外れてしまったことが判明。奇妙なことに昨年の軌跡と今回の軌跡を比べて見ると位置こそ違うもののその軌跡は相似形というほど似ている。これはとても興味深い。
ここまで下ると藪島が増えて来て、猿倉口に向けてトラバースを試みても簡単には進むに進めない。シールを付け直して幾つかの藪島を超えて約1時間少しで標高1200m地点で予定コースに復帰できた。後はアッと言う間に猿倉の駐車場に14:35到着。
今夜の宿は鉾立山荘で、17:00に閉鎖される鳥海ブルーラインのゲートを通過しないとたどり着かない施設である。その為に入浴時間に制限が出てくるが何とかこの時間であれば入浴可能ということで思わずリーダーと握手。ただし入浴は手短にして閉門10分程前にゲートを通過出来た。鉾立山荘着はまだ明るい時間帯で鳥海山を眺めながらの展望台での乾杯と日本海に沈む夕日を拝みながらのひと時は何とも言えぬ充実した初日であった。
- 七高山 登り:赤、下り:黄緑
- 七高山山頂にて(猪俣さんの写真を手に)
- 新山と猪俣さん写真
5月15日(木) 文殊岳
天候:晴れ
コースタイム:大平P(6:25/6:45)…扇子森(9:15/9:30)…文殊岳・下降点(11:20/11:45)-下降点(11:53/11:59)-千畳ヶ原(12:15/12:45)…鳥海湖尾根(13:20/13:30)-長坂道合流点(13:55/14:07)-吹浦口登山道尾根合流点(14:15)-大平P(14:30)
4時30分起床。昨夜の夕食同様、藤澤さん担当の朝食をすませ6:20山荘を出発。鳥海ブルーラインの大平駐車場に6:25到着。本日の目指す山頂は文殊岳。扇子森を通って文珠岳に登り、千畳ヶ原まで滑り、鳥海湖を見下ろす稜線まで登り返してから大平口に戻るというコースである。天気は晴れだが、空は薄っすらとベールが掛かっているようで風も少しあり、昨日よりは暑さから解放されそう。鉾立山荘今朝5時の気温は11℃であった。(昨晩の日没時の気温は15℃)
駐車場に先行車は一台のみ。この時間はまだブルーラインのゲートが開いてないので上がって来る車が無いためだ。6:45出発。室岡さんが昨日に続き先頭を案内してくれる。昨日より少し締まった雪面を快調に登って行く。少し小高い法面の様なところをジクを切って確実に登って行く、1時間強歩いて標高1500m少し手前の斜面が落ち着いたところで最初の休憩5分。風が少し強くなって休んでいると多少寒い。オーバーウエアーを着る人もいるが私はたくし挙げていた袖を伸ばして、極薄手袋を着して対応。途中からコースに沿って赤布が出てくる。やがて行く手を遮る大きな藪島があるが赤布に沿って登って行くと石畳を敷いて藪島を切り開いた通路がある。おそらくこれは夏の登山道にある藪通過用の石畳なのだろう。これを過ぎると御浜小屋が見えてきた。脇を通って更に扇子森を目指す。20分ほど登って扇子森トップに9:15到着。
休みながらシールを外した後は一旦南斜面に100m程滑って、200m程東に向かってトラバース、更に南斜面を6~70m程滑って文殊岳の西北西の位置にある鞍部に滑り降りた。ここよりシールを付けて、あとはひたすら文殊岳目指して登って行く。文殊岳のある外輪山稜線はピーク手前まで雪がついているが、最後は少し急な片斜面。雪は緩んでシールが利かない。最後の数十メートルを登るに苦労する。ここで小見山さんが30m程滑落したが自然に停止して問題はなし。稜線に登り上げてからは雪は無く板を担いで少し歩くと文殊岳山頂に到着。
ピークにてユックリと休憩(11:20~11:45)。小見山さんと僕とで交代にメンバーの集合写真を撮る。ここでも猪俣さんの笑顔の写真と共に記念撮影をしたのは言うまでもない。写真での猪俣さんは赤いアウターを着ており笑顔がよく似合っている。休憩後は山名柱を後に300m程稜線を移動して雪の有る大斜面に移動した。ここからの西南西の斜面は雪も綺麗で雨溝も殆ど無くて今回一番の素晴らしい斜面であった。ここでも室岡さん、小見山さんが動画を撮影、全員充分に滑りを堪能したことは間違いない。
滑降の後は千畳ヶ原という鞍部で大休止。正面に笙ヶ岳がドンと見えるが既に大夫雪解けしている。一人単独スキーヤーが我々に追いついて休憩したあと先行登行をして行った。この後は鳥海湖を見下ろす尾根まで登り、次は更に笙ヶ岳に繋がる長坂道に合流する長いトラバースである。ここで私はクトーを装着。雪も緩んで来ており、シーズン最後の今日、更に最後のトラバースで滑落はしたくない。持っている道具は使って安全かつドキドキしないで滑り終わりたいということで躊躇なく使った。その分少し遅れて皆と合流。後は吹浦口からの登山道尾根との合流点を目指して滑降開始。そこは今朝登って来たルート上でもある。吹浦口尾根に合流したあとは本日最後の滑り納めで、順調に快適にアッと言う間に大平口駐車場に到着し、今シーズン最後のスキーを無事終えることができた(14:30)。
この後の温泉はアポン西浜 鳥海温泉保養センター。400円ですべすべの美人の湯。東北の温泉は素晴らしくその上安い。こうして猪俣さんの追悼スキーともなった今回の山行を無事終えることが出来て、提案者且つリーダーの室岡さん、小見山さん、藤澤さんに対し感謝に尽きない思いであった。また改めて猪俣さんの冥福を祈る室岡リーダーの気持ちが伝わってくる記憶に残る山行となった。
- 文珠岳 登り:赤、下り:黄緑
- 文珠岳山頂にて(手に猪俣さん)
- 千畳ヶ原に向かって広大な斜面を滑る室岡さん
(野村 記)







